- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334764883
作品紹介・あらすじ
「綿貫さんち」は四人家族。「明るく笑うもう一人の自分」を空想する長女・真美。主婦業と仕事をこなしながら、揺れる40代を惑う母・春子。転校生の女子に投手の座を奪われそうな長男・健介。経理課係長の仕事に疲れ、うつ病を心配する父・明弘。どこにでもいそうな家族が、悩みを抱えながらお互いを支え合う日常を、それぞれの視点から描いた小さな宝石のような物語。
感想・レビュー・書評
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4人家族のそれぞれを主人公にした4つの連作短編集。作者に一番近い母親編が一番踏み込んだ内容で読み応えがあった。
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よくある4人家族の日常生活を描いた4編の連作集。こういう小説を読むと家族って毎日一緒にいて、一番知ってるように見えるけど、本当は何も知らないのかなと思う。
今はまだ子供が小さくて一心同体のように一緒にいるけど、手が離れたら個として尊重してあげなければ…。
日記も、連絡帳もアプリの現代だけど、子供が自分の育児日記を見返す場面を見て、母子手帳くらいは毎年きちんと手書きしようと思った。 -
四人家族の綿貫家。父、母、娘、息子の日常を描いた連作短編集。
私、最近、こういう四人家族の物語ってよく読むんですけど、でも、いつも読んで思うことは、家族といえども、それぞれにそれぞれの生活があるんだなー。ってこと。
我が家も四人家族なんだけど、旦那や子供たちが家以外の場所でどんなことしてるかって、あまり知らないもんなー。
この物語も、そんな四人が家族以外に見せる、それぞれの生活の一面を描いた作品なんですが、一番共感したのは、やっぱりなんといっても、母・春子の章。
リアルすぎて笑えた。いや、リアルすぎるだけに笑えないかも。逆にー。
でも、やっぱり、女40代、思うことは同じで、この先の人生に不安は付いて回るんですよね。
人生の折り返し地点に立った今、これまでの40年と、これからの40年って、年月は同じだとしても、中身の濃さって、やっぱり薄まってくるのかな。って、まるで私と同じ思いが書かれてて、ちょっとビックリ。
自分のことと、子供のこと、そして老いていく両親のことと、あ、時々ダンナのことも、考えることがいっぱいで、あー!って、なっちゃうそんなお年頃の40代のリアルが描かれています。
その他の家族の話もとっても面白かったです。 -
ある一家のお話。
家族でも、みんな違うんだよなぁ〜と改めて思うきっかけになりました。
特に娘のお話と娘の成長していく姿が良かったです。 -
夫婦に相性があるように、
兄弟だって親子だって相性の善し悪しはあるだろう。
人一倍声がでかくて、感情そのまま表に出す母に
繊細でナイーブな心を持つ娘。
積極的とは程遠い日々を淡々と過ごし、
ゆっくり釣りに行くことを夢見る父親に、
元気溌剌やる気の塊のような小学生の息子。
個性がバラバラの家族が、
それぞれ小さな問題や悩みを抱えながらも
社会から大きくドロップアウトすることもなく
ちゃんと毎日を過ごして行く。
幸せを噛みしめるように、ハーゲンダッツのクリスピーサンドを子どもに隠れるて食べるお母さんが可愛い(笑)
そんな小さな楽しみでも、生きて行く励みになるのです^^
代わり映えのしない毎日でも、
明日もがんばろうと背中を押してもらえる一冊でした。 -
綿貫さんは四人家族。
父、母、娘、息子の普通の家族。
それぞれの視点からの短編。
「ダリアの笑顔」真美はクラスでどのグループにも属さない子。自分に自信が持てない。
ある日、母親が書いた真美の育児日記を見つける。それを読んで、どれほど自分が愛されて、大切に育てられてきたかを知る…
真美ちゃんが本当のダリアの笑顔で笑えるようになれるといいね。
ほっこり心があたたかくなる話。でも、育児日記をゴミに出すなんて…なんで? -
綿貫家の人々の四者四様の日常の切り取り、、。家族・夫婦・親子・姉弟としての繋がりはあれど、微笑ましさの血は争えない!?一人一人の個性は個性♪。
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図書館で借りた。
やづき みちこ
父・母・娘・息子の日常を描いた短編集 -
四人家族の綿貫家。それぞれが現状に小さな不満や悩みを抱えながらも、お互いを支え合う日常を描いた物語。
家庭が崩壊するしないの分岐点は、そこに「信頼」があるかないのかだと思う。平凡で特別なものは何もないのに、この綿貫家はとても輝いている。
私の年齢的に、母・春子と父・明弘の章はとても共感できた。「ちん・まん」とか、「意味なしおちゃん」「やる気なしこちゃん」なんてツボだなあ。