ラブイユーズ (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2022年10月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (752ページ) / ISBN・EAN: 9784334754693

みんなの感想まとめ

物語は、フランスの地方社会を舞台に、貧しい女性がその激しい気性と辛辣な言葉遣いから「吠える女」と呼ばれる様子を描いています。バルザック特有の社会批評が光るこの作品では、階級差や社会的不平等が重要なテー...

感想・レビュー・書評

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  • バルザックの著作の多くは「人間喜劇」で括られていますが、本作は風俗研究-地方生活情景カテゴリ中の作品。
    タイトルのラブイユーズは、川揉み女(川の水をかき回してザリガニを罠に追い込む)の意味で、バルザックあるあるで重要だけど主人公じゃない人名(蔑称)。♪エビすくい、えびすくい♬
    登場人物整理は、文庫の巨大しおりが便利で、人名刷り込みができればすごく読みやすく面白い。分類としてはピカレスク的悪者小説です。善い行いをする人は絶対に報われるのが当然と思ってる人にはおススメしません
    第1部         悪者Aは何て悪い奴!
    第2部         悪者Bに善人が挑戦し、、、 
    第3部         ABの最終バトルとその終着
    まとめるとこんな話です(だいじょぶかww)
    小説の面白さが万遍なく散りばめられていて、バルザックをたくさん読みたくなる1冊としておすすめです。

  • 村上RADIOで村上春樹が面白いと言っていたが、なんの留保なしにすごく面白かった。自分はバルザックが好き、濃密な人間描写、怒涛の展開、19世紀社会の鋭い描写が大好きだが、この面白い作品をまだ読んでいなかったようだ。
    1部、2部、3部と趣向が変わり登場人物の顔ぶれも変わる。物語上のクライマックスは2部のフィリップVSマックスの悪党対決になるだろう。恩人から金を盗んでショックで殺しても平然としているフィリップと、納屋の穀物に鼠を送り込む悪戯レベルのヤクザ集団を率いるマックスでは器が違うのだと感心した。後書きで書かれているように、1部で馬鹿で出来の悪いフィリップが、2部には奸計を巡らす才能を発揮するので、バルザックは設定を忘れてるなと思ったが、多分筆が乗るがままに書き進めてこうなったんだろう。
    弟のジョセフは画家、善人すぎて主役ではないが、母親が子供の才能も芸術の価値もわからず、悪人の兄を可愛がるという設定は上手い。名画の数々(ダヴィンチ!ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ペルジーノ、コレッジョなど細かい設定あり)、価値のわからないマックスとフロールが「金張りの額は残して格安で譲ってやる」と恩を着せようとするやら、この絵の行方は最後まで気になった。
    ラブイユーズたるフロール・ブラジエ嬢、2部でやっと出てくる。鮮やかな登場であり勧善懲悪の最期ではある。村上さん「ラブイユーズというのは、川の流れで革製品を揉み洗いする女たち、という意味なんだそうですが、どういうことなのか、そのへんは実際に読んでみてください。」

    最後に付いているバルザックの年表を見ると、51歳で亡くなっている。精力的で多作なイメージなので(実際に多作だが)もっと長生きしたかと思っていた。人妻との恋愛が多すぎませんか 笑。「フランス上流社会は結婚した後が恋愛の本舞台だった」的な話を聞いた気がするが、彼は創作だけでなく人生で実践したのだ。

  • 変にエンタメ感のある本より、こういう本を読むとなんだかほっとできる。

  • 585P

    「ラブイユーズ(l’Aboyeuse)」はフランス語で、「吠える女」や「吠える人」という意味です。語源は「aboyer(吠える)」という動詞で、犬が吠えることを指します。特に比喩的に使われる場合、人に向けて批判的・攻撃的な発言をする人を表すことがあります。


    バルザックの作品における「ラブイユーズ(l’Aboyeuse)」は、彼の短編小説「ラブイユーズ」に登場する人物や状況を指します。この短編は1836年に書かれ、バルザックの大作『人間喜劇』の一部として位置付けられています。

    概要
    物語の中心には、貧しい田舎の女性が登場します。この女性は、フランスの地方で暮らしながら、その激しい気性や辛辣な言葉遣いのために「吠える女(ラブイユーズ)」というあだ名で呼ばれています。彼女の過酷な境遇や、社会階級間の緊張が描かれ、バルザック特有の鋭い社会批評が込められています。

    テーマ
    バルザックの他の作品と同様、「ラブイユーズ」でも階級差や社会的不平等が重要なテーマとなっています。この短編は、地方社会の硬直した構造や、経済的・社会的圧力が個人の性格や行動にどのように影響を与えるかを考察しています。

    さらに詳しい内容や特定のエピソードについて知りたい場合は教えてください。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/778207

  • 4.0 はじめてバルザックを読んだ。村上春樹が面白いと言ったので読んでみようと思った。悪い人たちの行動がほぼ話の大半を占める。社会背景や芸術論もある壮大な小説。富や美しさをどのように生き方に反映させていくのかと言う教訓もあり。

  • 「あの人と一緒になって五十年になるけれど、一度だって私の財布には六十フラン入っていたことすらないんだよ。財産を取り返すためじゃなかったら、おまえさんたちをこの牢獄のような家に呼ぶなんて、絶対しなかったけどね」
    「でも、それでどうやって生きているのです」ジョゼフは、フランスの芸術家が決して失わない陽気さで無邪気に尋ねた。
    「それはただ」老女は答える。「神様にお祈りしながら生きているんだよ」
    この言葉にジョゼフは軽い慄きを覚えた。にわかにこの老女が大きく見え、思わず二、三歩下がってその顔をまじまじと見つめたほどだった。その顔は光り輝き、実に優しい静謐さに満ちていたので、ジョゼフは「あなたの肖像画を描かせてください」と言った。

  • 2025年3月20日、AKSMから母と帰宅。突然、クオラからスマホ通知がきて、この本が紹介された。「バルザック。ゴリオ爺さんより面白いと聞いて、こちらを読んだ。とても面白い。翻訳が良いのかな1799年生まれ、約200年前に書かれた本なのだが、もちろんこの時人間は、すでに十分に人間として暮らしていて、何かを欲しがったり、人を騙くらかしたりしていたのだ。」

    ブクログの評価4.4ってすごくない?古典なのに出版社が2022年と新しいし、文庫なのにAmazonで1,848円もする(高い)。

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