サクラ咲く (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767044

感想・レビュー・書評

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  • 桜の季節は既に終わり、街路樹は新緑に彩られ花水木の花も盛りです。学生の皆さんは新しい生活にも慣れたでしょうか。

    若美谷中学、高校を舞台にくりひろげられる、三つのストーリー。それぞれ、少しづつ登場人物の関係が絡んでいます。表題作品”サクラ咲く”では、自分を強く主張することのできない塚原マチが、図書館の本にそっとはさまれたメッセージを偶然見つけるところから始まりす。

    ”サクラチル” マチの読もうとする本に次々と見つかるメッセージを残す人物は誰なのか。なぞを追いかけながら、自分自身を次第に主張していくマチの変化、揺れ動く気持ちが伝わります。エンドは”よろこびの歌”のような・・・

    ”世界で一番美しい宝石”で描かれた、”図書館の君”立花亜麻里も、映画同好会の武宮一平も、平凡でも非凡でもいい、自分の位置を確かめたい想いが、切なく、静かだが強く表現されています。
    「学校は誰のものだ。俺たち皆のものだ」

    10代の頃、自分を壊してしまうほどの激しい不安が我々にもありました。内面が剥き出しになり、回りとの関係に大きな痛みもたくさん経験しましたね。
    若い、清々しい春風のような小説でした。

  • 『約束の場所、約束の時間』中学生の時に交わした未来から来た友達との約束とは…。
    『サクラ、咲く』ある日、中学生のマチは本に挟まれた1行の手紙を見つける。マチも手紙を書いて本に挟み、見知らぬ誰かと文通を始める。いつしかふたりは悩みを相談し合うようになり…。文通の相手は誰?
    『世界で一番美しい宝石』目立たない高校生男子が映画同好会を映画部にする為に大奮闘。図書館の君は振り向いてくれるのか。
    すべての作品が少しずつ繋がっていて最後を読んだらまた最初を読んでホッとしたくなる辻村深月さんらしい素敵な傑作集。本が好き、図書館が好き!そんな気持ちがビシバシ伝わってくる作品。

    「サクラ、咲く」いい言葉。たくさんの人に届くといいな。この季節に読めてよかった。もうすぐ桜も満開かな。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      いつも思っていたけど、その季節ごとにあわせた読書、素敵だね~!

      私も、その季節に一冊は読んでみようか...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      いつも思っていたけど、その季節ごとにあわせた読書、素敵だね~!

      私も、その季節に一冊は読んでみようかなぁ。

      桜、楽しみに、楽しみに待って、
      咲いた~~と思ったら、
      あっという間に散ってしまうよね。
      でも、その儚い潔さがいいよね。
      2016/03/31
    • けいたんさん
      うさちゃん♪

      いつもコメントありがとう(*^^*)♪
      その季節に読むのって面白いよ。
      外の景色を見てにんまりしたり、ボーっとしたり...
      うさちゃん♪

      いつもコメントありがとう(*^^*)♪
      その季節に読むのって面白いよ。
      外の景色を見てにんまりしたり、ボーっとしたりね(笑)

      今は、葉桜を読んでいるよ。
      読み終わる頃にはきっとちょうど葉桜だわ(〃∀〃)ゞ

      桜って本当に一瞬よね。
      だからこそ、あんなに美しくて、みんなを夢中にさせるんだろうね。
      2016/04/01
    • kyocooさん
      けいたんさん、わたしもちょうど今日読み終わりました♩この時期に読めたことに感謝!私も時期にあった本を読むのが好きです(⍢) いい本だったなー...
      けいたんさん、わたしもちょうど今日読み終わりました♩この時期に読めたことに感謝!私も時期にあった本を読むのが好きです(⍢) いい本だったなー!
      2016/04/12
  • 辻村深月さんとの出会いは【本日は大安なり】でした。
    2冊目に読んだのが【ツナグ】
    この本が、”直球ど真ん中ストライク”で!!
    一気に辻村さんのファンになったわけです。
    それからは辻村さんの本を見つけたら読んでみる!をモットーにやってきました(笑)
    が、辻村さんの本、幅広~っくて!
    正直、好みではないものもあったりするわけで…
    が、この【サクラ咲く】は【ツナグ】と同じ匂いのする本で、まさに私の"直球ど真ん中ストライク"です。

    実はこの本、若い読者、それも10代に向けて書かれた本なのです。
    「約束の場所、約束の時間」・「サクラ咲く」・「世界で一番美しい宝石」の3章からなっていますが、「約束の…」と「サクラ咲く」は進研ゼミの中一講座と中二講座が初出ですから~。

    10代なんて遥か彼方ですが、こういう本、大好きです!!
    若美谷中学と若美谷高校が舞台。
    登場人物が微妙に関係していて…
    ラストの展開に胸をわしづかみにされ!
    「えっ!!!」って本当に声に出してしまいましたから。
    う~~~ん、いい本に出会えました。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      「ツナグ」大好きです♪
      このazu-azumyさんの感想を読んだらもうたまりません(*^^*)♪
      購入決...
      こんばんは(^-^)/

      「ツナグ」大好きです♪
      このazu-azumyさんの感想を読んだらもうたまりません(*^^*)♪
      購入決定です!
      もう直ぐ桜の季節だしとてもいい時期に読めることに感謝します。
      ありがとうございます♪
      2016/03/14
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまって…
      ごめんなさいね~!

