水路の連続殺人 (光文社文庫 テ 5-9 密偵ファルコ 9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761462

感想・レビュー・書評

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  • ある日ファルコとペトロが人間の手首を手に入れたことから、もうずいぶん長い間続いているらしい連続バラバラ殺人事件が明るみに出始める。

    それと同時に、なぜかみんながファルコの相棒に立候補してくる。

    ちょっと有名になってきたファルコ探偵事務所。

    (2006年07月10日読了)

  •  五賢帝時代のローマをあますところなく使って、密偵のファルコが謎解きをするミステリー……と思わせて、実は大都市ローマの雰囲気や空気感、どんどん増えていくファルコの周辺人物の成長や変化を楽しむお話。事件の解明は本の骨子の半分で、残りの半分はファルコ自身の身辺の変化を見守る話と思われます。ファルコの義理の兄弟達が健やかに育っていく様子とかw

     密偵というと、国家や軍事組織に所属するスパイのような印象がある言葉なんだけれど、ファルコの場合は国家から依頼を受けることがある私立(半公立?)探偵といった趣がある。第1巻を読んでいないので、基本的な設定がわからないのです。図書館で本を借りることのデメリットは、続きものが必ずしも順番通りに読めないことがあるんじゃないかと思う。
     このファルコのシリーズは、『錆色の女神』以来2冊目という。事件がそれぞれ独立しているようだから、順不同で読んでも大丈夫だと思ったんですが、色々甘かったです。ファルコの周りの友人親戚連中、名前が乱舞してて覚えきれないよー(^_^;) 続けて読んでいないから、ファルコ親戚に思い入れがなくって、その辺を読むのにちょいとダレました。

     事件そのものは興味深く、けれど推理する余地はなくサクサクと進む感じ。前半はほとんど進まなくってやきもきしました。ローマの水道事情がはしからはじまでストーリーに盛り込まれていて、そういう点はすごく興味深かった。事件への興味より、ローマの水道システムやお祭りの雰囲気の描写がこの本の魅力といえるのかな。
     そして、今回の実在人物フロンティヌスは終始かっこよくて、単発キャラなのがとっても惜しいです。美味しいところをさらっていっただけでなく、人となりがよい感じで、ファルコシリーズではまれな“かっこよさが魅力”なキャラでした。彼の著作に興味が出てしまうほど。

  • ヘレナとの間に生まれた娘ユリアのお祝いパーティの日、ファルコの自宅近くの噴水から人間の手首がみつかった!どうやら、祭りのたびに女たちが誘拐され、殺され、バラバラにされて水道に投げ込まれていたらしい。警備隊を首になりかかっている親友ペトロニウスとともに捜索を始めたファルコは、ローマの誇る水道のあちこちでバラバラ死体を見つけ出す。
    有能な元執政官の依頼を受けて、ローマ市民の安全を取り戻そうと奔走するファルコとペトロニウス。彼をめがけていつものように難題が次から次へと降りかかる・・・

    卑劣な変態殺人犯を追うメイン・ストーリーに、ペトロニウスの浮気と失職、ヘレナの弟の恋、愛娘のユリアの子守問題、など、いろんなお話がユーモアたっぷりに絡まりあっています。
    歴史上の人物でもある元執政官や有能な水道技師など、魅力的な脇役とともに犯人を追い込んで行くラスト近くの活劇は、結構緊迫感もありハラハラドキドキ。
    浮気オトコの陥る羽目に、にやりとさせられるラストも楽しい作品でした。

  • スゴイ面白いシリーズだが、読んでいるという人に会ったことがない。

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