セシルのもくろみ (光文社文庫)

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  • 光文社
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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765538

感想・レビュー・書評

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  • 女の秘めた本音の部分を嫌味なく表現されている作品。やっていることはかなり違うけれど、気持ちの部分では等身大で共感するとこ多し。
    少しずつ自信をつけて、輝き始める奈央が素敵☆
    負けないでと応援しながら読んで行くと、期待通りに一つずつ階段を登って行く奈央。それを嬉しく思うと同時に羨ましくもあった。
    それにしても女の世界は怖い…。

  • 自分では絶対手に取りそうもない小説。
    唯川恵さん、初読。
    簡潔で読みやすい文章で、さくさく読める。

    サラリーマンの夫と中学生の息子、少し眺めのよいマンション。
    平凡な専業主婦の奈央が、ひょんなことから女性誌の読者モデルとなり、業界の思惑や様々な女性たちに磨かれ、やがて自分なりの生き方を見つける。

    ストーリーそのものは想定内。
    奈央が、平凡な自分と、非凡な何かを持つ女たちとを見比べて、引け目のせいで謙虚さを保ち続けていた事が、結果として彼女を引き上げていく。
    微妙にありそうでなさそうな、小さなサクセスストーリー。

    平凡な自分にもやもやしたものを抱えている女性には、きっと人気だろうなぁ。
    さらっと楽しめる、清涼飲料水のような本だった。

  • 一気に読みました。面白かった。

    主人公は、いわゆる勝ち組主婦・宮地奈央38歳。

    大手自動車メーカーでエンジニアをしている41歳の夫・伸行、そして剣道に夢中の息子、智樹くん13歳とともに、永代橋近くの高層マンション三十二階に住む専業主婦

    優しくて働き者の夫をもち、中学生の息子は不良にもならず剣道一筋で素直に育ってくれた。

    そんな当たり前なようで、決して当たり前ではない幸せに素直に満足していた奈央。しかしその平凡な日々は、大学時代の友人・樋口文香によって思いがけない方向に転がりだすのです。


    同窓会で再会し、後日文香にお茶に誘われる奈央。
    なんとそこで、文香が『ヴァニティ』という人気女性誌の読者モデルに応募することを聞かされます。文香は美人でスタイルも抜群、驚きながらも納得する奈央。ところが、文香は奈央の分のエントリーシートまで用意していたのです。

    こうして『ヴァニティ』読者モデルに応募し、二人とも一次予選通過、面接までこぎつけます。

    その結果、読者モデルの座を勝ち取ったのは奈央!

    ……とまあ、こういうあらすじなんですが。

    読者モデルに落ちた文香は、負け惜しみだけ言ってさっさといなくなっちゃうんですよね。面白いキャラなのにもったいないと思ったんですが…最後にまた出てきますけど。

    ていうか、これまだ全然話の途中で終わってやしませんか?続編とかないですよね?

    だって、絶対奈央が表紙を飾る場面でクライマックスだと思ったのに。
    表紙ないの!?終わりなの?とがっくり……。

    いつのまにか奈央が『ヴァニティ』の三番手、四番手モデルになっているとにも違和感。そんなのいつ書いてました?置いてけぼりですよ。奈央普通の主婦から、プロのモデルになっていくまでを丁寧に描いているのはわかります。でも、本当に「いつのまに??」って印象を受けてしまったんです。

    奈央の女(セシル)がいつ目覚めたのかも、はっきり言ってよくわかりません。「負けられない!!」って意気込んでいるシーンはありましたが、それによって何をしたのか、どういう努力をしたのか、どうして負けられないのか、もっともっと深く知りたかった!!

    つまり、何を言いたいのかというと、もっとドロドロしてほしかったんだ!!
    這いつくばってでも石にかじりついてでも、死ぬ気で表紙モデルにやってやる!!女の幸せなんか全部捨てて、私の人生全部モデルに捧げる!!どうなったって構わないわ!!!夫と息子もいらないわ!!

    ぐらいの意気込み、どうせなら見せてほしかったかなあ……。

    一応奈央はプロのモデルの顔になったことになっていますけれど、見た感じ「しょせんいつまで経っても読者モデル気分の奈央」
    (私の勝手な個人的な感想です。どうかご了承くださいませ)

    表紙モデルになりたくないの?と聞かれても曖昧に誤魔化すだけ、
    「私なんかとんでもない」「読者モデルになれただけで奇跡」
    …だったら最初からモデルなんかやるなよ。

    やっとプロの自覚が出てきたと思ったら
    「いつか表紙モデルになれたらいいなあ……」
    とかまだ言ってるし。子供が見る夢じゃないんだから。
    そろそろ具体的な作戦を練るべきではなかろうか!!!!!!

