脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選 (古典新訳文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753399

感想・レビュー・書評

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  • ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい

    Σ(゚Д゚)

    なんだ…モーパッサンか…
    奥さんに怒られてるのかと思った
    「もう!父さん!」

    はい、コツコツ光文社古典新訳文庫のお時間です
    今回はモーパッサンの『脂肪の塊』です
    おフランス文学ざます
    ボンジュールマドモアゼール
    シャトーブリアーン
    フランクシナトラ―ン
    ざます

    実はこの『脂肪の塊』は先日読んだ月村了衛さんの『半暮刻』に登場する一冊なんです
    主人公のひとりが過去に犯した罪と向き合い更生への道を歩み始めるきっかけとなった、物語の中で非常に重要な位置を占める一冊なんですね

    ほんまかいな?

    まぁまぁ酷いことやってます
    刑務所にも入ってます
    最終的には暴力団員です
    それがこのモーパッサンの中編読んだだけでぐわわわ―んてなる?

    ほんまかいな?

    と思ったら自分で読む!
    まずは読む!読んでみるざます!

    こういうところよね
    ひまわりめろんさんの凄いところは
    すぐ読むもの
    ほんと見習ってほしい
    全日本国民に見習ってほしい

    で読んだ結果

    ある!
    これはワンチャンあるで!
    ぐわわわーんなるで!
    そのぐらいのパワーをもった作品でした
    もうなんかふつふつと湧いてくる感じ?(仏国とかかってます)
    血がたぎる感じよ!ムガー!

    これは読んでみてほしい
    『半暮刻』に★5付けた人は特に読んでみるべきざますよ!
    わかった?


    ウィー!ムッーシュ!(声を揃えて)

    • おびのりさん
      三島由紀夫の東大生との討論が、YouTubeに上がっていて、三島由紀夫の有能さがわかる。何言ってんのかわからないけど。
      三島由紀夫の東大生との討論が、YouTubeに上がっていて、三島由紀夫の有能さがわかる。何言ってんのかわからないけど。
      2023/12/07
    • みんみんさん
      まずは村上春樹のデビュー作読んでみるよ(꒪⌓︎꒪)
      まずは村上春樹のデビュー作読んでみるよ(꒪⌓︎꒪)
      2023/12/07
    • 土瓶さん
      文学っていうか、娯楽作品狙いだし。
      おもしろければ国籍はどうでもいいです。
      文学っていうか、娯楽作品狙いだし。
      おもしろければ国籍はどうでもいいです。
      2023/12/07
  • 「脂肪のかたまり」のみ読了。140年ほど前の作品ですが、キレ味抜群で人間の本質を見抜きます。未だに名作であることに納得。サスペンスのような緊張感が続きますが、ラストは痛烈な風刺劇になります。貴族・実業家・左翼・修道女・娼婦と様々な人物が登場するのは、そこに社会をみせているのですね。モーパッサンの目はクール。人間不信・人間嫌いかもしれませんね。これが自然主義文学なら、日本の自然主義とは何だったのでしょう。

  • モーパッサンの代表作だが、文章にあまり馴染めなかった。海外の古典作品を楽しむには、背景知識が欠かせない。

  • モーパッサンは、いつだって、女の人生に対して厳しい。そういう時代だったんだろうな。

  • モーパッサン面白い!!!
    全体的になんとなく明るい印象で、スイスイ読める。作者が登場人物たち馬鹿にしている感じがあって、どれも乖離的態度で描かれているところが一連のユーモアや滑稽さの秘密かな。

    短編・中編ともにどれも面白かったけど、「散歩」の最後の、
    「・・・それは、巨人の呼吸にも似た、パリの息吹だった。」
    というところ、まるでモネが描いたパリの絵を見ているような気持ちになった。

  • 掲題の『脂肪の塊』と『ロンドリ姉妹』読了。時代は1800年代後半ながら、人間のエゴをユーモラスに巧みに描いているのは今読んでも面白く新鮮。「こうはなりたくないな」「こいつら最低〜」と思いながら読むもよしだけど自分の中にもこういう醜い部分があるんじゃないか(たぶんある)と思いながら読むのもありだと。

    人ってエゴや偏見や見栄を張ることからはなかなか自由になれないのである。

  • 「脂肪の塊」だけ読了。普仏戦争終結後のフランスが舞台。当時の民衆の様子が描写されている。登場人物は当時の民衆属性を満遍なく登場させ、当時の世相を風刺している。が、歴史理解が足りておらず風刺は全く理解できなかった。勉強せねば。中産階級が労働者(ブールドスィフ)を酷使(搾取)している、という構図で合っているのだろうか。

  • モーパッサンの中短編集。
    風刺が効いている作品あり、なんとも言えぬひねりの効いた作品あり、コメディタッチな作品ありという感じ。
    現代においてストレートにウケるとは思わないけれど、ストーリーの捻りによって生み出される効果の面白さみたいなものを求めていたのだろうか。
    表題作の「脂肪の塊」は中産階級や聖職者に対する風刺であり、娼婦への差別への批判でもある。またロンドリ姉妹はコメディというか、男性に都合のいい女性を描いているように思えるけれど、どのような効果を狙ったのかはよくわからない。
    まだ自分はモーパッサンの面白さをつかみかねている。