      けい...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます。
      お返事がすっかり遅くなってしまって…
      ごめんなさいね~!

      けいたんさんも「ツナグ」のファンなんですね!
      では、ぜひぜひ~
      学生時代に戻って、ちょっと胸キュンです(^^♪
      2016/03/18
  • 中編3編からなる物語。

    舞台は同じ名前を持つ、中学と高校。
    3作目だけ時代がちょっと離れています。

    元は、中学生向けの進研ゼミなどで連載されていた、
    ヤングアダルト向けの物語になるのかな。

    思春期の“脆さ”を上手く捉えていると、そう思います。
    そして、辻村さんならではの“SF(すこしふしぎ)”要素も。

    個人的には2つめの「サクラ咲く」が好みです。
    学校図書館を舞台にしたちょっとしたミステリーです。

    不登校の問題も絡み、瑞々しい初恋も絡みと、
    『耳をすませば』とも相通じるところがあって、ふむふむと。

    図書カード、最近の学校図書館ではどうなのでしょう。
    いつの日にか、司書教諭としても見てみたいですね、なんて。

  • 通勤中のモノレールの中で読ませて頂いたのですが、思わず涙ぐんでしまって少し焦りました。

    リレーの結末と、告げ口の真実、それに加えて自作絵本の結末が予想通りだった点は残念でした。
    その分評価にて1つ引かせて頂きました。

    一つ一つが大切な学生時代を描いた作品です。
    全部で3つの物語が有るのですが、全てが魅力的です。
    個人的に大好きなのは2つ目の「サクラ咲く」です。
    文中のマチの「見ててくれるよ。」っていう想いは何よりも心に響きました。

    それから、3つ目の「世界で一番美しい宝石」で恐らく朋彦が言ったであろう「きっと、無駄にはならないよ。」にもうるっとくるものがありました。
    新聞部部長のように黒い部分も、きっと自分は持っているけど。
    少しずつで良いから、人の事を考えられるようになりたいです。

    何はともあれ、素敵な1冊でした。

  • 読み終わってもしばらく心があったかい…。今日は他の本にはもう手は出したくない気分。

    親友との約束を大事にする朋彦。
    そばで見守る美晴。
    自分を変えたいと実際変わっていくマチ。
    マチを慕う友人たち。奏人の存在。
    目立たない自分たちも何かを残そうとする高校生たち。それを見守る大人たち。

    一つ一つが心に残りつつも、ラストは全てが繋がっていく、辻村さんらしい構成!

    中学生や高校生をもう一度、やってみたいなぁ。そしたらやりたいことだらけで時間が足りないだろうなぁ…!

    娘が小学生になったこの春にこの本を読めたこと。必然だった気がします。

    • kyocooさん
      コメントありがとうございます♩
      どこに返信するのがわかりやすいんだろう…?といまいちこの機能を使いこなせていない私です^^; 直接はコメン...
      コメントありがとうございます♩
      どこに返信するのがわかりやすいんだろう…?といまいちこの機能を使いこなせていない私です^^; 直接はコメントできないんですもんね!
      ツナグ、読みましたよ!こちらも大好きです。辻村さんにハマったきっかけになった本です◡̈
      64を読んでらっしゃるんですね!我が家の本棚で、出番を待ってる本です!
      2016/04/14
    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      「ツナグ」やはり読んでいるのですね〜♪
      凄くよかったですよね。
      映画は見ましたか?物凄く原作に忠実でよか...
      こんばんは(^-^)/

      「ツナグ」やはり読んでいるのですね〜♪
      凄くよかったですよね。
      映画は見ましたか?物凄く原作に忠実でよかったです。
      実写化はガッカリすることが多いのですが、これは映画も同じくらい素敵でした(⁎˃ᴗ˂⁎)
      松坂桃李くんが好きだから少しひいき目かもしれませんが(*≧艸≦)
      「ツナグ」は続編が出るそうですよ!
      また一緒に読めるといいですね〜♪

      「64」はこの世界とは全然違ってバリバリ男社会です。
      ちょっと苦手です(^_^;)
      2016/04/15
    • kyocooさん
      こんばんわ!
      「ツナグ」の映画、なるほど!松坂桃李くんなんですね♡ 見てみます!
      そして続編! どうなるんだろう??
      ちょっと記憶が薄...
      こんばんわ!
      「ツナグ」の映画、なるほど!松坂桃李くんなんですね♡ 見てみます!
      そして続編! どうなるんだろう??
      ちょっと記憶が薄くなってるので、読み返したい気分です。その時はまた感想教えてください!

