ミドルマーチ2 (光文社古典新訳文庫 Aエ 1-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334754136

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  • 1巻はこちら。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4334753922#comment

    この小説はミドルマーチという地方都市に生きる人々の人間模様だが、それを読者に紹介する”私”という語り手の存在がある。登場人物のことを「私はこう思う」。話を進めるに際して「ここで〇〇のことを話そう」また、「人間とは…」という自分の考えを述べたり、著者が物語に入って彼らのすべてを知る者として、だが「〇〇には注意を促したい」などと自分の登場人物にツッコミ入れたりして、作者であり読者であり登場人物と同等の者でありという感じ。

    登場人物紹介兼あらすじ紹介。


    『第3部 死を待ちながら』
    冒頭からフレッド・ヴィンシーがしでかすんだが、しでかし野郎から書くするのはなんか情けないのでいい人からご紹介。
    ❐ガース一家
    ・ケイレブ・ガース氏
    差配人、測量人、査定人。つまり自分が土地を持っているのではなく管理する立場ってことかな。そのため社会的地位はちょっと下がる。さらに建設業に失敗して財産をなくした。だが倹約と勤勉で借金は返し、子どもたちの教育のための貯金も少しずつできてきた。
    そんな羽目になってもガース氏は金よりも社会のために働きたいという気持ちと、裏切られてた経験があっても人には寛大なところがある。つまり自分に厳しく人には優しいという人物像。
    だからフレッド・ヴィンシーの遊ぶ金の保証人にもなってあげた。
    生活ギリギリのお金しかないが家族は信頼しあっている。
    ・ガース夫人
    もともと教師として働いてたし、家の借金ができてからも働いた。
    現在からすれば勤勉で寛大で家族同士も信頼で繋がれていて実に良い家庭だ。しかしこの時代のイギリスでは「食べるために働かなくちゃいけないなんてねえ」とか、「あそこんちの娘さんは結婚や遺産相続で裕福になるより自分で働くほうが似合ってるわよね」なんて見下されちゃっている。
    いや、現在の読者はガース一家の味方だ。
    ・メアリ・ガース
    伯父にあたる金持ちで嫌味なフェザストーン老人の家に住み込み面倒を見て給料をもらっている。
    地味で辛辣で美人ではないんだが、「自分のお金は自分で働いて手に入れます」というしっかり者で、周りの金持ちのフェザストーンやフレッドのお金に頼る気は全然ない。
    ガース家はメアリの下に、4人の弟と1人の妹がいるらしい。
    ・ガース氏の亡くなった姉が、金持ちのフェザストーン老人の最初の妻だった。

    ❐フレッド・ヴィンシー
    メアリ・ガースのことを子供の頃からとっても大好き。
    甘いお坊ちゃんで、労働も勉学もめんどくさい、楽しく遊んでればお金は親や伯父さんから降ってくるでしょ、という考え。
    そして楽しみのための借金の保証人をケイレブ・ガースに頼んだ。冒頭ではフレッドのような散財者が借金を頼む相手をどのように選ぶか?の心理考察なんだがこれはなかなか納得だった。そう、お金を持っているけれど自分に厳しい相手のところじゃなくて、よりにもよって一番社会的地位が低くて一番お金がなく一番自分に優しく、お金を借りたとしても自分の立場が下にならない相手のところに行くんですよね。
    そして見事にそのお金を失くしちゃってガース夫妻に詫びにゆくんだが、それもあくまでも「ガース一家が自分に対する評価を落としたら嫌だなあ」としか思っていない。ガース夫妻がその借金保証のため、長年貯めた息子の学費を差し出すため学校を諦めざるを得なくなり、恋しいメアリがフェザストーン老人のもとで稼いだ給与まで取り上げることになることを目の当たりにしてやっと「え?自分のしたことって人に迷惑かけることだったの?」と少しは自覚した。
    <自分が約束を破ったことで、どんな不都合や迷惑が生じるかについては頭が回らなかった。(…)実際私達はたいてい、自分が過ちを犯したら、それによって苦しむ人がいるからこそ、過ちは犯してはならないのだ、というような考えができない。P48>この文章はちょっと私も気をつけなければです。
    しかしフレッドはガース氏にお金を返すための努力はしていないし、今後もしないだろう。あくまでも「自分は借金を返そうと思ったんだから、思ったってことで十分だよね。自分はこんなに苦しんでいるんだからみんな僕の苦しみをわかってくれなくちゃ」という考えでいる。
    このような思考って小説ではキリスト教の登場人物で見られるような気がするんだよなあ。自分が恥ずべきなのは自分の弱い意志や間違った考えだから、神様にお詫びを乞わなければいけない。しかし自分の行為により他の人が苦しんだのは、それはその人と神様の問題だから自分にできることは、その人の苦しみが和らぎますようにって神様に祈るだけ、って感じ。
    ケイレブ・ガース氏はフレッドをメアリの結婚相手として考えていたことも会ったけど今度のことで<「女性はどんなに本人が立派でも夫が与えてくれる生活で我慢しなければいけないんだよ。私もお母さんには苦労をかけている。しかし妻が夫を信頼できない場合、つまり自分が痛い目にあうよりも他人に迷惑を掛ける事の様を恐れるような考えができない夫を持ってしまったとしたら、妻はずいぶん辛いんじゃないかと思うんだよ。><「若いものは生活とはどういうものかわからないうちにお互いに好きになってしまう。一緒になりさえすれば毎日がお祭りみたいに思ってしまう。ところがすぐに日常生活がやってくるんだよ」P68>という。