    歌舞伎俳優の妻ごときにおいしいポジション奪われて悔しくないの!?まだそんなのほほ~んとしたこと言ってるの!!非常に歯がゆい気持ちになりました。

    良い人って時に人をイラつかせますよね。
    奈央ってそういう人なんだと思う。

    ていうか、そんな謙虚ぶってるのかと思ったら
    南城編集長と不倫キターーーーー!!!!
    と思ったのに、あれ?綺麗な一夜限りの関係で終わり??あれあれ?不倫を美化してきたよこれ。

    ありえない。
    どうして何もなかったかのようになっているのか。
    ミーナさんとの三角関係発生?とか伸行と離婚?とか色々期待したのに。一回きりなら許されると思っているの?不倫しといて最後の「女の幸せ」うんぬんは笑いました。私には家庭が大事、じゃねーよ。

    伸行の会社も不景気で危ないとか言いながら、結局それだけで終わったのも今一つ。リストラ展開か!!と思ったのに。

    奈央が順調にいきすぎてる。
    順調すぎるわけではないけれども、先輩モデルに嫌味言われたりすることぐらいで試練扱いできますか。できません!奈央にはなんの被害も及んでいません。ミーナさんとコラボ企画までやって、ハワイで買い物して、順調そのものとしかいいようがない。同じく読者モデルを始めた葵や亜由子の人生のほうがよっぽど面白そうじゃないですか。
    彼女たちのほうがセシルが強い気がします。

    面白くなりそうなシーンがたくさんあるのに、結局何もなかったことになって、すべて主人公である奈央の都合のいいようになっちゃったのが本当に残念。

    ・伸行がリストラ。そして離婚。シングルマザーになる?
    ・ミーナさんと南城編集長とドロ沼三角関係
    ・専属モデル同士と表紙モデル争い

    とか……

    幸せな家庭を持ち、モデル業も順調なんて、
    つまらないと思ってしまうのは私だけでしょうか!?

    それよりなにより、とにかくここで終わってはいけない!
    『ジョワイユ』まだできてないじゃないですか!
    『ヴァニティ』も微妙なまんまじゃないですか!!

    『ジョワイユ』とそして『ヴァニティ』の、火花飛び散る熾烈な売り上げ争いが見たかったのに……。文香もせっかく登場したのに。

    モデル業の理想と現実に失望し、「やってらんないわよ!!」とスタジオを飛び出す文香とか見たかった。文香は成功しなさそうなので。

    一応嫌な奴として舞子とかいう先輩モデルがでてきますけど、別に嫌味言って立ち去るだけなので特にダメージは与えていないかと。もっと衣装ビリビリにしたりとか、アクセサリー隠しちゃうとか(古いですかね?)撮影中にわざと映ってないところで足踏んづけるとか期待してたのになー。

    最初からうまくいかないのは当たり前だし、ウォーキングしてダイエットに励むなどの努力はモデルさんなら当然やっているはずだから、奈央の努力は特別な努力とは言えないし、中途半端に感じてしまうのは否めないですよね…。

    ある程度名が知られてきて、街中で「奈央さんですか?握手してください!」なんていうファン登場シーンなどがあってもよかったと思うのに。そのへんについては「時々声をかけられるようになった」くらいの描写しかありませんでした。

    読者の評判についても、編集長とかが「アンケートの順位がすごくよかった」っていうくらいで、イマイチ世間の反応みたいなものが分からない。だから奈央が『ヴァニティ』のどの辺の位置についたのか、よくわからないんですよ…。三番手って結構すごくないですか?なのにさらっと「三番手、四番手」って書かれていただけだし…。

    とにかくもっとモデルとしての自覚を持とうよ奈央!!
    あなたにはまだまだセシルが足りていないわ!セシル不足よ!!

    メイクのトモさんは、脳内吹き替えIKKOさんで読むとすんなり読めました。お好きな声色でお楽しみいただけるはずです。

    こんなにうるさいレビューになったのは、結局この『セシルのもくろみ』がものすごく面白かったからです。大ヒットでした。だからこそ、物足りなさを感じてしまったのかも……。

    普通の撮影のシーンで終わりは、ないですよ。
    奈央にまだ表紙は早いって意味なのかしら?

