孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2012年9月12日発売)
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感想 : 24
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  • 本 ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752576

感想・レビュー・書評

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  • 初めてのルソーでした。
    彼の哲学は個人的には少し共感もありました。
    自分の置かれている身にとっては、良い本に出会えました。
    ルソーという人物が知りたい方、初心者にはこの本が良いかもしれません。
    彼は繊細な方だという印象を受けました。
    訳が非常に分かりやすく、また読みやすかったです。
    光文社も初めてでしたが、これから躊躇なく手に取ろうとも思いました。
    なんか、ルソー可愛かったです。

  • 徳を積むという行為は、特別なことをしなくても、日常の生活の中にあることがわかった。
    『方丈記』鴨さんと同じ行為で精神を落ち着かせるのに驚いた。時代も国も違うのに、同じものにたどり着いている。人間の本能なのだろうか。

  • 迫害という真実とそうではない被害妄想に囚われたルソーが世間を忌み苦しみながらもどう生きていくか、という本。
    夢想をし、植物研究に熱中し、己を肯定する為に自己弁護と理論武装をして未来の読者に向けて(ルソーはあくまでも余生のためと書いているが)託したかったのだろう、正直なところ救ってほしかったのかもしれない。
    個人的に人間臭いルソーが苦手で、でもこの丁寧な解説があるのに、苦手なんて言えないよねと思った。

  • 以前に岩波文庫を読んで挫折し、光文社から新訳で出ていたので読了。
    非常にわかりやすい翻訳のように思います。ただ、そもそもの内容が「夢想」っていうくらいなので、読者から歩み寄っていかないと理解するには難しかった。

    紆余曲折を経たルソーが晩年このような「夢想」を文章として残していたことに感謝したくなる一冊。ルソーは「書くことをやめた」と言いながらも、どこか読者を意識している、特に、孤独という誰もが切っても切れない課題にいつか思い巡らすであろう読者にメッセージを送っているように感じます。
    歳を重ねて再読すると、また印象が変わったり味わい深くなりそうな一冊でした。

  • ここにいるのは人間ルソー。歴史上の偉大な人物ではなく、いや、でもありつつ等身大のルソーがいる。勘違いかもしれないけど、ここに書かれている感情、情動の多くは私でも体験したことがある。素晴らしい著作だなぁ。

  • 『孤独な散歩者の夢想』は、ルソーの徹底した自己内省が魅力である一方、読んでいて序盤は閉塞感を覚える。自分以外を信用せず、自分の考えはおおよそ正しいという前提で語られる世界は、対話の余地がなく、柔軟性に欠けている。深いメタ認知力はあるものの、他者の視点や思考の余白を認めず、思考が自己完結して硬直していく様は、高学歴で発達傾向のある人と会話しているときの「頭は良いが視野が狭い」という感覚に非常に近く感じた。
    本の中での説明に加えてルソーの人物像,置かれている状況,精神状態などの情報を加味すると自分ならどうなりそうか?と想像して読み進めました。
    一番印象的なのは第八の散歩です。ルソーが硬直的な思考から考え抜いて得た自己理解や内省への知見がまとまっており、柔軟さを手に入れる過程が見えました。

  • 本来は書かれている字句をしっかり受け止め、その字義を吟味して読むべきと思うが、時々頭をもたげてくる迫害妄想がそれを難しくさせた。
    この文章は正常な判断力をもって書かれたのだろうかと疑問を持ちながら、ある意味では精読を留保しながら読むのは非常に骨が折れた。正直あまり頭に入ってこなかった。

    一方で壮年期のルソーの事績や著作に興味をもつことができたので無駄な時間ではなかった。

  • 図書館で借りたが、すごく良かったので自分で買って手元に置いておくことにした。

    第五の散歩、サン・ピエール島の話は全てが美しくノートに書き写したくなった。

  • ルソー初読。エセーを読んだ時も思ったが、教科書で学んだ哲学者たちの著作を大人になって実際に手にしてみると、想像以上の人間臭さに驚く(学生時代に背伸びして読んだカントからは全く感じなかったが…)。思想を吟味するというよりは、親近感をもって軽く読んでしまった。また読み返したい。

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