カスピアン王子 ナルニア国物語4 (古典新訳文庫)

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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753566

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  • ナルニア国物語の4巻目。これまた原著タイトルに忠実に、岩波書店版にはあった「つのぶえ」の表記がない。

    ピーター王らが築いた黄金時代から何百年も過ぎ、ナルニアの地は異国の民テルマール人に征服されていた。〈もの言うけものたち〉やドワーフは殺され、あるいは追い払われ、精霊たちの姿はない。
    カスピアンは、テルマール人の若き王子である。支配階級にありながら、古き良きナルニアに心を寄せていた彼は、半ドワーフの家庭教師に導かれ、ナルニアの仲間たちと共に叔父王に反旗をひるがえす。圧倒的な戦力差に絶体絶命となったカスピアンは、魔法の角笛を吹く。それは、ロンドンに戻り日常生活を送っていたピーターたち4きょうだいをナルニアへ呼び戻すものだった…。

    タイトルロールはカスピアン王子だが、これはやはりピーターたちの物語である。そして、成長し過ぎたピーターとスーザンにとっては、ナルニアでの最後の冒険となることがアスランによって告げられる。実際、今回、末っ子のルーシー以外はアスランの姿や声がわからない状況が続く。シビアだ。

    アスランは不思議な存在である。その姿は輝くライオン。海の彼方からやってきて、大帝の息子であるという。つまり、彼は至上の者ではない。ナルニアの地が、あの世界でどのよう位置を占めるのか曖昧だが、アスランはナルニアの他にもいくつもの地を管理しているとされる。今回、アスランはナルニアが荒廃するに任せていた。ナルニアの民からさえ、アスランの存在は消えかかっていたのである。そのくせ、ピーターたちをさも当然のように使い、ナルニアに復権するとカスピアンを王に指名するのだ。何がしたいのか、アスラン。
    しかし、多くの神話において、神のされることは理解不能なものである。理解することを拒絶するものである。信じるしかない。ナルニア国物語は、偉大なるアスランの神話でもある。

  • ずいぶん前に読んだはずなのに、内容をほとんど覚えていなかった。その前に読んでいる『ライオンと魔女』は如実に覚えているのに‥‥この違いは一体なんなんだろう?
    確かにライオンほどインパクトはなく、後付け感は免れない。しかし壮大なナルニアの歴史の一端として楽しめ、続きも気になる。

  • タイトル『カスピアン王子』だけど、カスピアン王子の影がうすかった…。期間限定でしかナルニアに出入りできないのは寂しい。

  • 発表では第2作、『ライオン…』の続編。子ども達(かつての兄弟姉妹4王)は一年後(夏季休暇直後、新学年初日)ナルニアに戻ったが/解説・井辻朱美も「映画のほうが面白い」ようなことを言っている。小説のクライマックスの「アスランが見えないの?私だけでも行かなくちゃ」はカルト宗教にハマった一員を家族が取り押さえかねているような感じ/この巻から(ナルニアを含む平面世界の)現代史に入る。ナルニア(を含む世界全体)の終わりは近い/「歴史教科書のはじめが神話であるのは故無きことではない」民族=nationの基は神話だから。

  • 『ライオンと魔女~』から1年後、夏休みが終わり駅のホームで列車を待っていた4人の子供達は不思議な力でナルニア国に呼び戻される。するとあちら側では長い時が過ぎており、森の精やもの言うけものは姿を消していた。一方冷酷な叔父ミラーズ王の手を逃れ森に逃込んだカスピアン王子は……。子供の頃もそうだったが、今読んでも食べ物の描写にワクワクする。ドワーフのトランプキンがこしらえる「クマ肉のりんご包み焼き」の美味しそうなこと。木の精のための“土”のごちそうメニューも楽しい。大人の読者向けに巻毎に解説が充実していて◎(1951)

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著者プロフィール

1898~1963年。アイルランド系のイギリス人小説家で神学者。キリスト教の信徒伝道者でもある。代表作は本シリーズで、その最終巻「さいごの戦い」でカーネギー賞を受賞。

「2021年 『新訳 ナルニア国物語 (7)最後の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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