    これで終わりなんですかねえ。ぜひ続編が見たいです。
    『ジョワイユ』VS『ヴァニティ』!

    南城編集長とのことも、なかったことにしないでください。
    伸行にバレて修羅場になってください。

    ミーナさんは家庭がうまくいってなくて、普通の幸せを切ったのに奈央はまだぬるま湯に浸かっているつもりですか?『ジョワイユ』と戦わなければならないのに?表紙モデルを目指さなければならないのに?そろそろ本気のセシル見せてくれ!!!

  • 恐ろしきは水面下の女の戦い。

  • 本当、唯川さんは女の心理を書くの上手すぎ!!
    仲が良くても、仲が良いからこそ抱いてしまう感情。

  • 女の心理を見事に描いている。毎度ながら…
    女って、どんなに仲の良い人とでも、無意識のうちに張りあったり、比べたり、自分の持っていないものに嫉妬してしまったりする。自分にも心当たりがあったり、そうそうって思えちゃう心理描写にうなずきながら、納得しながら読んだ

  • 唯川さんてほんとに女を描くのが上手いな。そして丁寧。

  • 再読
    またまた読んでしまった。面白かった。
    主人公のセシル度は低いような気がするが。タイトルと内容が結びつかない。

    2016.1.28
    再読。
    何度読んでも面白い。

    2013.04.14購入・再読。
    2008年〜2010年 Storyに掲載。
    雑誌の内幕もののようで、40歳代対象のStoryを思い浮かべながら読んでいたらStoryで連載されていたのか。
    モデルの世界って、こんなにドロドロしているのかな。

    2012.05.19 
    面白かった。一気読み。
    平凡な主婦がファッション雑誌の読者モデルに合格し、変化していく話。
    どろどろした女の嫉妬話も唯川恵さんだとさらっと読める。

    タイトルの「セシル」とは、サガンの「悲しみはこんにちは」のセシルのこと。
    女にはみんなセシルが棲んでいるというのはそうだろうが、今回の主人公はやっぱり良い人だった。
    (図書館)

  • 同盟でドラマ化されたものの原作。
    なお、ドラマについては視聴なし。

    タワーマンションの一室。
    大手自動車メーカー勤務の夫と私立中学に通う息子。
    そして専業主婦の奈央。
    彼女がこの物語の主人公。
    彼女が友人の勧めで読者モデルになるところから全ては始まる。

    モデルの世界、雑誌の世界。
    それは購読者から離れすぎても近すぎてもいけない。
    幻想的な存在、それがモデル。
    そんな世界から抜け出たようなプロのモデルに比べれば、奈央は地味だ。
    普通すぎる。
    しかし彼女はモデルへと徐々に歩みを進めていく。

    雑誌につきものの苦悩、主婦であることへの迷い、仕事を持つ身の揺らぐ心などを丁寧に描いている。
    これはプライドの物語だ。

    華やかな世界は弱肉強食。
    自分を強く持たなければ残れない。
    そのプライド、負けん気は時には揶揄の対象、嫉妬の保脳の向かう先かもしれない。
    だが、プロであろうとするならばそれすら糧にできなければ。
    そうでなければ一流になどなれっこない。
    あまたいる「自称」にすぎない。

    本書は華やかな世界を舞台にしている。
    そうであるけれども、地味な普段の生活に取り入れられることも見つけられる。
    「仕事」は心意気。
    「自分のため」に一生懸命やることが「誰かのため」になれるならこれほどのやりがいがどこにあろう。
    ここでの「仕事」とは生活全てのこと。
    『あしたのジョー』の歌の一節を借りよう。

    明日は、どっちだ。

  • 唯川さんの作品は本当にディティールが丁寧で、とにかくリアル。

    「専業主婦組と、共働き組と、独身組」のくだりは、台詞がとてもリアルだったし、「若い頃は、男性の目にどう映るか、が「綺麗」の基準であったのに対して、三十代後半の女にとっては、同世代の女性の目のほうが気になる」のくだりも、まさに!とうなづいてしまった。

    ただ、タイトルの「セシル」感、「目論見」の要素がそこまで強くなかったのがやや物足りなかった。

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