    ❐リドゲイト
    最近ミドルマーチに来た若い医者。論理的で野心家だがそれに見合う論理的思考や向学心がある。
    もともと家柄も良いのでミドルマーチの娘さんたちは色めき立つ。
    たまたま病気のフレッドを診察したことからヴィンシー家の掛かりつけ医者になる。
    魅力的な女性のロザモンド・ヴィンシーに夢中になるが当面は結婚しないつもりだったのだが…冷静な野心家のわりには情熱家である彼は、本物の恋をしてプロポーズへ。


    ❏医療事情
    リドゲイドは新設病院の医者になった。
    彼は医療を改革しようとしている。
    内科医のほうが外科医より権威が高く、医師の役目は症状を聞き病名を付けて薬を出すことという時代に、闇雲に薬を出すのではなく、聴診器を使うなど直接患者を見て(当時は体に障ることは珍しかったらしい)治療を行おうとしている。
    しかしそのやり方は、もとからいる医師や、その患者たちから反発される。

    ❐ロザモンド・ヴィンシー
    フレッドの妹で、ミドルマーチに多数の崇拝者を持つ魅力的な娘。自分でも自分をどうすれば魅力的に見せられるか分かっている。ミドルマーチの中産階級者と結婚する気なんかなく、どこからか上流階級者が現れて自分にプロポーズしてそして自分も上流階級入り、という目標があるので、リドゲイト医師はその役割に最適だった。

    ❐ドロシア・カソーボン
    まだ10代後半だが、深い信仰心と高い向上心とで、尊敬すべき男性を支えることで自分のことも高めてくれることを願い、50代のカソーボン牧師と結婚した。しかし自分が手伝いたいという気持ちを全く与してくれないこと、夫が自分のすべてを決めつけてくることに閉塞感を覚え始めている。
    <熱烈な精神を持った彼女は、いったんなにかに影響を受けると、どんな判断をしてこの先何をしでかすかわからなかった。P413>


    ❐カソーボン牧師
    自分が今まで調べたことをまとめて『全神話解読』という超大作を発表することがライフワーク…なんだが
    まだほとんど取り掛かっていない。自分を立ててくれる妻を望んでドロシアと結婚したのだが、ドロシアが自分も学びたい向上したいタイプだったので年上の面倒臭い亭主になりつつある。
    男女の結婚感については、女性である作者の意見と苦い経験がもしかしたら入っているのではないかと思われる記載がしばしばある。
    <神がドロシアにカソーボン氏という夫を与えたさい、彼女にも同様の配慮を与えたかどうかということころまで、彼は思いが及ばなかった。男性が魅力的な女性に対して自分を幸せにしてくれる資格があるかどうかを考えるとき、自分のほうにも彼女を幸せにする資格があるかどうかかんがえてみるえきだ、というような途方も無い要求を社会は突きつけてこないものだ、それではまるで、男が自分の妻を選ぶだけでなく、妻の方でも夫を選ぶことができると言わんばかりではないか!あるいは、男も子孫のために、自分自身の魅力を備えている義務があるというみたいではないか!P144>
    <私(※作者のこと)としては、彼に大いに同情する。なんといっても居心地の悪い運命だろうから。世にいう高い学識を持ちながら、人生を楽しむことができないとは、せっかく素晴らしい人生の光景を目の前にしているのに、飢えて震える小さな自分から解放されることがないとは。栄光を目にしていても、それに夢中になることができないとは。自分の意識を生き生きとした思想や強烈な情熱、精力的な行動などに喜んで変えることができず、野心はあっても臆病で、用心深くあってもぼんやりとしか見えないというのでは、さぞ不安だろう。P117>
    心臓発作で倒れたので余計に自分の死後の猜疑心が高くなっている。
    <「人はみな死ななければならない」というわかりきった話が、「もうすぐ私は死ななければならない」という切実な意識へと突如変わるとき、死は残酷な指で、私たちに掴みかかる。そのあとで死は、母のように私たちを抱きしめにやってくるかもしれない。そして、私達がこの世で最後の瞬間に見るおぼろげ眺めは、生まれでた最初の瞬間に見た眺めと似たものなのかもしれない。P424>

