電氣人閒の虞 (光文社文庫)

著者 : 詠坂雄二
  • 光文社 (2014年4月10日発売)
3.51
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  • 本棚登録 :114
  • レビュー :18
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767280

電氣人閒の虞 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最後の最後で一撃が来ました。見えないものが見えるようになるのって怖いし、本当に面白いです。この作品は明日の読書会の課題本ですが、我々は生きて帰ってこれるのでしょうか……

  • 「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!? ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘う――。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!

    遠海事件の時にも感じたのだが、この作者はミステリ通な人たちには、受け入れられる要素が多い作風だと思う。

    電気人間という都市伝説に関わった人間が、不自然な死を遂げていき、物語の方向性(ホラーなのか?ミステリなのか?)がわからないままに、徐々に本格ミステリとしての形がとられていく。推理による仮説は、背筋が凍るような怪奇な事件と絡み、ホラーミステリとしての設定をうまく引き出している。しかも、これはバカミス!!納得できない強引な結論には苦笑い…

    と油断していると、企みに度肝抜かれることとなる。不安定な既視感や違和感は確かにあったのだが、某作でも有名な〇〇〇を、恐ろしくも巧みに使うことで、本格ミステリとして、また、ホラーとして、圧倒的な作品へと押し上げている。「えっ!?」と声が漏れるほどのサプライズ。愕然としていると、ラスト1行で神作品へ…と思うのは私だけでしょうか?壁に投げつけるのはやめましょうね笑

  • 非常に秀逸な技巧の施されたミステリ。架空の都市の架空の都市伝説をうまくディティールまで表現して読者に理解させ、そこから現出する疑問と、「ミステリ」であるが故に生じるミステリ読者であるからこそ思い至る猜疑心との擦り合わせが非常に巧妙。求めうる「解答」と伏線とが噛み合わず展開がいつになっても予想できない、そしてそうこう思い巡らせているうちに不意に衝撃の真相に襲われることになる。目眩のする様な呆然となる真相は必見。

  • 一部の地域で根強く語られている都市伝説「電気人間」について描かれたミステリ。

    語ると現れる。
    人の思考を読む。
    導体を流れ抜ける。
    旧軍により作られる。
    電気で綺麗に人を殺す。

    とされている電気人間。電気人間についての論文を書こうとした女子大生,赤鳥美春が死に,その死の真相を調査していた日積享,赤鳥美春が調査の際に話を聞いた,小学校の元用務員の竹峰英作という老人が死ぬ。三人の死は心不全とされたが,これほどの短期間に電気人間に関わった人間が死ぬものか?

    フリーライターの柵馬朋康が,ビデオゲーム誌プレスタの特集,実在ダンジョン特集で,電気人間に関係する記事を書くことになる。柵馬は,フリーライター兼小説家の詠坂雄二を誘い,電気人間についての取材を行い,日積も会った韮澤という少年と剣先という少女に出会う。

    裏表紙の紹介文にも書いてあるが,ミステリか,ホラーか,ジャンルを特定しにくい作品であるが…まぁホラーである。ミステリとすればバカミス。最後のオチ「人間に仇なす妖魔軍団と死闘を繰り広げることになろうとは,その時のわたしは知る由もなかった」という部分も含め,殊能将之の「黒い仏」を思わせる作品である。とはいえ,文章や全体の完成度で黒い仏ほどのデキとはいえない。

    この作品の最大の特徴は,全ての章が「電気人間」ということばで始まり,電気人間について語ったことで電気人間が現れているという設定にある。各章は,一見,三人称で書かれているように見えて,「人の思考を読む」ことができる電気人間の視点で描かれている。この部分は非常によくできており,素直に感心できる。

    しかし,文章・文体が非常に幼稚で,入り込めない。詠坂雄二が語る,ミステリとしてのダミーの解決も極めて平凡。各章が,実は電気人間の視点から描かれた一人称の記述だったというワンアイデアに頼った作品。

    もっと腕のいいミステリ作家がこのアイデアで書いていたら傑作になったかも。そういう意味では惜しい作品★3。

  • 評価が難しい…
    ミステリのセンスはかなりのものだと思います。
    しかし、これをミステリかと問われれば「ううん…」と唸ってしまう。
    ルールに則り、仕掛けを成立させた点は素晴らしい。でも現実的解釈の部分が少しお粗末ではないでしょうか?
    どうしても本作と似たような体裁をとった殊能将之の某作と比較してしまうのです。
    あれは反則技を使いながらも、驚くほどロジカルにまとめて見せた良作ですが、こちらは仕掛けに気を置きすぎるあまりミステリの醍醐味である「推理」が全く楽しめませんでした。
    それでも驚いたのは事実なので☆3かな。

  • なるほど。。。やられましたね。。。
    ただ最後の展開は、いろいろな意味で「えっ??」というか「はあ?」となりました。

  • 読みながら何度後ろを振り返ったことかw

    ホラー?ミステリ?と思いながら読み進めたら、まさかのホラーオチ。普段ならこの手のオチ(真犯人の正体は幽霊です的なやつ)は本を投げ捨てたい衝動に駆られるのだけど、この作品はそこへ行くまでのバランスがすごく良く出来ていて、オチも納得。

    解説も遊びすぎw

  • この著者の作品は奇妙なテーマと設定で、結末が全く予想も付かない。この作品もまた同様で、ミステリー小説、ホラー小説、SF小説とも読み取れる作品に読み手は些か戸惑う。はっきり言って、先に読んだ『リロ・グラ・シスタ』『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したか』の2作よりは面白さには欠けるが、一定水準に達している作品だと思う。

    舞台はまたも遠海市。遠海市で根強く語り続けられる電気人間の都市伝説。真相を探ろうとする登場人物は次々と死んでいく…電気人間の謎を解き明かすのは…

    今ひとつスッキリしないラストに不満は残るが、ストーリーは面白い。

  • どう表現したら良いのか分からない作品。
    都市伝説を中心に物語は進むが、謎を追う人が死んでしまう。心不全と診断されるが不自然な点もある。もし殺人だと方法・動機・犯人は全くわからない。本格ミステリのような展開だがラストにすべてをひっくり返される。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作! という触れ込み通りの作品だった。

  • 最後の最後でポッと現れる予期せぬ単語に唖然。
    ギャグホラーとして読むなら悪くないと思います。

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