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本 ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784334752743
感想・レビュー・書評
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怪人エリックの秘話。エレファントマンのジョン・メリックが浮かぶ。せけんへの復讐心もありながら、普通の人でありたいと願う。巨大な建造物オペラ座の奈落への冒険譚もはらはら、わくわくする。2024.3.14
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実在するオペラ座の構造等に着想を得た怪人エリック、舞台俳優のクリスティーヌ、青年貴族のラウールによる三角関係の愛憎劇。
物語の構成が読み手の興味を惹く。はじめは殺人事件と怪人の謎を提示し、歌姫クリスティーヌと怪人の関係に及ひ、ボンボンのラウールとクリスティーヌの関係が語られる。このラウールがただ愛してると言い続ける薄っぺらな人物として描かれイライラさせられるが、これは怪人エリックの生い立ちが語られるに沿い読者の感情移入をエリックに向けさせる故であろう。建築家や奇術師、優れた歌い手など幾多の才能を持ちながら顔が悪いだけで邪悪な感情を持ちながらも人並みの幸せに憧れる切ない怪人の人物設定故に確立する物語が魅力的である。
強迫したお金の謎やオペラ座の構想など途中退屈に感る部分があり読みにくい文体から読むのが面倒になるが、終盤の怪人による感情が語られるところと後日談は作品の印象を高める。解説も興味深く読めた。
ディズニーがこれを映像化するなら怪人がクリスティーヌの愛で魔法を解かれるエンディングにするのではと考える。まんま美女と野獣にはなるが。
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コンプレックス、愛情の渇望、不信感や恨みなど人間が隠し持っている負の部分が多分に描かれている。怪人に嫌悪感を感じるのは、そんな感情に身に覚えがあるからかもしれない。ありのままの姿を受け入れてほしいという欲求は誰しも持っているのではないか。
自分に向けられた優しさや愛情は、人間性の基盤となり、優しさは循環していくものかもしれないと思った。 -
観たことはないが、ミュージカルなどで名前を知る程度だったオペラ座の怪人の本家。正直、ストーリーを最初にこの原作で知ることができた幸運を思わずにはいられない。普通の小説のような形式だと思っていたら、そうではなかったというところからして驚き。心理描写も、伏線回収も、ルポ形式だからこそできたのではないかと思う。全くストーリーを知らなかったので、最初から最後まで楽しめた。ドキドキハラハラする展開に、切ない読後感…。ガストン・ルルー恐るべし。色褪せない名作だ。興味があるなら絶対読んだ方が良いと思う。
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やっと手を出したけど
一言一句逃したくなくて
ゆっくり読んだわたしのバイブル
自分の恋愛観の根源が
幼少期からのファントムへの憧れから
生まれたのは確かで
それが揺らぐんじゃないかって
怖くてずっと読めなかった
でも
最後には泣いてしまうほど
怪人は自分の創造枠を越えてしまってた
原作も映画も
細部まで愛しています -
長かった…
ミュージカルを観に行く予習として読んだ。
はじめは超簡潔にまとめられた英語本を読んでいて、ついていけなかったので副読本としてこちらを呼んだら理解が深まった。
オペラ座の怪人って、お化けじゃなくて人間だったんだ、というのが意外。
オペラ座に行ったら本当にカラクリがあるのかな? -
分量の多さと人物がカタカナ、オペラ座の図で酔ってしまい挫折
要再チャレンジ -
ミュージカルの音源をBGMに読むと、最高に気分が挙がります。
著者プロフィール
ガストン・ルルーの作品





