シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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本棚登録 : 734
感想 : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761677

感想・レビュー・書評

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  • 黄色い顔がいい話だったので好き

    短くて不思議で解決も鮮やかで読んでて面白い短編集だった
    さすがに古いのであっと驚くというほどではないけど、期待はずれでもない塩梅で人気も理解できるし安心して読める

  • ホームズファンにはお馴染みの
    ホームズの兄マイクロフト
    宿敵モリアーティが登場する短編集
    底本や出版社によって収録作品が違う

  • ヘビイな文芸もの読書が続いたので、息抜きにミステリーを読むことに。久々のホームズである。

    事件の真相…に関しては、斬新なものはあまり無いように思った。一方で、犯人たちのそれまでの半生、背景の描き方に人の哀れを思わせるものが幾つかあった。そうした人生の悲哀、物語の点が印象に残った。
    具体例は、ネタバレ度が強いので、あとの段落で後述する。↓

    ところで、ふと思う。
    究極的にはすべての探偵小説は「叙述トリック」なのではあるまいか、と。
    この作品集でホームズの短編を次々に読んでゆく。はじめは、事件の断片的な情報、限られた断面のみが報告される。やがて、ホームズの推理により、事件の別の断面が次第に姿を現し、その深層が詳らかになってゆく。
    終幕に至り、冒頭の事件の叙述は、あたかも海上の氷山の一角であった如く、限られた一断面のみが叙述されていたことがわかる。
    かようにして、読者は、筆者の語り口に翻弄され、掌の上で転がされながら、そうやって翻弄されることを楽しむのである。ホームズの短編を読んでいて、かように、真実を明らかにする語り口の定型の妙を実感。そして、極論かもしれないが、この作品集所収の短編の多くが「叙述トリック」のような気がしたのであった。


    <以下、大いにネタばれ あり>

    ********
    ・「黄色い顔」:英国の片田舎で暮らす白人女性…。彼女には秘めたる過去があった。かつて米国南部で黒人と初婚。肌の黒い娘もいる。そんな物語が明らかになる。

    ・「グロリア・スコット号」:1855年クリミア戦争の頃。オーストラリア行きの囚人護送船が舞台。囚人らは反乱を起こして船を奪取、看守や軍人を虐殺。しかし護送ん船は爆発事故で沈没。誰も知らぬ遭難事故となった。英国に帰った男はこの罪を隠して生き、財をなして地主となり老境にある。ところがある日、惨劇を生きのびた船員が現れる。地主の老人は過去の亡霊(罪の意識)におびえながら生きていたのだった。

    ・「背中の曲がった男」:インド植民地で功を成して英国に帰還した大佐。その軍人の前に「背中の曲がった男」が現れる、心身がボロボロになった苦労人らしいその男の出現に大佐は驚愕し怯える。男はかって自分がインドで「セポイの乱」のとき、恋敵だった彼を敵に売ったのだった。大佐に裏切られて敵地で拷問を受けるなど辛酸を嘗め尽くしズタボロの人生を生き延びてきた彼は「背中も曲がった男」になっていたのだ。
    ***
    この作品集、かように、秘めたる過去や裏切りの過去を生きて来た者の、怯えや後悔を織り込んだストーリーが目立ち、ちょっと異色な印象を与える。
    ***** 

  • マイクロフトやモリアーティといった重要人物が出てくる話も収録されており、「シャーロック・ホームズの冒険」に引けを取らない面白さだった。

  • 新訳シャーロック・ホームズ全集の
    短編集2作目。

    今回は

    ホームズが探偵になろうと決心したきっかけとなった
    「グロリア・スコット号」事件

    実の兄であるマイクロフトが初登場する
    「ギリシャ語通訳」事件

    そして宿敵モリアーティ教授と対決する
    「最期の事件」

    という、ホームズのパーソナルな部分に触れた話が
    多く、シャーロック・ホームズというキャラクターに
    大きく惹かれている者として大満足な一冊でした。

    「最期の事件」の描かれ方が気になって調べてみると、
    なるほど……これは納得。




  • ホームズ、昔いろいろ読んだはずなのに、すっかり忘れている自分にビックリ。
    モリアーティ教授との最後の事件は初めて読みました。
    漠然としすぎて、お互いの凄さが今ひとつピンとこなかった、というのが正直な感想です。

