- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334763213
作品紹介・あらすじ
しがないサラリーマン鶴ヶ崎のもとに、ある日、女の姿をした悪魔が現れた。今日は神さまがくれた、一生に一度の「サービスデー」。どんな願い事も叶う一日だというのだが…。この大チャンスを、彼はどう生かすのか(表題作)。アパートに現れる女性の右手首だけの幽霊と住人の、不思議で心温まる交流(「あおぞら怪談」)。短編の名手が贈る、心に元気をくれる傑作集。
感想・レビュー・書評
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どの話も面白くて、考えさせられましたが、特に響いた作品が、「気合入門」と「蒼い岸辺にて」です。
前者では、気合一つがあるか、ないかで、見ている世界が変わってくるということ。
怖がったり、避けたりしていても、何も変わらない。気合を入れて、目を逸らさずに、最後まで立ち向かうことで何かを得られることもある。
後者では、自分の未来を自分で決めつけてはいないだろうかということ。
誰かに言われたままを真に受けてはいけない。夢があるなら夢に向かって突き進むことが大事だし、ありのままの自分に誇りを持ち、自分が好きでいられる自分でいるということは素敵なこと。
生きていくのに、大切な、普段の生活の中では忘れてしまいがちな教訓を教えてもらった小説でした。 -
気軽に楽しめる、ちょっとコミカルで、ちょっと温まる短篇集。世にも奇妙な世界的アラカルト。いずれの篇も、この先に希望をつかもうという気持ちになれる前向きなストーリーばかり。個人的に「あおぞら怪談」の手首だけの幽霊、『妖アパ』のかの女性が思い浮かんでしょうがない。
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すべての人間に与えられた、どんな願いがいくつでもかなうサービスデー。ただし、その日は人生に1日だけ、普通は気づかぬままに終わるのだが、悪魔の囁きで自分のサービスデーを知ってしまったら、いったい何を願うのか。表題作ほかほか短編4つ。
鶴ヶ崎の善人、小市民ぶりに和む。自分であればもっとうまく使って、あれをして、これをして、と思ったりもするが、結局は善人が得をするという花咲仕様。「東京しあわせクラブ」はうすら寒いく、正直下衆い。「あおぞら怪談」はいい話だが、皮肉が効いているし、よく考えると日下部さんはかなりきている。「気合入門」は掌編だが、幼い頃の経験って大きくなって意外と大きな影響があるんだよなと納得、「蒼い岸辺にて」はオチがみえみえでいまいち。
総じていい話が多いはずなのだが、全体的にほの暗さを感じてしまった。何故かはわからないが。 -
軽い夢幻世界楽しい。
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朱川湊人さんの本、先日、2015.6発行の「今日からは、愛の人」を読みました。猫の家を営むデリヘル嬢のところに男5人がやっかいになってる話で、セクシーな女性の魔女とちょっととぼけた男性天使が登場したりで、奇想天外な物語でした。読後、この本が2009.1刊行、2011.11文庫化の「本日、サービスデー」の続編と知りました。「本日、サービスデー」、この作品は、テンポも良く、キレもあって、なかなか面白かったです(^-^)
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人の優しさが報われて本当に良かったと思えた。
いいお話でした。