月を見つけたチャウラ―ピランデッロ短篇集 (光文社古典新訳文庫)

制作 : Luigi Pirandello  関口 英子 
  • 光文社
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本棚登録 : 129
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752583

作品紹介・あらすじ

硫黄鉱山での重労働の果てに暗い坑道を抜け出ると…静かで深い感動に包まれる表題作。作家が作中の人物たちの愚痴や悩みを聞く「登場人物の悲劇」など15篇を収録。シチリア出身のノーベル賞作家が、突然訪れる人生の真実の瞬間を、時に苦々しく時にユーモラスに描く短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 青森っぽい喩えで言うなら、スルメのような本です。よく読まないと(何度か読み返したりしないと)、その奥深さがわからない…

  • 光文社古典新訳文庫は他で見かけないものを翻訳してくれて好きなんだけど(新訳より初訳ものを評価したい)、ちょっと値段が上がってきましたよね。文庫でこのページ数で1000円オーバーは厳しい。とか言いつつ読みたいから買っちゃうんだけど。

    さて閑話休題。ピランデッロはイタリアの劇作家でノーベル文学賞受賞者だそうです。毎日1話読めるという365作の短編集を書こうとしたけれど志半ば(それでも確か200数十編)でお亡くなりになったそうで。これはその中から選ばれた15作の短編集。劇作家でもあり、演劇用に脚色された作品の元ネタ短編とかも多く、なるほど、演劇っぽい不条理やブラックユーモア系の作品が多いのも納得。

    個人的に好きだったのは、幻想色の強い「ひと吹き」、民話というか土着の伝説的な匂いのする「すりかえられた赤ん坊」(日本の妖怪だと姑獲鳥とかに近いノリ)、ある日突然自分が自分であるという確信を失ってしまった男の狂気「手押し車」、誰が狂っているのかわからなくなる「フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏」、人が死ぬ前に見るという走馬灯のような「ある一日」なんかが面白かったです。本を愛するあまり現実の人生をほとんど生きなかった男の「紙の世界」や、作家のところへ様々なキャラクターが押し掛けてきて愚痴るという「登場人物の悲劇」なんかは、作者自身の内的体験がちりばめられているようで別の面白さがありました。

  • ピランデッロはシチリアのノーベル文学賞作家。
    私がノーベル賞作家の作品を読んだのは川端康成以来ですが、川端氏の小説いくつか読んで「これがノーベル賞ですか…」と思ったものです。
    読んでその良さを理解するには自分は未熟なのかも、と。

    しかしこのピランデッロは素直に面白かったです。
    読んだきっかけは、昨年新設された『須賀敦子翻訳賞』、その第一回受賞作だから。

    こんなにわかりやすくて面白いのは、関口英子さんのおかげでしょうか?
    川端作品も、もし彼女にアレンジしてもらったら、私でも楽しめたかも?

    それにしても、この作品を読んだところで「シチリア行きたい!」とまったく思わないということにビックリ。
    須賀敦子さんの作品を読むとイタリアに行きたくてたまらなくなるのに。
    シチリア行ったことあるから、かな?
    それともやっぱり、須賀敦子さんはイタリアを美化しているのでしょうか。

    もうひとつの須賀敦子翻訳賞受賞作品も近々読む予定です。

    umorismo…物語の滑稽さを浮き彫りにし、表現する能力。単に面白がったり、敵対心を煽ったりするものではなく、思慮に満ちた鋭い知性と、深く、ときに寛容な、人間に対する共感にもとづくもの。日本語に適当な訳語がみつからない。

  • 『紙の世界』が秀逸。

  • 皮肉がききすぎてないか?

  • 乾いた無情や不条理。
    表題の「月を見つけたチャウラ」と最後の「ある一日」が好きだった。

  • 短編集。「登場人物の悲劇」、本好きにはジワジワくると思う。

  • 短篇集なのでスイスイ読んでいけますが、考えさせられる作品が多いです。前半は比較的カラッとした笑える、肩の凝らない作品が主なのですが、後半は突然作風どころか作者が代わったのかと思えるほど重く、やや暗い、人生や自分について深く考えさせる作品ばかりになります。訳者の解説などを読むと、こちらがピランデッロの真骨頂のようで、そういうめで改めて前半を思い起こすと、やはり後半に見られる冷徹な悲哀のようなものが見受けられます。

  • 地味だけどいい。田舎の喜劇って感じ(痛みを伴うけど、断じて悲劇ではない)。もっとたくさん翻訳してほしい(できれはあまり抽象的になっていない1910年前後のものを中心に)。

  • ちょっと分かりづらい話もあるけど、シュールで視点が面白い短篇が多く、楽しめた。時にブラックすぎるほどのものも。もっといろいろ読みたいと思った。

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