嫌な女 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 248
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765767

感想・レビュー・書評

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  • 桂望実さんの本は初めて読みました。
    【嫌な女】という、何とも興味をそそるタイトル~(笑)

    小谷夏子は生来の詐欺師。
    絶世の美女というわけではないのに、人を惹きつけてやまぬ魅力がある。
    そんな彼女の遠縁にあたる石田徹子。
    夏子と徹子は同い年。
    弁護士になったばかりの徹子24歳の時、17年ぶりに夏子から「助けてほしい」との依頼が舞い込む。
    何とか問題を解決した徹子。
    その5年後再び、夏子から連絡。
    そんなことを繰り返すうち、二人は71歳に。

    物語は徹子の口から語られるだけ。
    徹子から見た夏子だけが登場する。
    徹子のダメっぷりにほんと「嫌な女」だと思いつつ読み進めた前半。
    夏子の問題を解決する徹子にも、色々なことが起こり…
    後半はどんどん徹子に感情移入していく。
    どんどん面白さが増して、後半は一気読みでした。

    桂望実さんの本、もっと読んでみたい!

  • 評価は5.


    内容(BOOKデーターベース)
    初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが…。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。

    弁護士徹子の20代~70代までの人生を主に遠縁夏子との腐れ縁を中心に描いた作品。
    この夏子!人間性は徹子を通じてしか描かれないが、とことんまで嫌な女ある(笑)
    逆に徹子を囲む周囲の人たちは、互いに多くを語らず思いやり続ける良い人ばかりで・・・。
    みゆきさんの言葉には思わず落涙。

  • *生来の詐欺師・夏子は男をその気にさせる天才。口癖は「これで終わるような女じゃない」。 がむしゃらに勉強だけをして弁護士となった徹子は、いつも虚しさを感じている。同い年で遠戚、たびたび夏子のトラブルの始末をさせられる徹子。したたかな女と不器用な女が向き合い嚙み締める人生を描く、桂望実、2年ぶりの長編! *
    これは、色々な意味で読み応えたっぷりな一冊。夏子と徹子の長い人生を一緒になって生きたような・・・どっぷりと嵌りながら読み終えた。誰でもその一面だけではなく、時には短所も長所になる。題名とは裏腹に「嫌な女」で終わらない爽快さ。脇を固める人々も魅力的で、後半は滂沱の涙。またいつか、しみじみとじっくり読み返してみたい。

  • 物語の進行とともに、徹子さんと夏子さんが成長していっているかんじで、なんだか爽やかな気持ちに。

  • 民事弁護士の徹子さん。
    彼女を評して「侍」と、後輩は言う。
    そんな感じの女性。

    相対する「嫌な女」(いや、と言うより「やなおんな」と、読んでしまう。)
    天然の詐欺師夏子さん。

    やな女と言うより、困った女…という感じでしょうか。
    まぁ、近くに居たら実際本気で嫌な女ですが。

    とてもロングスパンな、夏子嬢の生き様が描かれて
    「イヤー、コレは嫌だわー。」と、思いながら読んでしまう。
    一体どうなってしまうのかと。徹子さんお願いします。

    女詐欺師のお話は多い。好きじゃないのに読んでます。
    幽霊話よりはリアルに「こわいなー」と、思えるからでしょうか。
    ははは

  • 1年近く前に買ったものの読まずにいたら、なんと映画になるとか?それも黒木瞳が監督!びっくり!
    タイトル通り、ホントに「嫌な女」の話。だけどその夏子が登場することはなく、もう一人の主人公、徹子を通して描写されている。「桐島、部活やめるってよ」みたいに、主人公でありながら登場しないパターン。そしてなにこの嫌な女の話がずっと続くのは・・・と思っていたけれど、途中から徹子の大河ドラマみたいな人生物語として読めるようになっていく。不思議なお話し。こうなると、映画も気になる。

  • NHK-BSのドラマになった時から少し気になっていたのだけれど、ここに来て手にする。映画化に合わせて吉田羊と木村佳乃が表紙のカバーになってしまい、手にしてレジに行くのがためらわれたが、仕方がない。
    弁護士の徹子と、その遠い親戚の夏子。
    男好きがして男を手玉に取る術に長ける夏子が何年かおきにトラブルを発生し、その都度、夏子がお尻を拭くことになる。
    24歳から71歳まで描かれる長い年月の流れの中で、二人の女性の変わらない本質と変わっていく生き様がつぶさに描かれる。
    自由奔放に年老いてまで可愛い女として生き続ける夏子と人生に虚しさを抱えながらも弁護士としてのキャリアを積んでいく徹子。
    後半は、特に、夏子が何をしでかしたかということよりも、そこに巻き込まれた人々と徹子とのやり取りを通じ、泣き笑いが出るような達観が示される。

    生きるということについて、、、
    “多くの人が満ち足りない想いを抱えているって、知らなかったのよ”
    “自分で気付くしかないのだ。願った通りの人生を送れていなくても、うまくいかないことが多くても、その現実と上手く折り合いをつけていくしかないということは”
    “受け入れるのは、悪いことではないのかも”
    “丸ごと受け止めておしまいなさい。気に入らないことも、哀しいことも。そうすれば、きっと生き易くなるわよ”
    “「幸せか」と尋ねられて、「そう言えば、そうだ」と気付くくらいがちょうどいいようだった”
    “苦しくても、虚しくても、明日を迎えて生きる。そういうもんなんだとわかったら、呼吸をするのが楽になったの”

    老いるということについて、、、
    “もう充分生きたって思える人なんて、いないの”
    “私もちゃんと人生の閉じ方とやらを考えなくてはいけない年齢だ。どうやって閉じたらいいのだろう。したいことが浮かばず、私は愕然とする。”
    “ずっと変わらずにいることは、出来ませんよね。そうわかっていても、願ってしまいますね”

    仕事についても、、、
    “弁護士の仕事って、やりがいを求めてはいけない領域のものだと思ってる。…感謝されることを目的にしてはいけないし、期待してはいけないと思ってる。ただ、ベストを尽くすだけ”

    人生における楽しかったランキングというのを考える時、私には何が楽しかったのだろう?
    妻のこと、子供のこと、親兄弟のこと、仕事のこと、趣味のこと、小さかった頃のこと、学生時代のこと、会社に入ってからのこと、、、何を楽しみに今まで生きてきたのだろうと、今更ながらに戸惑ってしまう。
    宝くじで100万円当たったら、何に使うだろう。今時100万円では夢も語れないように思うけど、だったら幾らなら夢が語れるのか?
    つまらない人生、平凡な人生、だけどもかけがえのない人生…。
    生きること、働くことに対する悶々とした思いに対し、確かな励ましを伝えてくれる物語であった。

  • なんだか、すべての人の人生を肯定してくれるよな物語でした。

  • タイトルの「嫌な女」=夏子が主役ではなくて、遠い親戚の徹子さんや徹子さんを通しての夏子さん。
    徹子さんが新米弁護士のところから、セミリタイアするころまでのお話。

    章が変わるたび、シチュエーションが変わるので、最初、戸惑いました。
    そのうち、今度は何をしでかしたんだろう?と
    夏子さん、嫌な女だけれど、憎めない、次第に応援(?)のようになっていたり。

    最後の方は、徹子さんメインになってきました。
    みゆきさんの遺言状のところではちょっとウルッと。

  • 嫌な女ってタイトルだけど、嫌な女ってだけじゃなかった〜。いい話だった〜(*^^*)

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著者プロフィール

作家

「2016年 『手の中の天秤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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