髪結: 吉原裏同心(二十) (光文社文庫 さ 18-49 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767198

感想・レビュー・書評

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  • 髪結姉の目から見た吉原の裏側と仕事の厳しさが良かった。
    一方で、これだけの富が集まる吉原だけに、権利を狙う勢力が尽きなかったことも想像できる。
    少しくらい幹次郎夫婦に穏やかな時を過ごさせてあげたいけれど、それでは物語が成立しなくなるので、当分こんな暮らしが続くのだろうが、そろそろ後継が出てこないかな。
    せめて新居に引っ越して、少しの贅沢をさせてあげて欲しい。

  • 第20巻は女髪結いおりゅうのの妹が、使いの帰りにかどわかしの現場を見た(と思われた)ことから起きた事件が中心の事件だが、前巻の未決での黒幕の暗躍で七代目会頭四郎兵衛の命も狙われる。

  • ラストで

  • このシリーズ、時間としては15年以上過ぎてるんですね。相変わらず強い主人公だけに、相手を用意するのも大変そう。この話、一体どこへ向かうのでしょう。

  •  おりょうさんって、こんな若々しいしゃべり方する人だったっけ。おりょうさんの妹さん、キャラ立ってておもしろい。桑平様のポジションがおしいくて好き。終盤で渦中の人になった七代目がハードモードすぎ。石榴の家は、薄墨大夫的な今後の布石。
     以上5点が今回の主な感想。

     おきちさんの性格設定は、今回の事件のシチュエーションをつくるめたの設定という印象でしたが、それでも一貫してるし、ぎりぎり個性の範囲内だし、好感度高かったです。ただ、キャラが濃ゆい子だったので、再登場してもモブポジかもなぁとも。

     今回の内容は、人間関係を進めたり整理するものではなく、規模大きめな『事件』だったので、結構好みでした。探索して、調査して、犯人見つけて、とっつかまえて。夫婦関係と、薄墨太夫関係はノルマクリアくらい。初期の事件ものくらいのバランス。内輪の人間関係にフォーカスするのもいいけど、そればかりだと食傷するので、事件ものメインが嬉しかったです。
     あと、このシリーズ読んでると、小判の隠し場所のバリエーションがどんどんふえていきます。

     刀剣は豊後行平ばかり使ってましたけど、和泉守兼定はお休みなのかな……? 相変わらず、兼定と比べると行平の扱いが鈍器。

  • 色々と盛りだくさんで少々話が散らかってたかも。おきちが髪結としてどの様に成長して行くかが楽しみだ。そして暗雲たち込める吉原。幹次郎も番方もしばらく寝不足が続くだろうなぁ。

  • 髪結のおりゅうの妹にストーカーが。吉原で働いているわけではないが、おりゅうの身内だからと幹次郎が解決に乗り出します。
    しかし、単なるストーカー事件ではなく、やがて江戸中のお偉方をも巻き込む一大事件に。
    その裏では出会い茶屋で絞殺された女郎の事件があったり。
    それらが解決したかと思えば、今度は会所の四郎兵衛が攫われる事件が勃発。
    現在の体制が気に入らない勢力がいよいよ直接手出しをしてきた感じです。
    ニ十巻目ですが、最初に手に手を取り合って故郷を出た時の幹次郎が十八で、現在は三十も半ば。かなり放浪したとはいえ、吉原に世話になってからもかなり時が経ったのだと改めて思いました。

  • 吉原裏同心シリーズ、「流離」からもう20巻目。

    女髪結おりゅうが、のんびりとした妹にまとわりつく、今でいうストーカーもどきに、幹次郎にどうしたらよいか相談することから、話が始まる。
    見てはいけない物を、ぼんやりと眺めていたのを、『見た』と、思われ、おりゅうの妹 おきちは、かどわかされる。
    そこは、御禁制の品も扱っている船宿であった。
    どこもかしこも、権力と、金で、世間の常識を、止めてしまう。
    奉行所も、然り。
    下の方が、裁かれて、上の方は、うやむやで、終わってしまう。
    おきちの問題が、片付いたかと思いきや、吉原の会所の四郎兵衛が、『闇の力』に、襲われる。
    隔離された場所は、幹次郎に、住ませようとした一軒家であった。
    最後は幹次郎の豪剣で、悪を退治する。
    四郎兵衛の命が助かって、良かった。
    これで、まだ、先が続く。

    浅草寺寺領の柘榴の庭から、山谷へ月明かりの中 診療所へ向かうのであった。

    表紙の 柘榴と目白の趣が、話の中と結びついた。

  • 吉原裏同心シリーズ20~吉原会所の四郎兵衛は浅草寺寺領内の家を神守幹次郎に見せ,汀女との住処にしろと言うが,簡単に承諾できないのは贅沢が過ぎると思うからだ。同じ長屋に住む,吉原出入りの女髪結い・おりゅうに,妹の事で相談があった。少々トロい妹のおきちが花川戸の奉公先の甚床で客の一人に追い回されているのだ。探っていくと須崎屋八兵衛が奉公先であった船問屋の船が難破し,唯一の生き残りとなって雇い主の店を買い取り,船宿まで始めたらしいが,評判は悪い。須崎屋が始めた怪しい商売の一部をおきちが見たと思ったのだろう。つけ回していた若者には因果を含ませたが,しばらくの間と吉原に出入りする姉に従っていたが,花川戸に戻りたい一心で,おきちが吉原を抜け出したのを見逃さず,拐かして他の13・4の娘達と一緒に売ろうとしていたのは,船問屋と船宿の張り込みではっきりした。吉原では,口入れ屋の元婿が営む裏茶屋で,小店の抱え女郎が縊り殺され幇間が疑われたが,直ぐに逃げ出した主の犯行と明らかになった。会所に応援を求められらない幹次郎は,奉行所の常廻り同心・桑平市松に助勢を求め,阿片を扱っている須崎屋に踏み込ませた。八兵衛が船宿に来る道で待ち伏せした幹次郎は,同心の言うとおりに八兵衛を斬って捨て,おきちらを救出した。会所の番方は,元婿入り先から元婿は金への執着が強いと聞いて,裏茶屋で待ち伏せを続け,幹次郎と共にこれを捕縛し,身柄は桑平に引き渡して,貯め込んだ137両は,南町奉行所の探索費として加えられる。大店の三浦屋と会所の頭取は,影の力から引退を迫られている。三浦屋四郎左衛門が危ういと思って気を配っていたが,攫われたのは山口巴屋の主人でもある四郎兵衛だった。江戸一の店も噛んでいると分かった幹次郎は,四郎兵衛が石榴の家で捕らわれていると察し,急行する~文庫書き下ろしなのに,珍しく解説がついていて,それを書いたのがポーラの研究員で,書き出しで初めて読んだと…絶句! 吉原の女郎衆や江戸時代の女性の髪型について書いていただけだった。多分,佐伯さんがそんなこんなを訊ねて,この本を執筆し,お礼に発表の場を与えたのだと思う。もうぼちぼちこのシリーズも見切りを着けるのか。一杯稼いだから,義理の薄い出版社から手を引き始めても良い頃合いでしょう

  • いよいよ20巻目に突入。未決が未決ではなかったってことで良かった。21巻目でどうなるか!

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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