    ❏ピーター・フェザストーン氏
    嫌味で金持ち老人。弟妹に、ソロモン、ジェイン(以上金持ち)、ジョウナ、マーサ(以上貧乏)がいる。が、親の遺産は長兄相続して一族の中で一人で金持ち。実子がいないから多くの弟妹甥姪遠縁の親族たちが群がっている。しかしフェザストーン氏はみんなの期待をどう裏切るか?を楽しみにしている。
    死ぬ前に二通の遺言を残した。その二通目をメアリに廃棄させようとしたが、「そんなことに責任は持てません」と拒絶された。その直後に死ぬ。

    『第4部 三つの愛の問題』
    ❏ピーター・フェザストーン氏
    二通の遺言状が公開された。一通目では、親族にはそれぞれ少しの遺産と、フレッド・ヴィンシーに広大な領地(領地は、分割せず一人が相続)するはずだった。だが二通目でそれらを反故にし、養老院と、どこからか現れた蛙に似た顔の30前半の男、”ジョシュア・リッグ・フェザストーン”に全てが譲られた。
    あてが外れた親族たちは帰っていった。

    ❏ウィル・ラディスロー青年
    カソーボン牧師の遠縁の青年。カソーボン牧師とはお互いを嫌っている。
    だがラディスローは、ドロシアを憧れの女性にしていたので、ミドルマーチで仕事を得ることにする。
    ドロシアも、ラディスローとは気安く話せる相手ではあったが、夫のカソーボン牧師がよくわからない嫌がり方をするので対応に困っている。

    ❏ブルック氏
    ドロシアの伯父。領地の差配が本当はまずいのに自分でわかっていない。
    新聞社を買ってラディスロー青年に任せようとしているが、それはミドルマーチでの派閥争いに波風立たせるものだった。

    ❏ケイレブ・ガース氏
    ブルック氏の今後の領地経営や政治姿勢を心配した周りの人々が、ガース氏に土地管理のために雇おうという。

    ❏ジョシュア・リッグ・フェザストーン
    ジョシュア・リッグなのか、リッグ・フェザストーンなのかよくわからない…。
    突然現れてフェザストーン老人の遺産をもらったので周りから隠し子だと言われたり、言動がいちいち観察対象になっている人物。

    ❏ジョン・ラッフルズ
    リッグの継父でたかり屋。
    ちょっと面倒な手紙を手に入れたところで退場した。続きが気になる。

    ❏ミドルマーチの政治宗教対立
    銀行家のバルストロード氏と、フェアブラザー牧師は教派で対立しているらしい。
    ブルック氏は新聞社を買取りラディスローを雇うんだが、それがミドルマーチでの新たな火種になりかけている。
    この時代新聞という仕事は地位が低くブルック氏は恥をかくのではないかということ、国政に立候補するつもりじゃないかと思われていることなど。
    カボーソン牧師はラディスローに(嫉妬もあるが)「親族として、そんな恥ずかしい仕事に付き恥ずかしい主張を垂れ流すのはやめろ」と警告する。だが反骨精神とドロシアへの愛情を持つラディスローは却ってやる気満々になる。読者としては若者頑張れと思う(笑)


    ❐作者の”書く”ことについて
    作者はカソーボン牧師が大作を書きたいが書かないことについて、その内面を掘り下げている。
    自分の発表物で名誉を得たいが手がつけられない、という状況は、著者が見た作家像なのかなあと思ったりする。<自分は何も成し遂げていないのだと白状しないことに熱意を注いだ。P412>

