- Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334764463
作品紹介・あらすじ
動画投稿サイトに忽然と現れた、四つの映像。『回線上の死』と題されたその不鮮明な映像には、四人の男女が残酷な方法で殺される様子が映し出されていた。悪戯?それとも本物なのか?期限付きの捜査を命じられたクロハは、映像の中の音に、奇妙なずれがあるのに気付く…。圧倒的な緊迫感と、想像を遙かに超える展開。熱狂的支持を集める「クロハ」シリーズ第二弾。
感想・レビュー・書評
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長かったぁ〜(^_^;)
本作『エコイック・メモリ』の概要と感想になります。
前作『プラ・バロック』は「私の読書歴で最も没頭した作品」と述べましたが、このクロハシリーズ二作目で読者のシリーズへの興味は二分しそうですね。
前作の事件解決から1ヶ月後、クロハはネットに挙がる1つの動画に目を疑った。演出なのかも分からない解像度の悪い動画の先では、一人の人間が死にゆく様が映されている。そこから続々と動画は見つかり、echoなる謎の存在をクロハは追いかけることに…。しかし、その過程で様々な問題が絡み合い、事態は無事に集結へ向かうのかと、クロハ自身も不安になっていく…。
前作は冷凍コンテナの遺体という関連性のある事件を追うシナリオであった一方、今作は複数の事件が絡み合うため、クロハも読者も混乱し続ける500ページ超。読書スランプになりかけましたが、なんとか読了できました。
次作はクロハが機動捜査隊に入隊する以前のエピソードが語られるらしいので、古い作品ですが入手出来たため、また読もうと思います!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クロハシリーズ第2弾。動画サイトに虐殺シーンが連続して投稿され、クロハが捜査することになるが、フェイクではなく実際に行われたことが判明する。その一方で、立てこもり事件が起こり、バディになった警官が発砲して被疑者は死亡し、マスコミの批判を受けて二人は苦しむことになる。クロハは、死んだ姉の子どもの養育権を巡って、姉の離婚した元夫と対峙することにもなる。さらに、人気の仮想空間がRMT(リアルマネートレーディング)の脅威に晒され、クロハもそれに関わっていく。クロハは優秀な警察官なのだが、決してスーパーマンではなく、繊細な神経を持った現実味のある人物として描かれ、いくつもの事案に翻弄されるが、諦めずに戦っていく。殺し屋のサイや連続殺人の犯人の人物も印象深く描かれていて、実に読ませる。後半の盛り上がりも圧倒的だ。
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若い女性機動捜査隊員・クロハこと黒葉佑の話、シリーズ第二弾。538ページ、長かった。前半はなかなか進みません。400ページを過ぎてから、ようやくスピードアップ。前作と同じく、仮想空間やらが出てきて、何か不思議感覚あり。しかし、若い女性警察官がたった一人で修羅場に乗り込むのって、アリなのかな。甥っ子・アイとはこれで決着?
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クロハシリーズの第二作目。読み終え、期待どおりの興奮を感じている。作品中のリアルと仮想空間の間に既に違和感はない。リアルと仮想空間での出来事や登場人物が絡みあっている。クロハとアイの未来に少しでも明るい陽がさすことを祈らざるを得ない。
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「エコイック・メモリ」(結城充考)を読んだ。
これは見事!
独特の色合いの緊迫感と疾走するストーリーとクロハユウのキャラクターがガチっと嵌って頁を繰る手が止まらない。
結城充考は読者を惹きつける術をよーくわかっていらっしゃる。 -
『プラ・バロック』に続くクロハ・シリーズ第二弾。現実と虚構が織りなす怪しい雰囲気の警察小説。今回は前回にも増して謎の多い残忍な事件。ストーリーは非常に面白いのだが、画像が浮かばないんだよな。登場人物の片仮名表記が虚構を強めてるのかな。
それが、作者の狙いか。 -
結城さんの2冊目。
いいね!!!!!!
インプリンティング だっけ?
刷り込み現象・・・・。
警察小説にのめり込むきっかけとなったのが誉田哲也だったためか、「芯の強い女刑事」ものが、最高に好き。
本作も。
これでもか、と追い込まれる絶望的な状況に敢然と立ち向かう姿が、見ていて気持ちが良い。それでいて、主人公が感じるであろう恐怖や人間的な弱さもしっかり描かれているのでリアリティがあってよい。
個性ある脇役たちも魅力的だし、続編にも期待。
★4つ、8ポイント半。
2016.06.30.新。
※近未来感のあふれる世界観なのに、コートを「外套」と・・・・昭和初期か!?!
※「キリ」の正体は???
※「ミハラ」が、実は悪い人間ではなかったという点が、、、、、、辛いね。 -
女刑事クロハシリーズの第二弾。
前作にも増して猟奇的な殺人事件「回線上の死」
殺害過程を録画し動画サイトに投稿する。犯人の目的は。
被害者の繋がりは。動機はなんなのか。
結論から言うと、動機も犯人も至る過程も納得できなかった。
最後の対決シーンは一作目のほうが完成度は高い気がする。
それでも、姉の子供「アイ」については本作のほうがすごく好き。
クロハが自暴自棄になったりしないのは「アイ」がいるからだと思う。
ただ残念だと思ったのは、アサクラにもう少し重きを置いてほしかった。
クロハの中でもアサクラが与えた影響は大きかったと思うので。
電脳世界でのつながりが今回はあまり出てこなかったが。
「アイ」と同様、クロハの一面を表す手段として描き続けてほしい。
作者の人物描写の濃淡が故意なのか、そういうものなのか分かりづらい。
突然ズームアップしたりフェードアウトするので、キャラが把握しづらい。
それでも引き込まれてしまうのは世界観とクロハのキャラなのか。
美人でも何でもいいけど、悩みながら成長していくという展開がよい。 -
これ、前作でも思ったのですが、登場人物の名前、ふつうに漢字の表記じゃだめなのかなあ…。
主人公のクロハあたりはともかく(慣れた)、「アサクラ」「タケダ」となると違和感があって、文章はけっして読みにくくないのに、引っかかってしまう。
若干サイバー感強めってだけで、とくに非現実世界の話ってわけでもないし。
面白いのに惜しい。
っていうか、尻上がりに面白くなる感じでした(著者が、最初はエンジンかからなかったのが、徐々に書き慣れてきた印象)。
しかし、思いっきり読む人を選ぶ本ではある(電脳知識ゼロの母には勧められません)。