ひとさらい (光文社古典新訳文庫)

制作 : Jules Supervielle  永田 千奈 
  • 光文社
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752804

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすかった。澁澤訳よりも言葉が平易で、すらすら読める。訳者あとがきでも言及されているが、特に若い人が読むならこちらの方が手に取りやすいだろう。もちろん好みの問題だけど。題名どおりのシーンで始まる話は、家族愛を呈している様子から、段々と様々な異性間の愛情を炙り出していく。ビグア大佐の行動や内心の葛藤は滑稽だが、それで終わらないのは、大佐や奥さん、そして疑似家族の子ども達それぞれの孤独感がうっすらと、しかしきちんと書かれているからだろう。

  • 原書名:LE VOLEUR D'ENFANTS

    著者:ジュール・シュペルヴィエル(Supervielle, Jules, 1884-1960、ウルグアイ・モンテビデオ、詩人)
    訳者:永田千奈(1967-、東京都、翻訳家)

  • 乙女心さっぱりわからない

  • 憂いを帯びたエロスが、小説の舞台ロンドンの霧のように作品全体を包んでいる印象の残る一冊。
    あとがきに書いてあった、続編も気になるところ。
    同じシリーズから出して欲しい。

  •  マルセルにどうしようなく惹かれながらも、あくまで父性をもって接しようと奮闘する大佐。欲望に打ち勝とうとする描写等、滑稽といえば滑稽なのだけど、本人の真剣さと切迫感、それによって行動がちぐはぐになっていく様が切なく哀しかった。大佐を大好きになったわけじゃないけど、良くも悪くも根が真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐな人なんだと思うと、余計にラストが辛くなる。

  • 大佐の誤解というか考えすぎな性格が、とても滑稽に思える。
    ただ、彼の誰にも相談できず、
    一人で思い悩んで苦しみ斜め上の方向に飛び去っていく姿は、
    何だかわかる気がしないでもない。

  • だれの目線でこの話を読むかでいろんな見方ができる作品だと思う。

    大佐目線であれば、金も権力も社会的な名声も持つ大佐が完璧な疑似家族を創り上げたと満足していたかと思えばそれに綻びが生じて自ら壊れていく人間の葛藤の話。

    子供たちの目線であれば、ある意味で崩壊した家族から“ひとさらい”という形で歪んだ疑似家族に組み込まれるが、その崩壊と共に独立してくという話。

  • ひたすら苦悩、滑稽なまでに苦悩。(ある人の苦悩は他人から見れば大抵滑稽なものではあるが。)個人的には「愛憎に振り回される苦悩」が嫌いなのでストーリーには良さを感じないが(フランスものと合わない理由は多分それ。)、訳文の雰囲気は好みで先を読みたいと思えた。解説にあるシュペルヴィエルの「密やかな海」という詩はとても好き。

  • 訳ありの子どもをさらうことで自分の家族を増やしていく地位も名誉も金もあるビグア大佐。
    縁あってある少女を迎え入れてからというもの家族愛ではない愛情を抱いてしまう自分に戸惑い迷走していく。

    なぜアントワーヌをさらったのかなど細かい部分で不可解あり。
    ラストは大佐の不器用さが招いた結果なのだろう。
    続編も読みたい。

  • これ、気に入った!いつも通りに読み方間違いてると思うけどね!

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著者プロフィール

1884年ウルグアイ生まれ、1960年没。詩集『荷揚げ場』『無実の囚人』『忘れっぽい記憶』など。小説『ひとさらい』『沖に住む少女』など。1955年アカデミー・フランセーズの文学大賞受賞。1960年レ・ヌーヴェル・リテレール協議委員会により「詩王」に選出される。

「2018年 『悲劇的肉体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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