    ❐男性権力社会での女性について
    様々な女性が出てくるが、やはり社会が男性主義ということが根本にある。
    ドロシアは魂の立派な男性を支えて自分を高めることを理想としている。
    ロザモンドはわかりやすく、お金と地位のある男性にプロポーズされて自分も上流社会入りして他の人より高見に立ちたい。
    現在読者に同調しやすいのはガース一家だが、しっかり者のガース夫人自身も男は女より偉い、という根本思想からは離れられない。
    そしてこちらもしっかり者の娘のメアリも、働くというのはあくまでも生活のためで恥とは思っていないが、働かなくて良いなら働かずに家庭にとどまることを望んでいる。

    3巻へ続く
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4334754295

  • 19世紀イングランドにおける架空の地方都市ミドルマーチを舞台に多彩な人間模様を描く。第3部と第4部を収録。

    複雑かつ絶妙に絡み合う人間関係が面白すぎる第2巻。主要となる人物のみならず、脇役やちょっと出のキャラクターにも魅力が満載だが、さしあたり主に気になるのは次の3つの愛のゆくえだ。
    1.ドロシアとカソーボンの夫妻、それに関わるウィル・ラディスロー
    2.リドゲイトとロザモンド
    3.フレッドとメアリ、フェアブラザー?

    男性名を使っているが作者は女性なので、不美人でも賢く、強い輝きを放つメアリという人物は作者の自己投影が色濃く反映されているのではないかと想像する(本名メアリ・アン・エヴァンズだし……)。そして、女性の心理がよく描かれているのはわかるが、この作者は何故こんなに男性の気持ちがわかるのだろう?と不思議になるほど、カソーボンやリドゲイトの心の軌跡には共感するものがあって感動を覚えた。

    本作の主要人物はほとんどが姻族関係でつながっていることもあり、「相続」という問題が大きなファクターとなっている。これの如何によってその人物の運命が大きく変わってくるわけで、良心的だが軟弱なフレッド君が翻弄される様子が本巻の見どころの一つ。幼なじみのメアリが彼についてどう考えているのか、今ひとつ見えにくいのももどかしくて面白い。さらにフェアブラザー牧師というライバルも現れて……?

    順調になるようになってしまうリドゲイトとロザモンド。出会いから恋愛に至る描写にウットリしてしまった、一部の文章は書き写してメモに残してしまったほど上手い。しかし、この二人にはどこか不協和音を感じさせる要素があり、どうなるかわからないがこれが先の伏線にもなっているのだろう。

    そして、やはりこの物語のメインディッシュはドロシアの愛のゆくえだろう。個人的にはかなり共感を覚えたカソーボンという人物。ウィルとの対立と病のため、彼の運命には徐々に不穏な空気が立ち込めていく。夫と心が噛み合わず、すれ違うドロシアは妻としての努めを果たすべく真摯に向かい合うが、無意識的にウィルに惹かれていくのが見えて、自分としては心が痛かった。彼らの運命はいかに?とても引き込まれる人間模様だ。

    ドロシアとカソーボンとウィル、リドゲイトとロザモンドは、『アンナ・カレーニナ』におけるアンナとカレーニンとヴロンスキー、リョーヴィンとキティの関係に構造が似ている(名前までどこか似てない?)。しかし、それぞれのキャラクターの性格はかなり異なっているので、結末はまったく違う方向に行きそうだ。これらの対比も考慮しながら、この先も楽しんでいきたい。
    さらに、カソーボンVSウィル、カソーボンVSリドゲイト、ウィルVSリドゲイト、ロザモンドVSメアリなどなど、作品内で各人物が直接絡むとは限らないが、いくつもの人間性のコントラストが物語世界を彩っている点も見逃せない。

    当時の政治情勢や農地の実情、前衛的すぎるリドゲイトによって示される科学・医学へのリテラシーの問題など、人間関係以外にも考察すべき要素が多々ある。ただ情報量が多すぎるので、そのあたりは再読時に掘り下げることにしよう。そう、本作は二読三読に値する類稀な傑作なのだ。

  •  全8部のうち本巻では第3部及び第4部収録。

     自分より優れている人のもとで魂の安らぎを得たいと考え、妻として我が身を捧げ、夫の生活を確固たるものにしながら、自分の生活を高めていこうと結婚生活に入ったドロシアであったが、夫カソーボンとの関係は結婚当初から違和に満ちたものとなってしまっていた。

