異端の徒弟 -修道士カドフェルシリーズ(16) (光文社文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761547

感想・レビュー・書評

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  • キリスト教の教義について、宗派の違いやらなんやら、自分は知らないことが多いなあ。奥の深さにクラクラしそうです。それは別にして、最後に明かされたお宝、皇女テオファノの詩篇入り祈禱書、犯人の心を狂わせたその華麗さはどんなものなのでしょう。

  • とりあえず16巻までは読みましたが、毎巻登場する男女の恋愛ストーリーの甘ったるさが鬱陶しくて、この巻で読むのをやめてしまいました。少女漫画「修道士ファルコ」くらいサッパリしていれば最後まで読めたと思います。

  • この作品に出てくる娘さんは、それぞれに善良で健気で力強さが感じられて心地よい!

    カドフェルが、心情を思いやってフォローを入れていたけれど、ジェルベールの不寛容も、彼の苦い経験から固執されるようになったものかもしれないとしたら――作中に語られる、難しいことを考えるのは“お偉い”ひとの仕事で、自分達は言われるようにしていればいい…と、自らの思考を放棄することが、解釈の一部を誇張理解したあげく暴動に向かうような、不幸に繋がったのかも…とも、思うようでした。双方与え合った影響が、悪循環に陥ったのでしょうか。

  • 異端に対する態度から、人間性への柔軟性がみえるよう。

  • (2010-02-27L)

  • 修道士カドフェル・シリーズ16冊目。

  • (06.3.30読了)

  • 修道士カドフェル・シリーズ 第16作

    1143年6月、また巡って来た聖ウィニフレッド祭の直前、シュルーズベリ修道院は二組の客を迎えた。一組はカンタベリー大司教の使者ジェルベール。彼はスティーブン王の使者としてチェスターへ向かう途中馬が足を痛めて滞在せざるをえなくなったのだった。そしてもう一組は、巡礼先で亡くなった羊毛商の棺と、彼のその甥達のもとに連れ帰り、修道院に埋葬してもらうために運んできた徒弟イレーヴだった。修士会で修道院に埋葬を願い出たイレーヴに、ジェルベールは故人が異端の信仰を持っていたのではと疑い、修士会は紛糾する。ラドルファス院長の裁断で漸く希望のかなったイレーヴは、羊毛商の家に出かけ、故人の養女だったフォーチュネッタに預ってきた持参金の美しい箱を手渡した。イレーヴの訪れに羊毛商の使用人に動揺が走り、次の日イレーヴは異端者として告発された。しかも、告発者が殺された!イレーヴに殺人の疑いがかかり・・・・

    この作品では、「異端」やキリスト教の教義がが大きなテーマになっています。イレーヴが抱く疑問は、私にはごく当然のことのように思えるのですが、この時代では庶民は「とにかく信じてアーメンと言う」のが何より大事で、疑問を抱くこと自体が異端なんですね。その上、殺人の嫌疑までかけられたイレーヴですが、フォーチュネッタは、彼の為なら法を破ることも厭わないと言い、一方、イレーヴは決して逃げない、と言います。しかし、この殺人には恋だけではない、思いもかけない原因が有って、いつもより本が厚めなのもなるほど、と思いました。宗教について語ってはいますが語りすぎると言うことがなく、作品としてのバランスが崩れていないのが、さすが、エリス・ピーターズ!

  • カドフェルシリーズ第16巻。職人の主人の巡礼の旅に付き従ったその徒弟が、旅の途中で無くなった主人の遺体と、主人が心にかけて止まなかった養女への遺品とを携えてシュルーズベリーへ帰還する。これが事件の発端となり、宗教論争・異端尋問にまで発展する大騒動に。そして事件は起こる。犯人は誰か。そして、徒弟は異端者の烙印を押されてしまうのか。
    本書の最後、司教が登場して徒弟の考えを聞き取るシーンは、単なるキリスト教の解釈を超えた、人間そのものの生き方をも考えさせられる問答シーンがある。中世が舞台の作品ながら、現代人の生き方にまで啓示と希望とを与える素晴らしい作品。

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