四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761776

感想・レビュー・書評

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  • この作品は1890年に書かれたようである。
    つまり、著者コナン・ドイル、31歳位の時の作品になる。

    175ページにセポイの反乱が出てきたので、確認しておく。

    セポイの反乱は、1857~59年。
    コナン・ドイルは、1859年生まれなので、セポイの反乱が収束した頃に生まれたことになる。

  • ホームズ・シリーズ第2作です。新訳なので、とっても読みやすかったです。
    今回は、ホームズとワトソンがメアリ・モースタン嬢から持ち込まれた不思議な贈り物の謎に挑みます。その過程で2人は、さらなる事件に遭遇することになるのでした。
    事件の最後に、ワトソンが宝を得るのが印象的な作品ですね。

  • シャーロック・ホームズの第2作。
    好みの、「光文社の新訳」で。
    翻訳は面白いし、中身も気軽に楽しめました。

    お話のあらすじは。

    事件は依頼人が持ち込みます。とある若い美女。
    その人の父親(だったかな?叔父だったか?)に異変が、と。
    で、ホームズとワトソンが訪れると、当然ながらそこには死体が。さあ始まります。
    謎の「四つの署名」(というか、印?)が現場に。わくわくしますねえ。
    様々な証拠から、ホームズの名推理。義足の男というキーワード。
    根本には、殺された男の父がかつてインドから持ち帰った、謎の宝物。文字通り、宝石王冠の類。
    それが盗まれている。
    どうやら過去が、その父という人のインド時代の何か。恨みか。

    現場の痕跡から、犯人は船で逃げるようだ。
    ホームズが捜索して、船を突き止める。警察の船で張り込み、そして追跡劇。
    この川の追跡劇が、原文なのか翻訳なのか、なかなか活き活きと描写。どうせ追いつくと分かっていても手に汗、の感。お見事。
    で、追いついて、逮捕。

    「緋色の研究」と一緒で、ここから最終章は、犯人の告白。
    インド時代に、その例の死んだ男に騙された。自分のものだった財宝奪われた。
    この辺、セポイの反乱が背景。なかなか社会派。混乱と戦争の時代、人が死んで価値観が混乱した戦乱状態がちゃんと描かれている。

    で、ワトソンは、依頼者の美女と恋愛、告白、結婚宣言。

    というお話です。短いし。面白かった。

    「緋色の研究」と共通してて、へえええ、と思ったことがいくつか。

    ①面白いのは、金田一シリーズもそうだけど、殺人というおどろどろしいムードはまずちゃんと描けていて、それだけで多少面白い。
    ②金田一シリーズもそうだけど、どれだけおどろおどろになっても、主人公のホームズが超越している感じなので、読後感としては爽やか。
    ③金田一もそうだけど、本筋の殺意や恐怖と無関係に、主人公の性格や癖、が興味深く感じられるように書かれている。ソコと本筋とは無関係な分だけ、②の特徴になる。
    ④どっちも、犯人は、「悪人」じゃない。アメリカやインドといった、当時の第三世界での経験、恨み、がベースにある。だから、ある意味殺意は正当だったりする。勧善懲悪じゃない。
    ⑤その殺意の背景が興味深いドラマ。イギリスの植民地支配が背景にあったり、結構社会派。別にイギリスを否定もしてないけど、肯定もしてない。ただ、現実世界の裏側というか、ヒトの業というか、そういうのを感じさせるんですね。割にブンガクっていうか、人間を描いている。
    ⑥もともと、ホームズ自体が正義の味方じゃないのがいちばんトンガッテて面白いんですよね。彼はただ、ヒマで能力を持て余しているから、犯罪を解決するのが、子供がおもちゃをいじるように好きなだけなんですよね。

    ※ちなみに本文中の金田一シリーズっていうのは、実は読んだことは一冊もなくて、全部市川崑/石坂浩二シリーズの映画の印象です。

    この「四つの署名」は、やっぱりワトソンさんが、コンビとしての存在感を強く出してきたお話、という意味も大きいですね。

    このシリーズ、この翻訳なら、ストレスなく読めて楽しめます。
    ゆるゆる、息抜き楽しみに読んでいこうと思います。

  • 月刊誌連載の前に書かれた長編第二作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“料理学”、そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊(イレギュラーズ)の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。

  • 相変わらず冒険小説パートが面白いシャーロック・ホームズ。謎解きよりもそちらを楽しみにしている私はやっぱり異端なんでしょうか?
    しかし、タイトルの"署名"という言葉にどうにも引っ掛かりを覚えます。

