有栖川有栖の鉄道ミステリー旅 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 117
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763183

作品紹介・あらすじ

車窓を流れる汽車の黒煙。基地に佇む機関車の勇壮な姿。幼少期の朧な記憶。大学生のときに出合った一冊の本が、有栖川青年に眠っていた「テツごころ」を覚醒する。学生時代、友人との貧乏旅行、車窓にかぶりつく道楽亭主の隣で熟睡する妻とのふたり旅…。著者が、乗りテツ遍歴を明かし、ミステリーと鉄道の親和性を説く。「この鉄ミスがすごい!ベスト60」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道もミステリーもそこそこ好きなので楽しく読めた。
    鉄ミスガイドうれしい。
    これ参考にしよう。
    私はしいていえば鉄の人が書いた本を読むのが好き鉄かな。

  • 本格ミステリの大家、有栖川有栖氏による鉄道エッセイ。

    鉄道アンソロジー集も読んだ事がありましたが、ここまでの重度の乗り鉄患者だとは露知らずびっくりしました。冒頭では氏がいかにしてこの道に染まったかが克明に記されていますが、遅咲きではまりだす、というパターンは男性では珍しいように思います。

    よく眠る奥さまや敬愛する鮎川哲也先生にまつわる思い出が随所にちりばめられていて、ああこの人の鉄道趣味は人生と深く連関しているのだなとじんわり感心させられました。逆に言うと、氏のミステリを1作も読まず(おいっ!)。人となりが分からないまま本作に接してしまったのはなんとも勿体なく、順番を間違えてしまったようです。

    いい加減、ちゃんとミステリ読もうっと。

  • 書名の「鉄道」に惹かれて図書館から借りて読破。
    著者の有栖川有栖氏が大阪の人であることは本書で初めて知った。
    昨年、大阪に引っ越してきて今では市内なら位置関係が大まかに分かるので、読んでいて理解がしやすかった。
    また、つい先日第3セクター化している北陸本線も乗ってきたので、そのくだりも大変面白く読んだ。
    鉄道旅物を読むには実際に乗っておくに限る。

    p.196 前川清は「長崎は今日も雨だった」と歌ったが、寺田町のまわりは今日も自転車だらけだった。

    p.197 大阪は夕陽の都なのだ。


    日本に生まれたなら、鉄旅好きになるのは自然!

    狩勝峠
    姨捨
    矢岳越え

  • 鉄道の旅は好きだし、新しい路線とか車両の話を聞くと乗ってみたくなるので自分も少しはテツの気があるのかなと思っていたけど、この本を読んで全然マニアじゃなかったことを自覚しました。乗りテツの人なら楽しめるのかも。ミステリーもほとんど関係ないし…。

  • 短い通勤電車にてちょっとずつ読み進めた。ガタゴト揺れてレールと車輪が摩擦音立てて車窓は見慣れた景色。でも、旅を疑似体験させてもらえた。テツではないが、読んでてホントに旅に出たくなる本だった。面白い。なにより著者の楽しげな筆致、時折感傷を誘う描写にもくすぐられる。鉄道ミステリも殆ど読んでないので、参考にさせてもらおうと思った。

  • 日本にある鉄道の端から端まで「乗る」ことを制覇したいとおもう、乗りテツ著者のエッセイ。実際にはしないけれど想像しただけで楽しそうなので、私にも若干テツの資質はあるのではとおもう。鉄道だけでなく、著者がいかに鮎川哲也先生が好きか、それから著者の奥さんがどんなにすばらしい人かなどもしみじみ伝わってくる。

