本日、サービスデー (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 301
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763213

作品紹介・あらすじ

しがないサラリーマン鶴ヶ崎のもとに、ある日、女の姿をした悪魔が現れた。今日は神さまがくれた、一生に一度の「サービスデー」。どんな願い事も叶う一日だというのだが…。この大チャンスを、彼はどう生かすのか(表題作)。アパートに現れる女性の右手首だけの幽霊と住人の、不思議で心温まる交流(「あおぞら怪談」)。短編の名手が贈る、心に元気をくれる傑作集。

感想・レビュー・書評

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  • どの話も面白くて、考えさせられましたが、特に響いた作品が、「気合入門」と「蒼い岸辺にて」です。

    前者では、気合一つがあるか、ないかで、見ている世界が変わってくるということ。

    怖がったり、避けたりしていても、何も変わらない。気合を入れて、目を逸らさずに、最後まで立ち向かうことで何かを得られることもある。

    後者では、自分の未来を自分で決めつけてはいないだろうかということ。

    誰かに言われたままを真に受けてはいけない。夢があるなら夢に向かって突き進むことが大事だし、ありのままの自分に誇りを持ち、自分が好きでいられる自分でいるということは素敵なこと。

    生きていくのに、大切な、普段の生活の中では忘れてしまいがちな教訓を教えてもらった小説でした。

  • すべての人間に与えられた、どんな願いがいくつでもかなうサービスデー。ただし、その日は人生に1日だけ、普通は気づかぬままに終わるのだが、悪魔の囁きで自分のサービスデーを知ってしまったら、いったい何を願うのか。表題作ほかほか短編4つ。
    鶴ヶ崎の善人、小市民ぶりに和む。自分であればもっとうまく使って、あれをして、これをして、と思ったりもするが、結局は善人が得をするという花咲仕様。「東京しあわせクラブ」はうすら寒いく、正直下衆い。「あおぞら怪談」はいい話だが、皮肉が効いているし、よく考えると日下部さんはかなりきている。「気合入門」は掌編だが、幼い頃の経験って大きくなって意外と大きな影響があるんだよなと納得、「蒼い岸辺にて」はオチがみえみえでいまいち。
    総じていい話が多いはずなのだが、全体的にほの暗さを感じてしまった。何故かはわからないが。

  • コミカル朱川さん。面白かった。

  • 表題作である中編と、短編四編からなる作品集。
    とにかく表題作が感動的です。解説の北上次郎氏は、欧米の小説にたとえていましたが、自分は藤子・F・不二雄先生がいうところのSF(すこし・ふしぎ)作品だと思いましたよ。
    巻末の短編「蒼い岸辺にて」は藤子・F・不二雄作品と水木しげる作品をミックスさせたような感動作。
    「あおぞら怪談」も、なんとなく水木しげる作品を思わせます。
    「東京しあわせクラブ」は、猟奇的で変態な内容。「気合入門」は、夏の日に少年がザリガニ釣りをするというだけのノスタルジック・ストーリー。
    作品世界のノスタルジックな要素は少なめにしながら、昭和世代には藤子不二雄作品や水木しげる作品を夢中で読んでいた頃を思い出させて逆にノスタルジックな気分にさせられる作品集でしたよ。

  • 手軽にさっくり読める、エエ意味にもワルい意味にも。
    アクがなさすぎるし詰めも甘いように感じるねんなぁ。手軽に読める半面、軽過ぎて歯ごたえない感じ。
    特に表題作は、朱川風味抑え過ぎじゃないかなぁ。もうちょっと個性出して練ればオモロい話になりそうな設定だとも思うんだけど。

    収録作で一番気に入ったのは気合入門、大げさに言うたらマーク・トウェインとかヘミングウェイ風味が感じられる青春譜。だけど、いかんせんこの短編も練り込みが足りてないように思える。もうちょっと練り込んだら書き込んだら、ひょっとすると大化けしそうなだけに残念。

  • 軽い夢幻世界楽しい。

  • 朱川湊人さんの本、先日、2015.6発行の「今日からは、愛の人」を読みました。猫の家を営むデリヘル嬢のところに男5人がやっかいになってる話で、セクシーな女性の魔女とちょっととぼけた男性天使が登場したりで、奇想天外な物語でした。読後、この本が2009.1刊行、2011.11文庫化の「本日、サービスデー」の続編と知りました。「本日、サービスデー」、この作品は、テンポも良く、キレもあって、なかなか面白かったです(^-^)

  • 人の優しさが報われて本当に良かったと思えた。
    いいお話でした。

  • 書店でタイトルを見たときに感じたのが普段の日常から脱却した特別なことが起こるんだろうなと勝手に想像して読んだ。大まかに言ってしまえばその通りなんだがタイトルの小説以外にも短編が4つ入っていてどれも心が少しだけほっこりする作品で変な裏切りが無い分人によってはイメージ通りとか感じてしまうかもしれないがこれはこれでよいと思う。

  • 直木賞作家のファンタジー短編集。タイトル作は二流天使と二流悪魔の憎めないやり取りが笑える。しかしこの著者は”ほのぼのホラー”というか絶妙の空気感を持った作品でいつも楽しましてくれる。
    (収録作)本日、サービスデー/東京しあわせクラブ/あおぞら怪談/気合入門/蒼い岸辺にて

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著者プロフィール

朱川湊人(しゅかわ みなと)
1963年、大阪府生まれの作家。『都市伝説セピア』が直木賞候補。05年『花まんま』で直木賞受賞。ノスタルジックホラーというジャンルを開拓した。小説業のかたわら『ウルトラマンメビウス』の脚本も手がけるなど活動は多岐にわたる。著書に『サクラ秘密基地』『月蝕楽園』『冥の水底』『キミの名前』など多数。
2018年9月、『アンドロメダの猫』を刊行。

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