  • 「緋色の研究」に続くホームズ長編2作目。メアリー・モースタン嬢から奇妙な出来事についての相談の受けるところから始まる。ホームズの名探偵ぶり、いろんな捜査方法、犯人を追い詰める場面など、冒険小説の要素もあって面白かった。
    「ぼくの頭脳は、停滞しているのが大きらいなんだ」「頭を使っていないと、生きている気がしない」など、頭脳的な刺激を渇望するホームズが印象的。ワトスンは意外とロマンチストなのかな。二人のキャラの違いが良い。
    訳者解説も良い。特にタイトル「四つの署名(The Sign of Four)」の和訳についての話が知れたのは良かった。

    ホームズは鹿撃ち帽がトレードマークだと思っていたけど、挿絵だと普通のハットだ。不思議に思って調べてみたら、シドニー・パジェットという挿絵画家の描いたホームズが、あの鹿撃ち帽のイメージの元らしい。「ストランド」誌に短編が掲載されるようになってから登場する挿絵画家だというので、彼の挿絵も楽しみに、次を読もうと思う。

  • 今回も面白かった!!
    ネタバレにするほどじゃないだろうけど、ロマンチックが過ぎるって話をしてた長編内で結婚するとは....。

  • ワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
    「ロマンチックが過ぎる」
    ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!

    エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?

    ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
    ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。

    細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
    「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
    とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!

    シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもんね~。その地位も、うらやましい。

    ちなみにそんな「論争テーマのひとつ」に、なっていたのは、ワトスンが負傷したのは肩なのか脚なのかとかホームズが振る舞った料理はどんなやったかとか!

    あと、終盤でモースタン嬢との恋愛について報告したワトスンに対してのホームズの回答が

    「ぅわああお!」

    と、にやつく骨頂のものやったんやけど、何やろうホームズとワトスンって仲良しやねんな!?

    (今更?)

    そこに注釈はなかったけれど(笑。ないのか!)そのぶん解説で掘り下げられていた。
    「(ホームズとワトスンに)恋愛関係的なものをくみとる人もいるようですが」
    と、いいきってた!

    (逆説で終わっているとおり、恋愛関係的なものは皆無っちゅう解説なんやけどね)


    イヤイヤイヤもう、ホームズどんなけツンデレやねんっちゅう話でした。

    こういう目線で読んだらあかんし、読むシリーズではないのはわかってるつもりやねんけど、そこはそれ・・・。
    いきなり前触れもなく放り込まれたからね・・・。
    なんちゅうか、腐ィルターっていうの? 昔でいうところのBLスイッチね、そういうのがオンにもオフにもなってなかった(どういう状態よ)もので、余計びっくりしたわ・・・。


    まあそんな調子で、ホームズは事件そっちのけでツンデレる、ワトスンは事件そっちのけでモースタン嬢にデレる、と、意外とデレデレな話で御座いました・・・。

    (絶対違う)


    話はもちろん面白かった。
    財宝を手にする権利がある、と、いうところからここまで過去を掘り下げていくとは・・・。
    そら、ロマンチックな色付けもしたくなるで、ただの猟奇的な殺人でもないんやもの。
    (だからって犯罪を犯していいわけではないけど)

    財宝かー・・・。しかもその秘密を共有することを誓った四人のサインなあ・・・。
    そら、その四人から裏切者が出て、その制裁を加えて、ちゅうようなわかりやすい筋を、当時の社会情勢も盛り込んだお話になってるんやもの。

    面白かった。

    謎解きものやけど、なかなかバックグラウンドが深いよなあ。それが、ホームズの味なんかな。
    そう考えると講談社系の謎解きものって、系統はホームズものに似てるかも・・・。やっぱり、謎解き小説のパイオニアなんやなあ。

    あと、前回同様、犯人が真相を語るときには水が必要不可欠なのかと思った。
    イギリスって乾燥しやすいんかしら? ああそういう感じかな?

    (2016.10.29)

  • ページ数も短いのでだいぶ楽に読むことができた。
    シャーロックホームズの名推理に脱帽!

  • 時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。

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著者プロフィール

1859年~1930年。イギリス・スコットランド、エディンバラ出身。
外科医師の助手、北氷洋行きの捕鯨船の船医を経験し、22歳で大学を卒業したあと、眼科を専門とする診療所を開いたがふるわず、患者を待つ間に小説を書きはじめる。1879年、処女作『ササッサ谷の怪』を発表。1887年、シャーロック・ホームズシリーズ『緋色の研究』を発表。シャーロック・ホームズ・シリーズが人気を博したが、歴史小説、SF小説にも力を注いでいた。現代推理小説の生みの親とされている。

「2018年 『サノクス令夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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