城を噛ませた男 (光文社時代小説文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767068

感想・レビュー・書評

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  • 小田原北条氏と豊臣秀吉、徳川家康らの新興勢力の進出の最中、どの武士団も生き残るために戦々恐々としていた。特に、戦場に所領を持つ家にあっては、大きな決断が迫られていた。戦国の世は、その繰り返しであった。この小説でも、秀吉は武士団が勝手に侵略することを御法度とすることにより、敢えて秀吉自身の進出を企てる戦略がとられていた。その時代に、自らの城を乗っ取られたように見せかけ、相手を潰しにかかった戦国末期の事実を基にした小説である。小説の題名も上手い。これぞ本屋大賞。

  • 「城を噛ませた男」(伊東 潤)を読んだ。
    いいね!
    六つの物語のどれもが見事な書きっぷりな訳で、やっぱり伊東潤氏にハズレなし。
    懐の深さというか引出しの多さというかそういうところがすごい。
    1年くらい前に訪れた関ヶ原古戦場跡は、
    土地の記憶なのか、喚くように強い風が吹いていた。

  • 「見えすぎた物見」(下野国人・佐野家)
    「鯨のくる城」(雲見 「小田原攻め」)
    「城を噛ませた男」(猪俣能登守邦憲、真田昌幸 「名胡桃城奪取」「小田原城攻め」)
    「椿の咲く寺」
    「江雪左文字」(板部岡江雪、徳川家康。「関ヶ原の戦い」)

    「奴に城を取らせる。そして俺は国を取る。」乱世に雄飛するため、希代の謀略家・真田昌幸が仕組んだ秘策とは?(表題作)強大な豊臣水軍を前に、城に篭もる鯨取りの親方が仕掛けた驚愕の大反撃!(「鯨のくる城」)戦国の世、大勢力がふづかる狭間で、ある者は平身低頭し、ある者は乾坤一擲の勝負に出る。生き残りをかけ、なりふり構わず戦う人間を熱く描いた渾身作全五編!

  • 伊東潤の別の短編集「国を蹴った男」がたいそう面白かったので本書を買ってみがのだが,期待に違わず満足感の得られる一冊.
    「見えすぎた物見」関東で北条と上杉の間で苦悩する佐野家が智恵で戦国を生き抜き,その智恵のために江戸幕府に取りつぶされるまで.
    「鯨の来る城」秀吉軍を迎え撃つ北条家の家臣の籠城戦.
    「城を噛ませた男」真田昌幸の極悪非道な策略.
    「椿の咲く寺」旧武田家臣の家康への復讐の顛末.
    「江雪左文字」”真田丸”で有名になった江雪斎の関ヶ原の戦いにおける小早川への調略とその後.
    江雪斎の話が良かったなあ.

  • 様々なプロセスを経て蓄積された経験や力。土壇場で発揮する力の大きさはそれに比例する気がする。ダラダラ生きてたらそれなりの力しか出ないだろうな。鯨船の頭、丹波の「底力」と「男ぶり」がたまらなくかっこいい。

  • 真田丸やってるけど、まさにその辺のお話し。
    非情の戦国の世で、さまざまな策をめぐらせる人たちの生き方を描いている。
    真田昌幸の読み筋の恐ろしいこと。

  • 戦国時代の終わり。全五編からなる短編集。乱世に様々な思いを抱いて行動する人達。色々なパターンの話があって、とても楽しめる一冊だった。

  • タイトルは「城を噛ませた男」だけど、短編集なので
    ここの感想とかそうゆう類のものを書こうかな、と。

    見えすぎた物見…
    小さい集落である佐野家。そんな佐野家の筆頭家老である宝衍の話。
    当時の各勢力に、のらりくらりと応対しているのに対してお家を守るという義の塊なのではないかと。
    外様大名として生き残った佐野家だけども、この物見の仕事が出来過ぎる感が遺恨の原因となり
    結果的にお家取り潰しという何とも皮肉な話。
    宝衍の頑張りも確かによくわかるが、何でも頑張りすぎちゃいかんな…とか。

    鯨のくる城…
    北条家の傘下である伊豆国雲見の海での戦い話。
    鯨漁を主に生活している長、高橋丹波守のとんちにもに似た実に豪快な話。
    秀吉の水軍に立ち向かうため、こちらたちの集落も戦わなければならなくなるけど
    鯨漁を利用して撃退していくその様が清々しい。
    最後の文面に「鯨取りの親方と馬鹿にされながら、伊豆侍の意地をつらぬき、下田城に籠る兵の命を救った上、雲見の地を守り抜いた丹波という男」
    スッキリ後味の良い作品。

    城を噛ませた男…
    この本の表題にもなっている作品。
    ご存知であろう真田幸村の父、真田昌幸の話。
    国を守るため、自分の所有している城を敵方に取らせるという知略でとにかく頭がいい。
    真田太平記を読むとこの昌幸の凄さがよくわかるけど、これはこれでまた違う一面が見えるというか。
    城を噛ませた男というタイトルに実にふさわしいと言っても過言ではないと思う。

    椿の咲く寺…
    可愛らしいタイトルに全く似合わない悲しい話。
    徳川家康に破られた武田家。その家臣であった今福家の残された人々話だけど、最後の最後に仰天。
    こんなのありですか?みたいな。
    なんとも言えない残酷っちゃ残酷だけど、全うした彦蔵はすごいなとか。結果的に切ない。

    江雪左文字…
    この本の中で唯一時系と場所が記載してあって、その場面によって異なるような。
    人の記録を見てるようなそんな感覚。
    北条に仕えて、家康に仕えて関ヶ原でやってやったぜ!話なあるけど
    これはこれで面白いし、駆け引きと心境が変化していく様というか。
    左文字を渡すとことか、小早川秀秋とのやりとりとかもそうだけど江雪のお家が明治維新まで残ったのも初めて知った。

  • 戦国短編集。
    ひとつひとつが味わい深い。
    城を噛ませた男。という題名もいい。
    戦国モノだけど読みやすい。
    マイナーな主人公たちなのもいいわー

  •  表題作を筆頭に良作揃いの、戦国を舞台にした短編集。解説にもありますが、展開や盛り上がりどころが計算され尽くされていて、抜群の安定感があります。以下、話ごとに軽くコメント。
    「見え過ぎた物見」:物理的な意味での「見る」と、先読みという意味での「見る」、二つの「物見」が話に重なってくるラストが絶妙。
    「鯨のくる城」:あたかも作者がその目で見てきたかのような、捕鯨シーンの迫力が凄まじい。
    「城を噛ませた男」:昌幸の顔が笑み崩れるシーン、ほとんどホラー(怯)
    「椿の咲く寺」:五作品の中で、これだけはちょっとロマンチストな印象。彦蔵さんのせいですな(笑)
    「江雪左文字」:時代を何度も行き来するので序盤は入りこみにくかったけれど、最後への繋がりで全て納得。

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著者プロフィール

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じる。『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『黒南風の海‐‐加藤清正「文禄・慶弔の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で山田風太郎賞と第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。『城を噛ませた男』『国を蹴った男』『巨鯨の海』『王になろうとした男』『天下人の茶』で5度、直木賞候補に。著書に『武田家滅亡』『天地雷動』など多数。

「2019年 『家康謀殺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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