     他方医学の発展と自己の成功の大志を抱く医師リドゲイトは、美しいロザモンドに魅せられ、予期していたよりも早い時期に結婚に向かうこととなった。

     また、ごうつくばりの老人の遺産を巡るゴタゴタや、政治に関心を示し始めた地主と周囲の者たちとの軋轢など、物語が動き出す速度が早まってきている感がする。

     人と人との関わりに関して、それぞれの考え方や思いが綿密に記述され、随所に挟まれる語り手による考察と相俟って、多面的な角度から登場人物に対するイメージを構築できる。
     また、一つの地方に暮らす多様な階級の人物が存在感を持って描かれており、社会的地位や財産に伴う上下関係意識や体面の問題、職業に関する意識や価値観、男女・夫婦の役割分担、政治や宗教についての考え方などが、各人の発言や行動を通して多層的に取り上げられる。

     本巻終盤では、全体的に不穏な気配を感じさせるようになってきており、どのような展開が待っているのか、次巻が楽しみだ。

  • 本作は、副題に「地方生活についての研究」と銘打ったとおり、狭い人間関係の中で、右往左往する人びとの心理が精緻に描かれている。ドラマチックな場面は少ないが、それが人生と達観させる説得力がある。

    解説の当時の政治状況と職業観は参考になる。

  • 主人公ではなく、周囲の人のひとりひとりのエピソードである。その出生、死亡、といろいろな出来事を会話で進行させていく。特別な偶然は設定されていないが、ひとりひとり丁寧に説明している。

  • 心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

  • 人間性は悪くはないけれど,フレッドのいい加減さにげんなりし,うまく行っているような人々も何かしら綻びが見え,うまく行ってない人々はこれからどうなるのかと嵐の予感にはらはらする.ほんと面白い.

  • 1巻を読み終えてしばらく経過していたので、誰が誰だか辿るのが大変だった(笑)。

    いやはやどうなるのかこの先。
    今回ドロシアのピシッとした自論の展開があったのは、やっとちょっとスッキリした。

    進行は第三者の目線で書かれていて、結構この進行役の発言も多い。遠くのものに目を向ける前に自分の足元を見よ、というようなところの例えは、今も昔も変わらない。

    さて。第3巻はいつ出るのだろう。3巻までで終わりと思ってたけど、全8部の3部と4部がこの2巻だと言うから、もしかして4巻まであるのか?と不安。
    話が長いのは一向に構わないが、出版を待つ時間が増えるのは少しばかりもどかしい。

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著者プロフィール

George Eliot(Mari Anne Evans)1819-1880.
筆名は男性、本名メアリ・アン・エヴァンズという女性。英国小説史における、もっとも傑出した知性、リアリズムの作家と評されている。
彩流社からの邦訳・関連書に『急進主義者 フィーリクス・ホルト』(冨田成子 訳、ジョージ・エリオット全集 6、2011年)、『スペインのジプシー 他2編 とばりの彼方、ジェイコブ兄貴』(前田淑江、早瀬和栄、大野直美 訳, 玉井暲、廣野由美子 解説、ジョージ・エリオット全集 9、2014年)、『牧師たちの物語』(小野ゆき子、池園宏、石井昌子 訳、惣谷美智子 解説,、 ジョージ・エリオット全集 1、2014年)、『ロモラ』(原公章 訳、ジョージ・エリオット全集 5、2014年)、『詩集』(大田美和、大竹麻衣子、谷田恵司、阿部美恵、会田瑞枝、永井容子 訳 ジョージ・エリオット全集 10、2014年)、『サイラス・マーナー [付]ジューバルの伝説』(奥村真紀 訳、清水伊津代 訳・解説、内田能嗣 解説、ジョージ・エリオット全集 4、2019年)、『ダニエル・デロンダ(上・下)』(藤田 繁 訳、ジョージ・エリオット全集 8、2021年)、『テオフラストス・サッチの印象』(薗田美和子、今泉瑞枝 訳、2012年)、『ジョージ・エリオット 評論と書評』(川本静子、原 公章 訳、2010年)、『エドワード・ネヴィル  G・エリオットの少女期作品とその時代背景』(マリアン・エヴァンズ 著、樋口陽子、樋口恒晴 編訳、2011年)、『ジョージ・エリオット 時代のなかの作家たち 5』(ティム・ドリン 著、廣野由美子 訳、2013年)ほかがある。



「2022年 『フロス河畔の水車場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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