嫌な女 (光文社文庫 か 55-1)

著者 :
  • 光文社
3.57
  • (119)
  • (241)
  • (229)
  • (57)
  • (20)
本棚登録 : 1975
感想 : 281
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765767

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主人公が弁護士としてスタートしてから晩年までの50年弱の期間を描いた物語です。

    人生って長いようであっというま、だけど確実に変化しながら歳を重ねていくんだなあ~と実感した作品でした。
    おもしろかったです!

  • 真逆な2人が笑えた。
    夏子の自由なところが嫌いじゃない。
    実際どれだけ自由奔放に生きてる人がいるのか。
    100%なりたいとまでは思わないが、羨ましく思う部分があるのと、周りにいたらちょっと迷惑かなと思う天邪鬼。

    映画を先に見たせいか、もうすでに徹子が吉田羊さん 夏子が木村佳乃さんのまま読んでいた。

  • 弁護士の石田徹子と遠戚で生来の詐欺師小谷夏子の若い頃からおばあちゃんになるまでの話
    小谷夏子は色々な手口でお金を騙し取るプロのような女。
    騙した相手から文句を言われる、また訴えられそうになったら遠戚である石田徹子のところに困ってるから助けてくれと連絡が入る。
    そんな夏子に徹子は呆れ果てるもなぜかほっとけなくて被害者と会って話をし解決していく。
    徹子が夏子からの被害者とどう解決していくかというのが主な話の流れですが、もう一人の主人公、小谷夏子が表に全く出てこない。
    徹子が依頼を受けて夏子と会ってこんな事を言っていたという話だけで読者に小谷夏子という詐欺師の人物像を浮かび上げさせる。
    こういう含みがあり読者に人物像を想像させる作風大好きです。

    徹子と夏子の問題の他に徹子が勤めている「萩原弁護士事務所」での人間関係も書かれていて、代表の萩原、徹子、事務のみゆき、途中から入社した磯崎の関係がいい感じでこういう所で働けたら毎日充実するだろうなぁと思います。
    歳をとって事務のみゆきが亡くなった箇所なんかは泣けてきました。

    桂望美さんの小説は初。
    本屋で表紙のイラストの綺麗さに惹かれて購入し暫く積読状態だったが読んでみて話が突拍子も無い方に飛ぶこともなく読みやすかった。面白かったです。

  • 弁護士の徹子は、数年おきに遠縁の夏子から依頼を受ける。関係者に話を聞くうちに浮かび上がるのは、夏子の長所と短所。

    最初は退屈な小説だと感じたが、どんどん夏子に惹きつけられていき、しまいには「次、夏子は何をやらかすのだろう」と気になってしまう。

  • 長い。長すぎる。読むのがダルい。面白そうなタイトルと内容だったのになあ。主人公が文房具好きなのはいいけど、文房具の機能とかいちいち書かなきゃいけないのかな。宣伝も兼ねてるのかな。そういう本筋と関係ないだらだらしたまとまりのない描写が延々と続く。読者はなにを読まされてるの?中だるみどころじゃないんですけど。正直もう読むのが苦痛だった。途中で飽きた。結局何を言いたい話なのかわからない。良いこと言おうとしてる文章が多すぎて、結局なにも印象に残らない。夏子がどういう女かも、本人が出てこないから実態がつかめなくてフワフワしたまま。主要人物のことをあまり書かないという狙った描写はありますけど、この作品では逆効果なように思えてしまう。もう本当に腹立ってるんでこんな感想でごめんなさい。

  • 詐欺師の女、夏子がピンチのときに、その遠縁の弁護士である徹子がしぶしぶながら助ける、という事を繰り返す物語でした。

    20代の頃から数年に一度、トラブルに巻き込まれた時だけ徹子を頼り、自分勝手な持論をまくし立てながら犯罪行為を正統化し、解決後は金も払わず消息を絶つ、ということを永遠繰り返す夏子。
    それなのに彼女は人に夢を与える天才、だとかなんとか言って、後半夏子の良さを認める徹子の気持ちには全く共感出来ず、私は最後までイライラが止まりませんでした。
    最後70代になっても詐欺行為を続けているので、野垂れ死んでしまえ!としか思えなかったよ。

    ただ、弁護士の徹子の方は、心に虚無感を抱えたまま淡々と人生を歩み、でも最後はしっかりと自分の生き方を見つけることができ、その描き方はよかったなと思えました。

    などと言いながらも全体としては、20代から70代まで単調なエピソードの繰り返しで、文章も下手だしイマイチでしたー

  • 学生時代の友人がこんなだった。さすがに詐欺はしないけど…毎回男の子との交際で問題が起きて、周りを巻き込んで引っ掻き回すくせに、いきなり飽きて別れるっていう。
    近づきすぎると大変で憎たらしいけど、今思い出しても笑ってしまうこととか、また会いたいなって思ったりするってことは、やっぱりその人が好きってことなのか。

  • かなり長い時間軸の物語だが、あまりそれぞれの時代の風俗等を積極的に取り込んでいないせいか、時間の流れはあまり実感しなかった。
    「もし宝くじで百万円当たったら何をする?」
    「これまでの人生で嬉しかったことランキングは?」
    この2つの質問は、確かに幸せの鍵かもしれない。
    話を聴き出すコツ。「その人に腹を立てたことは?」「その人について、あれっと思ったことは?」

  • 面白かったー。
    とくに最後は感動的。
    私も人生の大きな選択を、「本当によかったんだろうか」と思い悩んでいる真っ最中だったから、いろいろと心に沁みた。

    夏子さんは近寄りたくないタイプだけどね。
    徹子先生、カッコイイ!!

  • じんわりほっこりさせられた。こんな職場で働けたら幸せやろな

全281件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桂望実の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×