この人を見よ (光文社古典新訳文庫 Bニ 1-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753412

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    なぜ私はこんなに賢いのか
    なぜ私はこんなに利口なのか
    なぜ私はこんなに良い本を書くのか
    なぜ私は運命的であるのか

    ニーチェ発狂直前の作品のようですが、既に発狂済みか?と思わざるを得ないような主題の展開でした。。

  • ニーチェによるニーチェ解説

    なんとなくのニーチェっていう人がこういう考えを持っている人というのがわかった感じ
    要は自分で考え、自分で出した答えを信じなさいってことかな

    詳細はそれぞれニーチェの著作を読んでくださいといった風な書き方で、
    でも、ネット情報によると原典は難しいよう、、
    どうしましょうか、、

  • (ニーチェ自体は、高校生の時に倫理で勉強したがその思想についてはほとんど覚えていないので)実質、ニーチェの思想に触れるのはこれが初めて

    もくじを開いた途端、「なぜ私はこんなに賢いのか」というタイトルが飛び込んできて、すごい自信家だな!?と言う印象を持った(そんな表面的なことではなかった…w)

    4本立てのうち、3本目の自らの著作について言及する部分は正直ほとんど理解が及ばず、、。
    1、2、4本目を読めば、ニーチェのおおよその考えがわかる気がした。

    「人間の偉大さをあらわす私の公式は運命愛である。どんな理想主義でも、必然的なことの前では偽物になる。」

    当時、理想主義のもとで、道徳とされるものにそぐわないものは悪として排除された。しかし、自らがディオニュソスとなり、そうしたものにイエスを言うこと。善人ではなく超人として価値の価値転換を行うこと。独自の概念を含んだ言葉を繰り返し用いながら、それまでの常識に疑いをかけていくという、一貫した姿勢が見られた。

    昔の哲学者の著書を初めて自ら読んでみて思ったのは、
    …彼は本当に私と同じ人間だったのか???彼のような人間が本当に存在したのか???( ˘ω˘ )………

    正しさやら真理やらというものをつい追い求めてしまう人生の中で、一足先にそれをやり抜いてきた哲学者の綴る言葉を辿ることには意味があると思う。でも、彼らが語る言葉もまた、正しいとは限らないのだと思うと、泥沼にハマる心地がする…
    今のうちに色々な思想に触れながら、自分なりに考えながら、自分の人生を歩んでいきたいと思った。

  • 最近、自分の人生とそのあり方について考え、(就活のため)その結果、ニヒリズムに出会いました。
    ニーチェの考え方等に惹かれ、読んでみました。

    しかし、内容はほとんど理解できないまま読み切ってしまい、落胆しています。私はニーチェにお馬鹿さん認定されそうです。

    読書家の先輩と「読書は自分のレベルに合った本でないと意味がない」という読書の難しさについて語りました。どうやら、私はまだニーチェの言葉を理解できるレベルではないようです。
    何年か後にまた挑戦してみたいとと思う一冊です。

  • ニーチェ。皆さん読んだことありますか?

    実は私は初めてででありました。

    何となく中二病、のイメージがあったんです。自意識やプライドが高く、劇的で劇画的。著作のなかの「神は死んだ」「ルサンチマン」などの言い回しは、哲学に関心のない方でも耳にしたことはあるのではないでしょうか。

    ただ、最近はどうでしょうか。ニーチェの研究者ってのはあまり聞かない気もします。どんくさいみたいな雰囲気なんでしょうか。殆どイメージで語りますが、哲学の専攻でも英米倫理学とか、経済学とのつながりでJ・S・ミルやベンサム、A・スミスなんかはまだ読まれているような感じがあります。分からんけど。

