長い廊下がある家 (光文社文庫 あ 42-4)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765910

感想・レビュー・書評

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  • 今回も短編集。
    読みやすくて、短くても面白い小説で嬉しい。

    今回は特に雪と金婚式が素敵だった。
    殺人事件ではあるけれども、ご夫婦の人柄が好き。

    それとは真逆に、ロジカル・デスゲームは緊迫感があった…!
    完全に運頼みのゲームだと思っていたけれども、さすが火村先生、追い込まれても論理的ですごい。
    推理小説とはちょっと趣が違うけど、これも面白かった。

  • 火村シリーズの短編4編収録。本格3編とロジカル1編。
    うーん、相変わらずスマートな作風なんだけど、本格モノではそのスマートさが短編だと物足りない。予想の範疇を大きく外れない、どんでん返しを期待出来ないというか。
    それでもそこまで不満に感じないのは作者の力量なんだろうけど。

    この作者、本格派って言われてるけど、ロジカルな路線を全面に押し出してもイケると思う。
    火村とアリスのコンビを気軽に楽しみたい人向けかな。

  • 「有栖川有栖」の短篇ミステリ小説集『長い廊下がある家』を読みました。
    「有栖川有栖」の作品が続いていますね。

    -----story-------------
    悪意ある者の奸計に、「火村英生」の怜悧な頭脳が挑む。
    読書に知的興奮を。
    切れ味抜群の本格ミステリ傑作集。

    限界集落を調べていた学生が、山奥の廃村に辿り着いた。
    そこで彼は「幽霊の出る家」を取材する三人の男女と出会う。
    地下に別の家と繋がるトンネル状の長い廊下が。
    中央には扉があり、その西側で死体が発見された。
    容疑がかかる三人は、犯行時刻、東側の家にいて、鍵のかかった西側には行けない。
    臨床犯罪学者「火村英生」がトリックを華麗に暴く!
    表題作ほか全4編。
    -----------------------

    探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの短篇4作品を収録… 2009年(平成21年)から2010年(平成22年)に発表された作品です。

     ■長い廊下がある家
     ■雪と金婚式
     ■天空の眼
     ■ロジカル・デスゲーム
     ■あとがき
     ■解説 杉江松恋


    イチバン面白かったのは表題作の『長い廊下がある家』でしたね… 山奥の廃村に残る、幽霊が出る家の地下廊下で発生した殺人事件、、、

    同じカタチをした東西の2軒の館を結ぶ長い長い地下、閂で閉ざされた扉、限られた容疑者… 密室トリックとアリバイトリックを疑う推理、思い違い、錯誤、巧みな言い逃れ 等々、ミステリの愉しみが詰まった作品でした。

    老夫婦が金婚式を迎えた夜の、殺害時刻を絞り込む要因だった雪がやんだ時間の謎を解く『雪と金婚式』は、ほのぼのとした感じがして安心して読めるミステリでした。

    『天空の眼』は、珍しく「有栖川有栖(アリス)」が事件の謎を解いてしまいますが、少し物足りない感じ。

    『ロジカル・デスゲーム』は、ちょっと毛色の違う作品で、「火村英生」が犯人に騙されて命を懸けたゲームに誘い込まれます… 緊迫感がありますが、ミステリとしては少し物足りない感じでした。


    短篇も嫌いじゃないですが… やはり、じっくり読める長篇の方が愉しめますね。

  • 88

  • 正統派から変わり種までミステリを楽しめる作品。有栖が活躍する天空の眼、火村が奮闘するロジカルデスゲームが特に良かった。

  • シリーズ物だと知らず途中から手を出してしまったことに対しては正直負い目がある。
    定石に習って1作目から読んでいればまた違う印象を受けてのかもしれない……。

    基本的に話は被害者の関係者のモノローグから始まり、彼らが抱える問題や関係について描写される。
    事件が起きれば視点が変わり、ミステリー作家?の有栖川視点へと切り替わる。

    トリック自体はどれも意外性があまり無かったために、練りこまれてはいるが盛り上がる程では無かった。
    有栖川の少しお調子者な性格と、堅物的な警部との対比や掛け合いは面白かった。

  • 火村英生シリーズ20作目。短編集。
    ▼「ロジカル・デスゲーム」
    自殺サイトに出入りし、命をかけたゲームの相手を求めていた犯人は、かつて火村の講義を聴講していたモグリの学生だった。
    彼は連続して行っていたゲームが発覚しそうになり、最後の相手として火村を選んだのだ。
    逮捕される前に、自分か火村か、どちらかが死に至るゲームを仕掛けようとする。
    用意されたグラスは3個。
    どれにも同量のジュースが入っている。
    その中のひとつに一人分の致死量の毒を混入する。
    火村に選ばせ、残りのふたつのグラスのうち、毒の入っていないほうを犯人が飲む。
    残ったグラスは毒の入ったグラスと毒の入っていないグラスのふたつ。
    火村には選択のチャンスがもう1回与えられ最初に選んだままでも変更してもいい・・・二人で同時に飲み干す。
    このゲームに勝利法はあるのか。
    火村は助かるためにあることをする。
    冷静に観察し、瞬時に決断し、そして心の内を読まれないように対応する。
    火村の性格がとてもよく出ている物語だった。

  • ミステリーが大好きなわりに、
    初めて、有栖川有栖作品を読みました。

    思いのほか面白かった!

    短編なので読みやすい読みやすい!

    さらーっと2時間程で読み終えられたので
    東京のカフェでひと休みしながら
    頭の中は京都へ移動でき気分転換には最高です。

    読みやすさから来るテンポの良さで推理も捗り、楽しめました。
    収録作品最後の
    ロジカル・デスゲームに関しては
    確率論にハマり、なかなか納得出来ずに
    火村英生先生に感服いたしました。

  • 火村アリスシリーズ短編集。
    いつも通り楽しく・・・という、それこそいつも通りの感想。
    あとがきに書いてある通り、たしかに後半2作の「天空の眼」「ロジカル・デスゲーム」はちょっといつもと趣が違うので「いつも通り」って書いちゃうのも作者さんに失礼かもしれませんが。
    しかし、ロジカルデスゲームの最後の確率の話。知ってはいましたが、何度聞いてもいまいちピンとこない。もう「まあそういうことなんだろう」くらいに思考停止して楽しみましたw

  • ここのところ長編ばかり相次いだので短編もたまにはよいかと思って読んでみた。金婚式の話がなかなか好きだった。
    ロジカル・デスゲームはシャーロックの某エピソードと展開が似てて、カーラジオのニュースがあった時点で展開が読めてしまったのが残念。でもそうか、こういう切り抜け方ができるのか(某エピソードでは無理だけど)。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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