二都物語 上 (古典新訳文庫)

  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753269

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな作品の一つなので手に取ってみた。古典新訳シリーズということだが、個人的にこの訳は好みではなかった。古い訳(私の好きなのは新潮文庫版)の方が描写や表現、言葉選びなどが、純粋に分かりやすく、また情緒表現も細やかで胸に迫るものがあったように思う。ストーリーを知っている人なら読めるかな。

  • 1859年に書かれた小説。けっこう話の展開は速いのですが、この古典翻訳文庫にしては古めかしい訳文で読み易いとは言いにくい、と思うのは私だけか?格調高い文章はディケンズの原文をうまく著しているのかもしれません。主要人物はダーネイとカートン(二人は歳格好がほぼ似ている)とルーシー父子。上巻はルーシーが生き別れの父と再会し、ダーネイが裁判で無罪となり、ルーシーとダーネイが結婚するまで。フランス革命の足音がどんどん近づいてくる時代背景です。フランス人、こわい!!

  • <登場人物>

    チャールズ・ダーネイ→フランス亡命貴族

    シドニー・カートン→弁護士(見た目はダーネイとそっくり)。ストライヴァーとは昔からの友人。

    ストライヴァー→弁護士。ダーネイ氏の裁判に出席。カートンの主人のような関係の友人。

    マネット医師→18年間生きたままバスティーユ牢獄に入れられていた

    ルーシー→マネット医師の娘で美人

    ロリー→テンソル銀行員。テンソル銀行はロンドンとパリどちらにも属する銀行

    ドファルジュ婦人→反革命派の人間をリストアップし、彼らを順に告発して死に追い込む

    このうち、ダーネイ、カートン、ストライヴァー全員がルーシーに恋をすることになる

  • 18世紀末のロンドン・パリを舞台にした、世界中で読み継がれている傑作であるが、個人的にはそこまで良いとは思えなかった。なぜならば、各人の行動原理がどうにも理解できなかったからである。とくに理解不能なのは名もなき民衆たちで、もちろんフランス革命の熱に浮かされていて正気ではいられないという理窟はわかるのだが、どうにも胸にストンと落ちない。しかも、その民衆が随所に登場して、時には重要な役割さえ果たしている。そのような調子ゆえ、物語じたいも素直には吞み込めず、読み進めることにだいぶ難儀した。また、物語の展開じたいにも理解しがたい部分があって、最終盤のミス・プロスが誤ってマダム・ドファルジュを殺してしまう場面などは、はたして本当に必要であったのかと考え込んでしまう。逆にいえば、フランス革命の狂躁を的確に描いているからこそのある種の「異常」性をうまく表現できているともいえるが、個人の印象としてはやはりそこまでの高い評価はできなかった。

  • ひたすら伏線を撒いて後半恋愛話に持ってっておわり...
    そんな感じ

  • 訳は結構難しい。最初の数十ページはだいぶしんどかった。文章のつくり自体はそれほど問題ないのだが、単語の選び方が古めかしく、普段使いしないような単語が積極的に使われている。私は読みながら何度も意味を検索しなければならなかった。が、下巻まで読み終えたいまとなっては、フランス革命という歴史的事実を背景にしたこの作品において、格調を重視したのは相応に理解できるという思いに至った。下巻は物語が細かく動くので上巻よりだいぶ読みやすいかと。

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著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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