  • ホームズ短編集の2冊目。
    ポー名作集を読んでおいてよかった。1冊目の『~冒険』も含め、明に暗にポーの影響っぽいところを発見しては、古典を読んだ甲斐を感じて満足した。
    同じく、ホームズも古典。「子供のころ好きだったな~」と知った気でいたけれど、知っていたのはほんの入門レベルであったことよ。この短編集では、「兄・マイクロフト登場(『ギリシャ語通訳』)」と、「宿敵モリアーティ教授/シャーロック・ホームズの死(『最後の事件』)」の単元を履修。
    マイクロフトはシャーロックにも勝る観察眼と推理力の持ち主で、のちの短編では兄弟で活躍する話もあるらしいので楽しみだ。ところで彼はロンドンの「ディオゲネス・クラブ」という"社交嫌いの男たちが集うクラブ"の発起人のひとりだとのこと。なんだかとても自己矛盾に満ちたクラブのように思えるが、「人間嫌いの男たちだって、安楽椅子や最新の新聞雑誌はぜひとも欲しい。そういう人間のために創立されたクラブ」なのだそうだ。「クラブ」という英国文化への興味がじわりと湧いた。
    そして問題の"ホームズ死すの巻"については・・・ロンドンのすべての凶悪事件の黒幕たるモリアーティ教授なんていうのが唐突に出てきて、彼との対決の結果、ホームズは死んでしまった・・・?のかどうかかなり曖昧なこの感じ。その後の歴史を知っているから言えることではあるけど、いかにも復活の余地を残している感あり。ホームズシリーズをやめたかった作者と、人気作品の連載を終わらせたくない出版社との、せめぎ合いの結果がこれだったのかな・・・と、ネットの憶測記事みたいなことを考えてしまった。
    一話完結の探偵もの人気娯楽作品といえば、私の時代でいうならテレビドラマ「古畑任三郎」みたいな感じだったのかなあ、と想像。内容やキャラクターが似てるという意味ではなく、「みんなが楽しみにしていた」という雰囲気が。
    ホームズの映像化作品にはあまりなじみがなく、カンバーバッチのSHERLOCKを1話見たかも程度。そのため、今は読んでいてもビジュアルイメージはそんなにはっきりしていないのだが、いろいろ調べていたら、クリストファー・プラマー(先月[2021年2月]91歳で逝去)がホームズに扮した「黒馬車の影」という1979年の映画があることがわかった。彼の演じたトラップ大佐のあの汲めども尽きぬ魅力を思えばあなた、ホームズ役はまだ見ていないけど、ちょっと、正直、控えめに言って、かっこよすぎてダメなんじゃないだろうか、ねえ?

  • オリジナルの刊行順に読んでいるシャーロック・ホームズも4冊目。今作も面白かった。
    「シャーロック・ホームズの回想」というタイトル通り、ホームズが昔の事件を回想して、ワトスンに語る話がある。そして「ギリシャ語通訳」で、ホームズの兄マイクロフトが初登場。BBCドラマ「シャーロック」ではマーク・ゲイティス演じるマイクロフトが好きだったな~。あとはやっぱり、「最後の事件」が印象的だった。

  • 初めの何篇かについては少し前に読んだため忘れている部分もあったのが少し惜しい。
    兄のマイクロフト(?)2度目の登場のところ個人的にはすごく好き。やっぱり兄弟は信頼が置けるんだね。
    回想は割とこうシャーロックの性格的な本質が垣間見える感じだと思った。

    あとワトソンの「僕の診療...」だっけな、ホームズが不機嫌になるのちょっと面白いね。ホームズは冷血みたいなイメージだったけどなんだかんだワトソン君をめちゃくちゃ気に入ってるし結構ところどころで人間味感じるよね

  • 若かりし頃に読んだことがあるんですが、いろいろと勘違いしていたことが多いのが、シャーロック・ホームズの作品ですね。

    シャーロック・ホームズと言えば、天才探偵の代名詞で、すべての事件を解決していると思っていたのですが、文中の表現では、未解決の事件とか、解決はしたが残念な結末に至ったものが、複数あるんですね。

    さて、この作品は、シャーロック・ホームズがいったん舞台から去ってしまう『最後の事件』が収録されているのですが、冷静に考えてみると『最後の事件』は、事件らしい事件は無いですよね?ホームズを葬り去る事が、その目的で、それ以外の事は書かれていないことを改めて認識しました。

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著者プロフィール

(Arthur Conan Dyle)1859年、イギリスのエディンバラ生まれ。エディンバラ大学医学部卒業。1887年から「ストランド・マガジン」にシャーロック・ホームズ譚を連載して大人気作家となる。ミステリーの他にも、『失われた世界』、『毒ガス帯』などのSFや『白衣の騎士団』などの歴史小説を数多く世に残し、1902年にナイトに叙せられた。1930年逝去。

「2022年 『不思議の探偵/稀代の探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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