京都嵯峨野殺人事件: 山村紅葉が選ぶ山村美紗「京都ミステリ-」傑作長編 (光文社文庫 や 1-53 光文社文庫プレミアム 山村紅葉が選ぶ山村美紗)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763282

感想・レビュー・書評

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  • 山村美紗を全く読んだことがないな、と思い、kindleアンリミテッドにあった1988年の光文社文庫版を読んだ。wikipediaによると初出1985年。適当にアンリミテッドに出てきたものを読んでしまったのが間違いだったと思う。

    大学時代、2人の男性が教授の京都の家を買い取るための借金を5人の同窓女性に依頼し、その借金を「3年後、2倍にして返し、さらに5人のうちからそれぞれ1人を妻にする(※女性側から断っても良い)」という約束を結ぶ。「5人のうちからそれぞれ1人選んで妻にする」条項は、当時の目から見ても失礼だと思うが、男性のうち1人に好感を持っていたヒロインはお金を貸す。そして3年後…という出だし。

    なんやかやで、男性のうち1人が、「経営している旅館の従業員の女性とつきあっていた件をバラされたくなくて女性のうち一人を殺す」「追加借金を返せなくてもう一人殺す」「従業員の女性(愛人)が邪魔なので殺す」「すべての罪を相棒の男性にかぶせて殺そうとする」という4連犯行をキメてくる。
    うちトリックといえそうなものは「密室殺人」だが、なんと「ドアチェーン部分を一度取り外す」という物理トリック。警察が無能。

    最後に犯人ではなかった男性とヒロインが結ばれるのはまあいいのだが、これだけの犯行を重ねた相棒の男性にも弁護費用を工面しようとする。それは「いい人アピール」としてもずれている。

    気持ち的には☆0です。

  • 初山田美妙作品。
    京都の山荘の1億円をゼミのメンバーでお金を出し合って買うだとか誰かを選んでお嫁さんにするとか、昔風だなぁという設定だけど。最後まで犯人が誰だか見当もつかず、互いが疑心暗鬼になってく様子、読者をあっと言わせる種明かしはないけれど、サクサク読めて面白い。

  • 鍵の謎の手品が光る。
    山村美紗は推理小説の作り方が旨いと思う。

    2人の男性と5人の女性。
    男性の作品なら女性差別と言われるかもしれない。

    謎解きの芸当は
    むちゃむちゃ高度でもなく,
    むちゃむちゃありえなくもなく,
    ほどほど。

    西村京太郎は,推理の切れ味が大事だという。
    山村美紗のことを言っているのかもしれない。

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著者プロフィール

山村美紗
京都府京都市生まれ。京都府立大学文学部国文科卒業。教師として教壇に立つかたわら、一九六七年ごろから執筆活動を始め、テレビドラマの脚本などを担当。七〇年「京城の死」(『愛の海峡殺人事件』と改題)で江戸川乱歩賞候補になる。七四年『マラッカの海に消えた』で本格デビュー。八三年『消えた相続人』で日本文芸大賞受賞。九二年に京都府文化賞功労賞、京都府あけぼの賞受賞。九六年九月没。

「2022年 『在原業平殺人事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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