      64、何となく想像できます^^;
      横山秀夫さんのクライマーズハイは読みました?わたしは原作も映画も引き込まれました…
      映画では若き日の堺雅人さんが初々しいです。
      2016/04/16
  • 4月。
    別れの3月を経て、出会いの季節。
    あなたにとって、この四月はどんな四月だろうか?
    時に辛いことも悲しいこともあるだろう。
    思い描いた通りにならない自分に、もどかしさを覚えることもあるだろう。
    しかし、それはいつか必ず芽吹く。
    いつまで頑張ればいいんだ、なんで自分ばかり、そんなことを思うこともあるだろう。
    しかし、花は咲く。
    思いもかけないような場所に、花は咲く。

    『約束の場所、約束の時間』
    若美谷中学校、二年三組に彼はやってきた。
    体の弱い悠。そんな彼には秘密があった。
    その秘密を知った朋彦と美晴は悠との友情を深めていく。
    朋彦と美晴の言葉に希望を感じる。
    「未来って、そんなに簡単に変えられるの?」
    「やってみなきゃわからない」

    『サクラ咲く』(表題作)
    図書室で見つけた「サクラチル」というメモ。
    その差出人は一体誰?
    自己主張ができないことに悩んでいたマチ。
    このメモをきっかけに彼女は変わっていく。

    人は誰にも他人からは見えない場所がある。
    逆に他人からは良く見えているのに、自分では気づかないこともある。
    そして、自分では全く進歩していないように見えても、実は一つの山に登っている。
    「見ててくれる人は、必ず、どこかにいる。」
    嘘じゃない。
    実は私も先日上司に言われたばかりなのだ。

    『世界で一番美しい宝石』
    本を読むのは地味な趣味だ。
    応援団がいたり、協力しあったり、大勢で喜びを分かち合うものではない。
    そう言った意味では実に地味な趣味だ。
    だが、それが他のものに劣っているということは決してない。
    笑ったり、涙を流したり、本の世界がどれだけ深くどれほど広いことか!
    本作では著者の本への愛が感じられる。

    何が自分にとっての「宝石」なのか、答えはそれぞれの心の中にある。

    本書に収められた物語は実は繋がっている。
    悩み、苦しむ。
    そうすることで著者が伝えようとしたものは、きっと、こうだ。
    あなたの人生に、「サクラサク」。

  • 3つの短編。
    登場人物が若くてピュアすぎて恥ずかしくなるような感覚で読み進めたけれど、最後の『世界で一番美しい宝石』ではちょっと感動した。
    学校は、みんなのものなんかじゃない。成績が良かったり、スポーツができたり、面白くて人気者だったりする者たちの青春の場であり、地味で友達もいない一部の人間の精神世界がどんなに充実していても、そんな彼ら(自分)の居場所にはならない、と考える一平。
    そうだった、若い頃って、劣等感とか、受け入れてもらえない辛さをビンビン感じて、さらっと流すことなんてできなかった。
    そして思いがけず1話目の『約束の場所、約束の時間』からリンクしていたエピソードにうるっとさせられた。

  • 迷いながら、悩みながら、少しずつ成長する中学生たち。みずみずしくて、懐かしくて、甘酸っぱく、苦しい。
    私にも、こんな時代があったのだ。

    辻村深月の短編集。三編すべてが同じ中学校を舞台に少しずつ繋がっている。このリンクが辻村深月らしくて、好きだ。

    一編一編はじんわり温か。
    特別な面白さとか、意外さはないけれど、辻村深月が書く10代の不安定さがいい。児童向けに書かれたとのことで、変なひねりもなく、素直な作品。

    表題作の「サクラ咲く」は、図書館の本に挟んだメモで文通をする…貸し出しカードに書かれているあの人が文通相手?と、耳をすませば的などきどきがあり、懐かしい。また、メモを挟む本で、名著が出てくるので、色々と読みたくなってくる。

    「世界で一番美しい宝石」では、『嵐が丘』のキャサリンを学校の演劇で演じたという少女が出てくる。少女と大人のキャサリンを見事に演じわけ…とさらっと書かれているが、『嵐が丘』は読んだことがあるので、あぁ、なるほど、あのヒステリックな、と。
    やっぱり名著と言われる本は教養として読んでおくと、こうして活かせるのだなと実感。
    少しサボりぎみだったけれど、読書の時間を増やしたいなと思えるような本だった。

    ☆あらすじ☆
    塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、 図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ち た。そこには『サクラチル』という文字が。一体 誰がこれを?やがて始まった顔の見えない相手との 便せん越しの交流は、二人の距離を近付けてい く。(「サクラ咲く」)輝きに満ちた喜びや、声にな らない叫びが織りなす青春のシーンをみずみずし く描き出す。表題作含む三編の傑作集。

  • 一話目と三話目のつながり、気付いた時にウルッときました。。
    特に三話目、私も小さい頃本ばかり読んでておばぁちゃんは心配してたな…笑
    好きなことは人それぞれ。
    この物語の登場人物たちは不安定さはあるけどしっかり成長してる。
    青春ものってどうも苦手やけど、これは痛さと爽やかさがほどよく混ざり合ってて良かった。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞の大賞を受賞した。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

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