    ・・・
    そんななか、今般縁あってニーチェの作品を読む機会を得ました。で、再びですが、ニーチェってどうなのよ、と自らに問えば、こう答えたいと思います。

    文章は素敵、何となく面白い。でも、哲学的にはよくわからん。

    はい、これであります。

    ・・・
    取り敢えずよかった点から。

    本作は、著者が発狂し入院させられる前で、最後の脱稿した作品となります。あたかも自分が再び筆を執ることはないかと悟ったかのような、自らの作品や思想の振り返りをしているのが特徴になっています。
    その意味で、本作はニーチェ自身による過去の著作の回想録のような構成になっています。かつてどのようなことを語り、どのようなことを考えていたのかは、本作を読むことで概ね(概ねですよ)理解することができるのではないでしょうか。ドイツ人やドイツ的考え方の否定、常識という価値の破壊・転換、等々であります。

    いみじくも裏表紙に「ニーチェ自身による最高のニーチェ公式ガイドブック!」とありますが、いいえて妙ですね。表現はなんとも軽いのですが笑。次の作品を手に取るかどうかを決めるにはもってこいの、ニーチェ作品群を見下ろす恰好の展望台でありました。

    ・・・
    また、文章が非常に美しく、アフォリズムは鋭さの非常に印象的でした。批判はまさにナイフのように鋭く容赦なく周囲をこき下ろし、表現も二元論的(善と悪、死と生等々)なものが多く、このことからも力強い文章になっていたと思います。読中ふと感じたのは、哲学というよりもむしろ文学、という印象でありました。

    ・・・
    そして、哲学的な意味なのですが、これははよく分からなかったです。ニーチェって何が言いたかったのか。

    可能性の一つは、「クレタ人は全員嘘つき」と語るクレタ人のごとく、眼前に問題を現出させ、さあ君たち自身がニーチェを判断しなさい、と言わんばかりの実存的投げかけを演出しているのか、と。分からないけど。全体を通じてなんだか禅問答のようでもありました。

    あるいは、言葉を尽くしても最終的に人は分かり合えないことを、身をもって・作品をもって表そうとしているのかもしれません。きっと俺のことわかってくれる読者なんて殆どいないんだろうなー、などと思いつつ書いていたのかな、と夢想した次第です。

    ・・・
    ということでニーチェの著作でありました。
    改めてですが、なかなか面白かったですよ。文章も素敵で。

    そうそう、加えて一点申し添えると、訳が自然で読みやすかったです。ドイツ語をかつて勉強した身としては、関係節でだらだらと続くドイツ語の読みづらさは、翻訳でも「そのまま」残っていることが結構あるのですが、今回そのような困難はありませんでした。さすが新訳ですね。

  • ごめんなさい、私の理解力がなさ過ぎるため、ほとんど頭に入って来なかった。
    最後の訳者による解説、あとがきで何とか「読んだ気」になった程度。。

  • ・私には依然として目の前に、切り株に座り、カレーニンの頭をなで、人類の崩壊を考えているテレザが見える。この瞬間に私には他の光景が浮かんでくる。ニーチェがトゥリン[=トリノ]にあるホテルから外出する。向かいに馬と、馬を鞭打っている馭者を見る。ニーチェは馬に近寄ると、馭者の見ているところで馬の首を抱き、涙を流す。
     それは一八八九年のことで、ニーチェはもう人から遠ざかっていた。別のことばでいえば、それはちょうど彼の心の病がおこったときだった。しかし、それだからこそ、彼の態度はとても広い意味を持っているように、私には思える。ニーチェはデカルトを許してもらうために馬のところに来た。彼の狂気(すなわち人類との決別)は馬に涙を流す瞬間から始まっている。
     そして、私が好きなのはこのニーチェなのだ、ちょうど死の病にかかった犬の頭を膝にのせているテレザを私が好きなように私には両者が並んでいるのが見える。二人は人類が歩を進める「自然の所有者」の道から、退きつつある。

  • ニーチェってパワーワードが多いってくらいの浅はかな理解しかないのだが、本書の内容はまた難しいような、なんともいい難い作品だった。
    解説を読むとニーチェによるニーチェ解説という位置付けらしい。
    確かに、そう言われたらそのような気もする。

    ただ、キリスト教に対する反発心みたいなのは強く感じた。

  • ニーチェは外れがない

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

ニーチェの作品

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