  • わたしは、いつの頃からか乗り物に乗るのが大好きで、とりわけ列車については、ローカル線に乗ること、雰囲気のある、どちらかというと古ぼけた駅舎に出くわすと嬉しくなり、ご当地の駅弁や駅そばは無理してでも食べたいし、駅スタンプは専用のスタンプ帖に集めているし、乗った切符は「無効印」を押してもらって大切に持ち帰るし、時刻表を意味なく「読む」のも好き。あ、もちろん「撮る」ことも。(線路には入りませんよ!)
    しかし、企画モノの特別列車とか、線路の走行サウンド録音とか、最新鋭の車体というメカニック方面にはあまり興味がないのです。
    いわゆる普通の生活の中にあるローカル線と、それにまつわる情景が好きな、雑食系のテツだと思います。無理やりどれかに分類するぞ!と言われたら、乗りテツになるのかなぁ・・・
    今回、この「有栖川有栖の鉄道ミステリー旅」が文庫で出るまで、先生が鉄道がお好きだとは知りませんでした。有栖川先生の作品は、読書家の友人のおすすめ図書だったので、「おっ、鉄道だ」と気楽に手に取り読み始めました。
    しかし数ページ読み進めるうちに、「この人たぶん同類項のテツだぁ~!」といてもたってもいられなくなり、電車の中で読んでいたのですが、興奮のあまり、あやうく乗り過ごすところでした。
    読み始めたその時、まさに阪急電車の中にいたのですが、阪急電車の梅田駅から十三駅の情景の素晴らしさについて語られていて、「そう、そうなんですよね!!!」と身震いし、いったいこの感動を誰に伝えたらいいのかっ、と表情は涼しさを保つのに精いっぱいで、心はもう燃え盛っていたのでした。もうよっぽど、周りの乗客や車掌さん(←乗務中だってば)に「ちょっと、ここ読んでくださいよ!!」と伝えまわりたくなりそうでした。
    本の内容としては、とにかく「乗ってその空気を味わう」ことに素晴らしさを感じておられるのであろう有栖川先生が、車窓からの高さと幅の視点で
    紹介してくださる沿線の観どころ、車内の情景、降車駅でのちょっとした散策といったところがいくつかの路線ごとにまとめられているというもの。それから、とても嬉しかったのは「この鉄ミスがすごい!」として、数多ある鉄道ミステリー作品の中から選りすぐった先生おすすめの鉄道ミステリーがテーマごとに紹介されていること。読書時のポイントなども紹介されていて、これは、リストから数冊携えて、みかん剥きながら寝台列車に揺られて読みふけりたいぞ。(寝台も2012年3月でまた減ってしまうけど・・・JRさん、わたしは寂しいよ。)
    有栖川先生がテツ旅に惹かれるのは、地方の、あえてローカル線に乗ることでしか隣あわせる事のできない地元の人たちの生活や会話、駅でのひとこまを愛しておられるからだと思う。わたしも、最新鋭の電車や新幹線でびゅんっと駆け抜けるよりも、めんどくさいローカル線にわさわざ揺られてどんぶらこと行くのが好きだから、仲間が見つかったようで嬉しかったのと、普段の生活で毎日乗る電車やいつもの風景に対して、ここまで温かで細やかなまなざしを向けることができるんだということを教わった気がしました。

  • 電車が好きかと訊かれたら、嫌いではないという中途半端な答えしか返すことが出来ない、そんな僕がこの本に手を出したのは有栖川有栖の本だからですね。
    自他ともに認める「乗りテツ」の筆者の鉄道にまつわる思い出や鉄道紀行エッセイ。タイトルにミステリとあり、鉄道ミステリに関する話やおススメの鉄道ミステリの紹介はあるものの、それがメインではありません。あくまでメインは鉄道。揺れながら流れる車窓に思いを綴り、レールの敷かれた土地へ思いを馳せる。鉄道にさほど興味のない身でも、楽しく読めます。
    ああ、でも電車に乗って車窓の景色を眺めるのは好きなんですよ。どちらかと言えば自然豊かな景色より、街中の景色の方が好きというのが、僕らしくもあるのでしょうが。だから少し共感する部分もあるのですけどね。

  • こういう本を読むと、いつも旅に出たくなる。
    休みごとにバイトでお金を貯めては旅をしていた学生時代が懐かしい…。

  • 2011/10/13 Amazonより届く。
    2013/11/11〜11/15

    乗り鉄である有栖川さんのローカル線を中心とした紀行文。私は特に鉄ちゃんではないが、有栖川氏の文章が上手いので、乗ってみたくなる。でも、多くの路線は既に廃線になってしまってるんだよなあ。その原因?ともいえる東京一極集中についてのあとがきも素晴らしい。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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