カッコウの卵は誰のもの (光文社文庫 ひ 6-13)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765293

作品紹介・あらすじ

往年のトップスキーヤー緋田宏昌は、妻の死を機に驚くべきことを知る。一人娘の風美は彼の実の娘ではなかったのだ。苦悩しつつも愛情を注いだ娘は、彼をも凌ぐスキーヤーに成長した。そんな二人の前に才能と遺伝子の関係を研究する科学者が現れる。彼への協力を拒みつつ、娘の出生の秘密を探ろうとする緋田。そんな中、風美の大会出場を妨害する脅迫者が現れる―。

大ヒット作品の文庫化です!

感想・レビュー・書評

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  • 「カッコウの卵は誰のもの」東野圭吾さん

    1.購読動機
    まとまった休み。ビジネス書以外の読み物がほしくなりました。
    そんなときは、やはり馴染みのある作家さんを手に取ります。
    東野圭吾さんもそのお一人です。

    2.本書のテーマ
    ①生みの親と育ての親。
    ②才能と努力のバランス。
    ③親が子に願う幸せ、進路と、子供自身のやりたい方向性。

    主人公の元オリンピックスキー選手、そして高校三連覇のスキー選手の娘。
    この2人を軸に物語が展開します。
    そして、その展開を通じて①②③をテーマとして、読者の我々に示唆を与えてくれます。

    3.私が東野圭吾さんを読みつづける理由
    ミステリーのどろどろ感、怖さといった描写が少ないところです。
    そして、事件の裏にある動機の描写に共感を覚えるからです。
    罪としては許されない、しかし動機としては人間として考慮したくなる背景が見えてくるからです。

    カッコウの卵は誰のもの。
    こちらも、ひとり1人の人物から、人間とは?生きるとは?を考える小説となりました。

    東野圭吾さん、ありがとうございました。

    #東野圭吾 さん
    #読書好きな人と繋がりたい

  • スキーヤーの娘の出生の謎を、托卵の習性のあるカッコウとなぞらえて進む物語。
    娘の出生の謎。妻の自殺の謎。
    方や才能を見出されつつも望まないスキーの世界に入る事になった少年。
    それぞれの視点で物語が進み、終盤はかなり急展開。
    夢中になり1日で読み終わりました。
    後半は舞台は新潟に移り。
    新潟県在中の自分にとっては馴染みの地名もあり、嬉しかったです。
    最後は少し強引な面も感じましたが、落ち着く所に落ち着いたのかなと。

  • 結末に焦りすぎた感がありましたが、
    東野圭吾さんの作品はどんどん読み進められますね。

    話のテンポが良いので、飽きることなくページをめくることができます(*^-^*)

  • 緋田の娘・風美は本当に自分の血の繋がった娘なのかというところから、ストーリーはスタートする。
    才能か夢かというひとえに答えの出せない問題や「生みの親と育ての親」,さらには企業とスポンサーの関係性の複雑な問題などがあり、人間ドラマとしての側面と、脅迫者や血統の謎などがクライマックスにかけて一気に明かされていくミステリーやサスペンスの側面がとても上手くマッチしていて面白かった。最初は選手の未来をのけ者にする柚木が物語を通して、夢を応援することを優先したところがとても格好良かったです。
    終盤の手紙のシーンはカッコウによって下に落とされた人物の叫びのようにも聞こえてとても寂しいと感じたが、希望のあるラストには胸を打たれました。

  • いろいろなことが複雑に絡みあってて、
    でも、最後にはきちんと解決されてて、
    さすが東野圭吾さんって感じでした。

    トップスキーヤーの緋田の娘の風美も
    ハイレベルなスキーヤーとして活躍していた。
    さすが、緋田の娘!!
    と思っていたけど、どうやら実の娘じゃないみたい。
    じゃあ、風美は誰の子?

    そんな中、風美を脅迫する文書が届けられ、
    風美が乗ろうとしていたバスが事故。
    誰が犯人なのー!?
    風美の出生だけでなく、犯人もわかる
    練られた話でしたー。


    そして、私、ブクログに戻ってまいりましたー笑
    えぇ、えぇ、活字離れしてました。
    (漫画読み漁ってましたー笑 ファブルとか読んでたー笑)
    でも、戻ってきました。
    ただいまですー笑

  • ・内容
    最後の最後まで詳しい結末が分からない物語ですごくドキドキしながら読むことができ、とても楽しませてもらえた。
    犯人は、とても意外な人であった。
    序盤から話が程よく進むので、退屈せず話を読み返して読むこともないので読みやすかった。

    ・思ったこと
    才能があり、開花させたとしてもそれを好いていない人もいる。
    秘密は、最後まで隠し通すことも大切。
    最終的に、コミュニケーション不足 歪んだ嫉妬で引き起こされてしまった事件・事故のように思った。
    人間には、誰にでも嫉妬という感情は、あると思うがそれをどう発散させるのか方法を自分で持っておくことを意識させられた。

  • オリンピックに出場したことがある元スキー選手緋田は、妻の死をきっかけにスキーの才能は開花させている娘と血のつながりがないことを知る。彼は血のつながりがないことを隠し通してきたが、娘を狙った事件を軸に娘の母親は誰なのか、犯人は誰で事件の意図はなんなのか彼らの関係性が動き出す。
    話が二転三転するので、ジェットコースターに乗っているような気分で読める。親子愛も随所に感じられる作品となっている。

  • 遺伝子レベルでの研究と、それにまつわる人たちとの中に起こった事件
    過ごした時間が大事と言うのは簡単だけれど、血のつながりだけじゃないっていうのがやっぱりで
    犯人にはびっくり

  • 自分の子どもは、誰の子どもなのだ――
    絶対的な血の繋がりを、疑わざるを得ない状況。
    この状況に、人は耐えられるのだろうか。
    血の繋がりは、美しくもあり恐ろしい。
    血の繋がりに、翻弄された1人の男の物語。

  • 高村薫の世界の跡に読んだのでこんな感想に

    出自が秘密という内容の おなじような社会派ミステリ(?)でも切り取る「風姿(社会的姿)」がちがう
    軽い、重いではない、持ち味の違い

    このごろよく読まれている作家なのだが
    わたしは高村さん風が好きだ

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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