身の上話 (光文社文庫 さ 11-11)

著者 : 佐藤正午

• 光文社 (2011年11月10日発売)

感想・レビュー・書評

[ゆっきーさんの感想 · 2023年10月30日]

冒頭と最後の雰囲気がまるで違う化ける小説だ。
穏やかに、しかし過激的に、衝撃的にぐわんと変化する。
全てがまとまった時に、とどめを刺されるように鳥肌が立ちました。

[ありが亭めんべいさんの感想 · 2019年12月1日]

半ばまではぐいぐい引き込まれてしまうけど、ネタばれ以降の展開は期待外れだった。主人公の夫が淡々と物静かに語る形式で進行するのが変わった感じでとても面白いのだけど、それだけに半ば以降の尻切れﾄﾝﾎﾞ感が残念です。初めての作家だったけど、ん これは大当り!と感じながら読んでいたら途中でハシゴを外された ような印象(笑)

[ykeikoさんの感想 · 2013年3月3日]

気まぐれな行動で東京に出てきてしまい、しかも宝くじに当選し高額を得てしまう。
そのことによりどんどん深みにはまっていくように厄介ごとに引き込まれていく。
当事者がというより、自分のせいにより周りで勝手に起きていく出来事に怯えてしまう。
ちょっと背筋が寒くなる様な感じ。
宝くじ高額当選が不幸をもたらしたとは思わないが、お金があることが幸せであるとは限らない、そんなstory。

[factory2009さんの感想 · 2023年3月25日]

まぁ、こんなものか···
テンポよく読み進められたけど、上林久太郎が死んでしまうところから「なんか違う」と思い始めた。そういう展開を期待してなかった。読後、以前読んでいまいちだった「シンプル·プラン」を思い出した。

[lilymikkaiさんの感想 · 2020年7月18日]

お使いで買いに行った宝くじを余分に買ってしまい、その1枚が1等だったせいで人生が狂ってしまった女の話。割とどんでん返しだと思うんだけどそこまでの衝撃もなかったかな。ミチルの性格にイライラしちゃう。

[yaziemさんの感想 · 2019年4月27日]

ストーリーの見え方が、真綿で首を絞められるかのようにじわじわじわじわと気になる
語りかけのですます調の丁寧な語り口なのがまた不気味さを煽る
結果ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、途中薄ーく触れられてるのがまたコレもどかしいような、最悪は見たくないような、触れたくないところに誘われる不穏な空気が漂っていた

[gangyaさんの感想 · 2015年8月18日]

女の動機ってこんなもんなの？
何か悲しい・・・。

[抽斗さんの感想 · 2015年2月11日]

話の内容は、ほぼ文庫裏のあらすじそのままと言っていいと思う。しかし、何かが奇妙にねじれている。
宝くじが高額当選したという割には、驚くほど淡々とした日常。頼りないふわふわした主人公。しかし、それは読者がそう感じるだけで、実際はとても現実離れした話なのだ。生活がどんどん上滑りしていって、いつの間にかずるりと皮が剥けるその時まで、話は誰の手にも留まることなく進んで行く。

最後の最後で語り手の正体が明かされる時、ああなるほどね、と思うか否か。私は正直、ここまでとても長く感じてしまった。
読後むしろ、私はこう思った。劇的な変化が訪れても、どれだけ偶然では起こりえないような確率の出来事が重なったとしても、それはくだらないつまらない日常にいくらでも押し潰される。そして、それが生活というものなんだなぁ、とも。

[さささんの感想 · 2024年4月18日]

普通に面白いけど共感性は全くない。

[N0AHさんの感想 · 2024年4月11日]

20240410

著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」