中途半端な密室 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1154
レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763626

作品紹介・あらすじ

テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側から鍵が掛かり、周囲には高さ四メートルの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじのぼって逃げた!?そんなバカな!不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人が鮮やかに解明する。(表題作)謎解きの楽しさとゆるーいユーモアがたっぷり詰め込まれた、デビュー作を含む初期傑作五編。

感想・レビュー・書評

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  • 東川さんのデビュー作を含む短編集。
    所謂安楽椅子探偵モノですかね。どれも読みやすくて、ユーモアの中に割と本格的な推理要素がありました。

    『中途半端な密室』
    テニスコートの中央で人が死んでいた。犯人は誰か。
    密室で人が死んだ場合のオーソドックスな答えではあるですが、そこに行きつく過程で「ああ!」と思いました。

    『南の島の殺人』は、クイーンの『スペイン岬』のオマージュ。
    スペイン岬より、こつちの方が全裸だった理由は腑に落ちるような気がしないでもないw

    『十年の密室・十分の消失』はスケールの大きなトリック(地べたに置いた大きな館の絵を、円筒状の大きな鏡に映す)で、多分実現は不可能なんだろうけど、こういうトリッキーな話って最近は出ないだけに、面白かった。

  • 「謎解きはディナーのあとで」で大ブレイクした東川篤哉のデビュー作などを収録した短編集。いわゆる便乗商法っぽい位置づけだが,収録されている短編はいずれも東川篤哉っぽいユーモアに溢れた軽い作品ばかり。
    5本の短編が収録されているが,総ページ数は222ページとかなり薄め。収録作品のうち4作は,大学生の敏ちゃんとミキオコンビの作品であり,表題作1作だけが,名探偵十川一人もので,収録作品にも一貫性がなく,収録作品全編を通じた謎のような仕掛けもなし。やはり,「今なら売れる。とにかく出せ!」というような感じで出版された感は否めない。
    収録作品の中では,南の島の殺人が白眉。謎の南の島「S島」で起こった殺人事件の真相を手紙だけで推理する安楽椅子探偵モノだが,S島の正体が桜島で,雨ではなく火山灰が降っていたけど,火山灰を防ぐために傘をさすという風習をしらなかったことなどが決めてとなり,探偵役の敏ちゃんが真相を暴くというトリック。いやはやこの脱力感がたまらない。
    バカミスというより至って軽めなユーモアミステリだが,文章は読みやすく,寝る前や通勤電車で読むにはもってこい。傑作とまでは言えないけど,★3の評価は十分さしあげられます。

  • 安楽椅子探偵小説の短編集。
    新聞に書かれるような事件の概要以外は全て想像で作られるため、事件の詳細や結論はかなり突飛だったりするけれど、それユーモアで包んで仕上げてしまうのがこの作者らしいところ。初期の作品とのことだが、探偵と助手役のやりとり、特に助手のツッコミの面白さなんかはこの頃からで、やっぱりこの作者好きだなぁと思った。

  •  何となくお話の中に入り込めない感じがします。

     性格が自分の性に合わないキャラがいるせいなのか…。
     セリフや行動が学芸会じみているせいなのか…。
     キャラの突拍子なさが中途半端なせいなのか…。

     総合すると、要は、キャラが全体的に全部中途半端です。


     5話の短編が収録されていますが、探偵役が事件に直面するわけでなく、手紙や新聞で事件を知り、現場を見ないまま謎解きをします。
     それはそれでいいし、殆どのお話が、探偵役が間接的に事件を知るという手法に意味があるんですが、4話目のお話「十年の密室~」は、探偵役が直接事件に巻き込まれる形でもお話が成立する気がするので、何で手紙で? と最後までピンと来ませんでした。
     これがこのシリーズのスタイルだから、しょうがないと思って納得するしかないんですかね(^_^;)

     それにしても、トリックは新鮮でも、事件の設定とかバックグラウンドが、中途半端によくある話でしたね。特に4話目。

     トリックはともかく、1話目の「中途半端な密室」以外は、読後の充実感はありませんでした。


     うん、これも次に期待!

  • まあ、そこそこのおもしろさ。
    つまんなくはないけど、特に得るものもなかったかなーって感じのエンターテイメント。

  • 流石のテンポ感と伏線!サラッと読める!
    でも長編の方が深みが出て好き!

  • 短編集。ゆるーく読めるユーモアミステリ。気を張り詰めて読むよりも肩の力を抜いて読めるところは相も変わらず心地よい。だが中身は密室、建物消失、アリバイ等々色んなものを味わえる。

  • 著者がプロ作家となる前の作品を中心に構成された作品集だそうです。
    解説にもある通り、「安楽椅子探偵」と「ユーモアミステリー」という軸に沿った話が詰まっています。
    5編の短編の中「十年の密室・十分の消失」は謎が明かされると登場していた人物像が大きく反転しミステリー以上に人間物語としても沁みるものがあり大変気に入りました。

  • 小説

  • 全く無関係に見える事象が実は深く繋がっていて、だけれどもぼんやり見過ごせば単なるそれぞれ独立の出来事。連関に気付くのは緻密な洞察、観察力、そして想像力があるから。とりわけ、想像力は、同じ事柄をも時には不幸にし、逆に幸福にも仕立て上げる。無限に拡がる想像の翼は推理の襞を縦横無尽に張り巡らせる。導き出される解はいずれも意想外でミステリアス。軽妙なノリとソリは頗るテンポよく些かのストレスも感じさせなかった。幾分ふざけたようなどこか鈍重でゆるい語り口ながら、推理には確かな積み上げがあり、見かけ以上の読み応えがあった。とりわけ5編目が秀逸。よくできている。存分に謎解きを愉しませてもらった。

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著者プロフィール

作家

「2018年 『世にもふしぎな動物園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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