  •  1877年から1884年にかけての作品を収めた短編集。
     なるほど、この「新訳」はとても読みやすい。新潮文庫のモーパッサン訳はやはりもう古びてしまっているのか・・・。日本語の世界がどんどん「簡単な」方向に推移してきたのだということを再確認した。
     中編「脂肪の塊」は遥か昔読んだものだが、中身を全く覚えていないので面白く読んだ。ここでの人びとの娼婦に対する酷薄さは、集団心理に由来するものだろう。
     エミール・ゾラは常に「破滅」への執拗な意志を持っているが、モーパッサンはそれほどでもない。同じように世間に対してペシミスティックな思いを抱いていたかもしれないが、モーパッサンには人情への肯定的な部分もときどき顕れるから、作品は多彩に感じられる。
     日本で言えば明治10年代に活躍したモーパッサンを少し遅れながらもほぼリアルタイムに摂取吸収してきた日本文学との相互連関についても、いろいろ考えてみるのも楽しい。

  • この作品を読むと、地元の同級生たちや、過去のバイト先にいたような、無責任で身勝手な人々のことを思い出す。

     この話の舞台は、普仏戦争でプロイセンに敗北した1871年のフランス。プロイセン軍が戦勝国としてルーアンの町を占拠しているなか、知り合いのドイツ人士官のつてを辿り、町から出る許可を取りつけた人々が4頭立ての大きな乗合馬車を確保。メンバーは、10人。
    ワイン問屋を営んでいる、悪知恵が働くお調子者のロワゾーとその妻。
    紡績工場を3つ所有している錦糸業界の重鎮にして県議会議員のカレ=ラマドンとその妻。
    ノルマンディー地方でも屈指の名門に属しているブレヴィル伯爵夫妻。
    修道女ふたり。
    民主主義者として知られ、親の財産を革命のために食い潰したコルニュデ。
    小柄な身体がどこもかしこも丸々としているから「ブール・ド・スュイフ」というあだ名がついている高級娼婦。タイトルになっている、「脂肪の塊」とは、この娼婦のことだ。

    いわゆるリベラルな思想の持ち主であるコルニュデと、ロザリオを繰って祈ってばかりいる修道女コンビを除くメンバーは、「脂肪の塊」のことを「恥知らずな売女」と蔑んでいる。
    しかし、ホテルがある村までの13時間にも及ぶ長旅で、食べ物を持参しなかった彼らは、「脂肪の塊」が持ち込んだ、美味しそうな食べ物が詰め込まれた大きなバスケットを目の前に差し出され、蔑みから媚びへと表情を変え、あからさまな手のひら返しをしてくる。「脂肪の塊」は、そんな連中にも、快く食べ物を提供したおかげで、馬車の中の10人は一応フレンドリーな関係になっていく。

    ところが、ホテルに投宿すると問題発生。その村を仕切っていたドイツ人士官が、「エリザベート・ルーセ(「脂肪の塊」の本名)が自分と寝ない限り、出立を許さない」と通達をしてくる。最初は「脂肪の塊」と共にドイツ人士官への怒りを露わにしていた面々だか、日が経つにつれ態度を変えていく。

    「あの《売女》はわれわれをいつまでこんな場所に足止めさせる気だろう」「ブール・ド・スュイフひとりをここに残し、他の者は出発させてくれるよう士官に提案してはどうか」(ロワゾー)
    「どんな相手とでもあれをするのが、あの淫売の商売でしょ。選り好みする権利なんかありませんよ」(ロワゾー夫人)

    いきり立ったロワゾーが「あのあばずれの手足をしばりあげ、敵の士官に引きわたしてしまおう」とまで言うと、上品な伯爵は「あの女みずからその気になるように仕向ければいい」と計略を練り、歴史上に存在した「征服者をくいとめたあらゆる女の例」を引いて必死に説得を試みるが、「脂肪の塊」は首を縦に振らない。

    修道女も、「どんな行いであれ、その意図さえ立派なものであるならば、神の不興をかうことはない」。おまけに自分たちがル・アーヴルに向かっているのは、天然痘にかかって入院している多数の兵士の看護を要請されたからで、「あのプロイセン士官の気まぐれによって、こうして足止めをくっているあいだに、多くのフランス兵が亡くなっていくのだろう」とダメ押し。
    とうとう根負けして、折れてしまった「脂肪の塊」に、一同、大喜び。セクハラもパワハラもモラハラも軽口ならオッケー的な、ダメなおじさん代表ロワゾーの下品なジョークもバカウケ。けっきょく、彼女は士官と寝ることで、翌朝馬車が出発することを許可された。

    ル・アーヴルへの道中、『美徳の代弁者』達は、「脂肪の塊」の犠牲により出発出来たにも拘わらず、彼女を汚物のように無視して礼儀正しい会話を交わし、彼女が旅の始めに食事を勧めてくれたお陰で空腹から救われた事も、もはやすっかり忘れてしまったかのように、自分達だけで持参した弁当を食して彼女に勧める素振りは全く無かった。「脂肪の塊」が屈辱と同乗者に対する怒りで煮えくり返っている中、コルニュデは他の乗客へのあて付けのようにラ・マルセイエーズを執拗に口笛で吹き、歌った。最後には彼女は失われた尊厳に啜り泣きを堪える事が出来なかった。

    小中学生や、アルバイトをしていた頃を思い返すと、なんか、世間の多くって、けっきょく、こういう人々の集まりだという気がするのだよね。

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著者プロフィール

フランス人。1850〜93年。母の友人フローベールにすすめられ文筆に転向。最初の成功作『脂肪の塊』(1880)で一躍新聞小説の寵児となる。短編約三○○、長編数作を書く。長編に『女の一生』(1883)『ベラミ』(1885)。短編小説『幻覚』や『恐怖』は戦慄させるほどの正確さで狂気や恐怖を描写し、この狂気の兆候が1892年発病となり、精神病院でなくなる。

「2004年 『モーパッサン残酷短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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