- Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334761660
感想・レビュー・書評
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カドフェルシリーズ長編の最終巻。ああ、もっと読みたいけれど、仕方ない。オリヴィエ一家が会いに来て、めでたく生まれた孫を抱いているカドフェルじぃじを語って欲しかった!
緊迫のコヴェントリーから、風雲のラ・ミュサルドリー、そしてシュルーズベリへの帰還。圧巻のフィナーレでしたが、歴史はまだまだ波瀾が続くのですね。 -
修道士カドフェルの第二十弾。
このシリーズにすでに登場していた息子が
いずこかで囚われの身になっていること知ったカドフェル。
修道院を離れないという請願の一つを破ってまで、
息子を助けに行くことを決意する。
修道院長の赦しを超えて旅をつづけ、
戦いに巻き込まれていく様は今までは全く違う「冒険」だった。
途中で人が殺されたことを全く忘れてしまうぐらい。
珍しく恋愛がからんでこないことに気がつかないぐらい。
「死体」を城から運びだす荒業は面白かったけど。
そして、これでカドフェルシリーズが(ほぼ)終わってしまうとは、
とても寂しい。
アガサ・クリスティにも通じる、
人生の機微というか、人生の悲しさや美しさがいろどられた
作品を読み進めることはとても楽しかった。
修道院に戻り、早朝の教会でひとり祈るカドフェルに、
私も祈ってほしかった。 -
カドフェルシリーズのベスト。
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父子の関係になんらかの結論が出て、かつカドフェルの人生にもなんらかの結論が見出された本作。
奇しくも、作者がこの世を去る前のカドフェル最後の作品となりました。
自分にとっても感慨深い一作になりました。 -
(2010-07-09)
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修道士カドフェル・シリーズ20冊目。
シリーズ最終巻は父と息子の物話です。
はこの巻で、カドフェルシリーズの長編が終わってしまうのはなんとも寂しい限りです。 -
シリーズ最終巻・・・<BR>
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1145年も終わりに近づく頃、スティーブン王とモード女帝は、司教の仲介によってコヴェントリーで和平会議を持つことを承知した。その頃、モード女帝の忠臣ロバート伯爵の息子フィリップが突然スティーブン王に寝返り、自らのファリンドン城を戦闘員ごと明け渡していた。知らせを受けたシュルーズベリ執行長官ヒューは、捕虜となったはずの戦闘員のリスト中に、行方不明者としてオリヴィエ・ド・ブルターニュの名前を見つける。彼は、カドフェルが、かなた十字軍の地でもうけた息子だった。カドフェルは、例え背教者となっても行方不明の息子を見つけ救い出したいと、和平会議に出席するヒューに同行した。道中、同じくオリヴィエの行方を追うイーヴに出会った二人だったが、コヴェントリーの修道院で、イーヴはファリンドン城代ブライアン・ド・スーリを見つけ、襲い掛かった。司教によって叱責された二人だったが、直後にブライアンは刺殺され、犯人と目されたイーヴはフィリップに連れ去られる。イーヴとオリヴィエの行方を追うカドフェル・・・・何故、オリヴィエの行方は分からないのか?そして、イーヴは犯人なのか?大きな歴史のうねりの中で、人々は愛と真実を追い求める・・・<BR>
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この作品を書いたほぼ一年後、作者のエリス・ピーターズは永眠されたそうです。<BR>
次回作も用意されていたとのことですが、この作品は、シリーズを締めくくるために書かれた、と言ってもいいぐらい。<BR>
ここまで何回かめぐり合いながら父とは名乗らなかったカドフェルが、息子を救うため、修道院での生活まで投げ出そうとします。そしてまた、もう一人の息子フィリップの愛と理想と苦悩も描かれ、王と女帝との戦争の枠組みの中で生きざるを得なかった彼らの苦しみ、悲しみが胸に迫ります。<BR>
塔に閉じ込められた捕虜や、城を廻る攻防戦、残酷で魅力的な女帝と彼女に忠誠をつくす騎士、などなど中世のイギリスらしさ満載で、その華々しさと、息子に寄せるカドフェルの思いのひたむきさがうまく絡み合い、たいそう心に残る作品となっています。<BR>
そして、いつも、私を楽しませてくれる強く印象的な女性たちですが、今回は3人しか出て来ません。あ、最後の方で、聖ウィニフレッドが出てくるんで、4人かな。でも、一人はしっかり鍵を握っており、その鍵は・・・読んでのお楽しみです(笑)が、私は彼女に強く共感しました(にっこり)。<BR>
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このあと、短編集があるそうですが、自ら信じる道を行き決して泣き言を言わない人たちが印象的な、このシリーズが終わってしまって、とっても寂しい・・・・・ -
感想は<a href="http://naotya.exblog.jp/d2006-07-04" target="_NEW">ブログ</a>に。(06.07.03読了)