悪霊 (2) (光文社古典新訳文庫 Aト 1-12)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (747ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752279

作品紹介・あらすじ

町でささやかれる怪しげな噂は、大きな出来事の前ぶれだった。1人が狂い、2人が燃えあがり、5人が密議をめぐらし、そしてみんな取り憑かれていく。暗い夜が育む悪意の芽。ついに明らかになった、ピョートルの真の狙いとは。アカデミー版「スタヴローギンの告白」初訳を含む。

感想・レビュー・書評

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  • 第7章 同志仲間で p483
    『でも、どんなにうまく事が運んだって、それだけの首切りをやり終えるには早くて五十年、いや三十年はかかります。』

    舞台設定の1869年、連載の1871-1872年から、1905年のロシア第一革命、1917年のロシア革命まで 33〜36年、45〜48年と考えると、随分予言的な台詞だ。

    後付け史観かもしれないが、他にものちの歴史を知って読むとドキッとする表現が多い。革命待望の雰囲気は当時から濃厚にあったんだろうか。ドストエフスキーは待望してないにせよ。

  • 相変わらず登場人物の口を借りてブツブツくだを巻くドストエフスキー。会話で物事が進んでいく様はどこか寸劇めいている。

  • 相変わらず登場人物のセリフは核心を避けたあいまいな物言いばかり。
    ロシアに社会的革命を求める者たちが、何か大それたことをやらかそうとしている……ぐらいのことしか読み取れない。
    結局この小説は何を言いたいのか?
    カラマーゾフの兄弟や罪と罰に比べると断トツの不完全燃焼ぶりだが、巻末の亀山さんの解説がどうにかそのあたりを補ってくれる。
    亀山さんによれば、もっともいびつでカオスなのがこの二巻なのだそうだ……。

    話は何だかわからないけれど、みなぎるエネルギーに押されて何でか読み進めてしまう。
    これこそがドストエフスキーか、と最近肌身で体験しはじめている。

    カルマジーノフの滑稽さの描写がいちいち執念深くて笑える。
    いやドストエフスキーって本当にツルゲーネフが大嫌いだったんだな……

    ロシアの歴史や東方正教会、それと聖書に詳しくなければ意味のわからない引用も多数あり、古典をひもとく上での基礎教養が足りていないのを実感した。
    近いうち、しっかりと聖書を読みたい。

    一巻では奇行の伝聞だけが先行し、恐ろしげな存在として立ち上がったスタヴローギンも、いざ姿をあらわしてみると慌てたり苛立ったり皮肉な笑いを浮かべたりと、意外と感情が豊かな人間だった。
    漆黒の絶対悪というよりは、制御できない悪(悪霊)との狭間にさまよう弱さを感じる。
    シャートフの平手打ちに対して手を後ろに組んだのは、なるほど相互主義の否定と取れるのか!
    ピョートル・ヴェルホヴェンスキーのあくせく奔走する「小者感」を東ローマ帝国の多神教時代の「鬼」になぞらえたのも言い得て妙だ。

    一巻の解説では大量に人が死ぬと予告されていたのだが、二巻の時点での犠牲者はスタヴローギンの回想で出てくるマトリョーシャのみだった。
    (記憶が正しければ)
    これからどうなっていくのやら。

  • 俗悪と悲劇を結びつけるために多大な労力を要したであろう作品であり,構造を把握するだけでも複数回読まねばならないことは決まっている。その中で訳者による解説は心強い。

  • 2023/3/9

  • 1巻に引き続き相変わらず難しい。一読しただけで完全には理解できていないと思う。タイトル「悪霊」という言葉が「チーホンのもとで」にて明確に登場する。「悪霊」=スタヴローギンかと思いきや巻末の解説では「悪霊」=ピョートルとも書かれていた。うーむ。

  • 面白いのか?
    登場人物が多く、どうも流れが掴みきれず楽しめていない。
    ワルワーラ夫人の愛する息子ニコライはだいぶ破滅的な性格。彼がちょっとキスをしたことで可哀想な14歳の女の子が自殺してしまい、その娘のことを考えているニコライが悪霊に取り憑かれてるみたいだなあ、と思った。
    でも巻末の解説では、ニコライとピョートルが悪霊だ、と書いてあった。

  • 9日間で読破。
    一度読んだだけではよくわからない!けど面白い!

  • R4/1/28

  • 登場人物それぞれが個性が強くて面白い
    いびつでカオス
    どうやって終わるのか楽しみ
    いつかまた読み直す

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