神津恭介、犯罪の蔭に女あり: 神津恭介傑作セレクション2 (光文社文庫 た 4-45 神津恭介傑作セレクション 2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765682

感想・レビュー・書評

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  • 傑作セレクション第2弾。
    タイトル通りどれも謎に満ちた女たちが登場しますが、それほど女が強調された話でもないものもあり、このタイトルの括りでの一冊としては少々物足りない。
    そして全体的に複雑な構成のお話が多かった気がします。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










    【死美人劇場】風で飛んできたストリップ劇場のポスターがイケメン神津の顔に貼りつく冒頭がちょっと笑える。
    被害者の誤認、アリバイトリック、想定外の事故、狙われた男女が逆に罠を仕掛けるなど捻りがありましたが、強烈な登場人物たちも加わってよく分からないままバタバタと終ってしまった感。
    神津の思惑にはびっくりしました。

    【嘘つき娘】つい嘘をついてしまうという娘の証言の信憑性をめぐるサスペンス色の強い一編です。名乗り出ない謎の男、片方の手袋、脱ぎ捨てられたオーバーなど、現場の状況からの推理には納得。
    ただ、背中を刺された死体が、結局自分でも出来るよ、と他殺をあっさり否定したのにはちょっとがっかり。
    狂気じみた女の妄想と現実の境の危うさがおもしろい一編でした。

    【青髭の妻】狂気の女はまさにこの短編集に相応しい人物でした。その最後も劇的で良いです。
    それにしてもいろいろな事が起こるのでてんやわんや。最後の解決場面の演劇などいちいち考え込んでしまいました。ちょっと早足なんじゃ。

    【女の手】飲んだくれていた松下くんの前に現れた謎の女性。そして腕のない女の死体の発見。
    腕を切り取られた理由、更には腕を切り取ったにも関わらず神津の手にまんまと乗ってしまう犯罪者の心理というのがおもしろいです。
    犯人が全く分からない状況で、女掏摸士の殺害から容疑者を絞り出したのは流石。
    神津さんが体張っていて楽しく、松下君のだめだめっぷりが可愛い。

    【ヴィナスの棺】亡霊から自分の遺体を探してほしいと依頼される不思議な冒頭。怪しいホラーっぽい展開。
    遺体の隠し場所と宝石の行方の謎がメインになっていますがこれは分かりやすい。しかしラストの発見場面はインパクトがあり楽しいです。

    【血塗られた薔薇】登場人物が多いですね。しかも真相がわかってからだと更に混乱します。
    犯人の動機や行動がすごくグッとくるんですが、短編だからかそのへんがさらっとしてたのがちょっと寂しい。
    しかしこの話の松下くんはひどい。酔っぱらってるだけだった。
    ラストの神津さんは素敵なのですが、彼女がいつの間に二人にとってそんな大きな存在に?

  • 神津恭介登場作品のなかでも、女性にまつわる事件をセレクトした短篇集。トリックよりも男女関係の綾に主眼が置かれている印象。

    収録作品は以下の六作
    ・「死美人劇場」
    ・「嘘つき娘」
    ・「青髯の妻」
    ・「女の手」
    ・「ヴィナスの棺」
    ・「血ぬられた薔薇」

  • (kindle unlimited利用)
    いろいろ手を変え品を変えというのがうかがわれる。高木彬光の神津恭介ものもそろそろもういいかな。

  • 6編が収められた短編集。

    題名の如く、どのお話にも必ず女性が現れますが
    殺されたり犯人だったり様々。

  • 神津恭介シリーズ。女性がらみの短編集ですがどれも読んただことがなかったので大いに楽しめた。個人的には青髭の妻がお気に入り。
    この作者の作品はとても読みやすいので気に入っています

  • 神津さんは、戦争直後から平成まで幅広く登場するので、読んでるお話がいつの時代なのか考えないといけなくて、一瞬戸惑う。
    表紙は…格好いいけど、神津さんぽくない感じがする。

  •  
    ── 高木 彬光《犯罪の蔭に女あり 20130514 光文社文庫》
     神津 恭介傑作セレクション2
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4334765688
     
     裏は花色もめん ~ わけあり女の筋なし魔雀 ~
     
    ♀□□ A子 女子大生 1996‥‥ ‥‥ /20180419(22)私立名門校
    ♀□□ B子 女性記者 198,‥‥ ‥‥ /20180410(3.)テレビ朝日
    ♀□□ C子 伊藤詩織 1989‥‥ ‥‥ /20171018(3.)#MeToo
    ── 伊藤 詩織《Black Box 20171018 文藝春秋》
    http://twilog.org/awalibrary/search?word=Me%20Too&ao=a
     
    (20180419)
     

  • 【死美人劇場】【嘘つき娘】【青髯の妻】【女の手】【ヴィナスの棺】【血ぬられた薔薇】収録。

    神津恭介作品の中から女性絡みの事件が六作収録されています。
    絶版で入手困難だった作品が読めるのは嬉しいのですが、「傑作セレクション」と謳っている割には仰天するような展開やトリックがなく平凡な印象。
    ただ、どれも通俗的な作品なので、万人がそれなりに楽しめるのではないかと思います。

  • 終戦直後の風俗が伝わってくる、そんな中身である。

  • 女が絡む事件たち。カッコいい探偵はどう料理するのか??

    やっぱりテンポが重い気がする。

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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