- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752156
作品紹介・あらすじ
中国近代文学の草創期を代表する実験的小説群。伝統批判だけでなく、当時中国人が獲得しつつあった近代性に対しても懐疑の目を向けた『彷徨』。激しい喜怒哀楽の情をたぎらせる古代の英雄聖賢を描く『故事新編』。中国革命を生きた文学者、魯迅の異色作を紹介。度重なる不幸で精根尽き果てていく女を描く「祝福」。すっかり様変わりした昔の友人の、閉塞感と郷愁に満ちた来し方の物語「酒楼にて」。春秋戦国時代に、思想と技術と組織力で反戦に奔走する思想家墨子の、静かなる闘いを描く「非攻」。意外な魯迅像が発見できる代表作8篇。
感想・レビュー・書評
-
「平安と幸福は凝固するもので、永遠にこんな平安と幸福なのだ。」p108 愛と死 より
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悪くないが、期待したほどでない。当時の魯迅が置かれていた状況をよく理解していないと、十分には楽しめないのかも。
-
「祝福」シャンリンサオの冥福を祈らずにいられない
-
訳・解説:藤井省三
祝福◆酒楼にて◆石鹸◆愛と死―涓生の手記◆奔月◆鋳剣◆非攻◆出関 -
魯迅はポップである。中国近代文学を代表する作家だから、日本の近代文学者もそうだけど、古くさいイメージがあったのだけど、むしろ村上春樹とかの現代文学の空気の元祖として考える方が、正しいのかも知れないと思った。
-
当時の中国社会の、魯迅をはじめとする知識人たちを取り巻く閉塞感がひしひしと伝わってきますが、翻って考えてみますと、その閉塞感は現在の中国においてもほとんど変わっていないのではないかと感じます。そこに中国知識人の苦悩を見る思いです。