電氣人閒の虞 (光文社文庫 よ 19-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767280

感想・レビュー・書評

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  • 一部の地域で語り継がれる【電気人間】の都市伝説。
    その電気人間の真相を追う者が次々に死んでしまう。

    帯の「ラスト2行」ってそれ?!と、ポカーンとなった。
    詠坂さんの作品ははじめてだからかな?と思ったけど、続編があるわけではないようなので、投げっぱなし?のオチとも読める?
    でもタイトルの電気人間の「虞」って、そういうことか、なるほどね、ともなった。

    改ページのしかた?ページの使い方?が面白い。
    これは文庫本でしか味わえないのかな?
    ゾワッとする場面でインパクトのある一行を最後にもってきて、ページをめくるとガラッとシーンが変わっている。あれ?と思ったら物語が進んでいて。映画みたいな感じ。


    「「殺人が大変だと思う人ならね。でも、他者を殺すのは生き物ならごく当たり前のことだよ。僕らが食べてるものは九十九パーセント植物か動物の屍体だろ。」」

  • 最後の解説がなかったらつまらないで終わってたかも。章の初めが「電気人間」から始まることで、「電気人間について語る者に、電気人間は引き寄せられる」の条件を満たし、全て電気人間目線で語られたストーリーだった、というカラクリ。実はずっと私(読者)の隣に電気人間がいたような、それに気がついた時に電気人間になんだか感情移入しました。ラスト2行はそこまで衝撃じゃない、というか、ラスト2行で完全に置いてかれた笑

  • メフィスト向けな作品。
    小学生そんな難しい事喋らんやろ…ってずっと思いながら読んでました笑
    たしかに最後の展開は衝撃でしたが、全体的に「??」が多い作品でした。発想は良き。

  • ミステリなのか、ホラーなのか。うーん、微妙に迷うところだけどホラーに1票!
    信じないと殺される、とかホラーにありそう。
    結局よく分からなかったところもあったが、物語の大枠は興味深かったし、面白かったんだけど、詠坂がなんか好きじゃない。
    人によって態度変わりすぎだろ、この人、と。物語と全く関係ないところに不満を抱いた。なんか不快なキャラクターだった。
    それにしても、韮澤少年は本当に小学生なのだろうか。
    嫌いじゃないんだけど、なんだか微妙に腑に落ちない部分が多々あり、消化不良気味。

  • えつっ!!??ってなりすぎて
    ちょっと何言ってるかわかんなくなります

  • 幻想?怪奇?ミステリー?
    納得いく解答をつけることで、かえって曖昧というか、含みをもたせられない。続いてるのか?この作品?!
    …解説読んで納得。叙述ミステリのくくりだったのか…。とすると、あるワードで書かれているので、フェア…ですね。

  •  一部の地域で根強く語られている都市伝説「電気人間」について描かれたミステリ。

    語ると現れる。
    人の思考を読む。
    導体を流れ抜ける。
    旧軍により作られる。
    電気で綺麗に人を殺す。

    とされている電気人間。電気人間についての論文を書こうとした女子大生,赤鳥美春が死に,その死の真相を調査していた日積享,赤鳥美春が調査の際に話を聞いた,小学校の元用務員の竹峰英作という老人が死ぬ。三人の死は心不全とされたが,これほどの短期間に電気人間に関わった人間が死ぬものか?

     フリーライターの柵馬朋康が,ビデオゲーム誌プレスタの特集,実在ダンジョン特集で,電気人間に関係する記事を書くことになる。柵馬は,フリーライター兼小説家の詠坂雄二を誘い,電気人間についての取材を行い,日積も会った韮澤という少年と剣先という少女に出会う。

     裏表紙の紹介文にも書いてあるが,ミステリか,ホラーか,ジャンルを特定しにくい作品であるが…まぁホラーである。ミステリとすればバカミス。最後のオチ「人間に仇なす妖魔軍団と死闘を繰り広げることになろうとは,その時のわたしは知る由もなかった」という部分も含め,殊能将之の「黒い仏」を思わせる作品である。とはいえ,文章や全体の完成度で黒い仏ほどのデキとはいえない。

     この作品の最大の特徴は,全ての章が「電気人間」ということばで始まり,電気人間について語ったことで電気人間が現れているという設定にある。各章は,一見,三人称で書かれているように見えて,「人の思考を読む」ことができる電気人間の視点で描かれている。この部分は非常によくできており,素直に感心できる。

     しかし,文章・文体が非常に幼稚で,入り込めない。詠坂雄二が語る,ミステリとしてのダミーの解決も極めて平凡。各章が,実は電気人間の視点から描かれた一人称の記述だったというワンアイデアに頼った作品。

     もっと腕のいいミステリ作家がこのアイデアで書いていたら傑作になったかも。そういう意味では惜しい作品★3。

  • 評価が難しい…
    ミステリのセンスはかなりのものだと思います。
    しかし、これをミステリかと問われれば「ううん…」と唸ってしまう。
    ルールに則り、仕掛けを成立させた点は素晴らしい。でも現実的解釈の部分が少しお粗末ではないでしょうか?
    どうしても本作と似たような体裁をとった殊能将之の某作と比較してしまうのです。
    あれは反則技を使いながらも、驚くほどロジカルにまとめて見せた良作ですが、こちらは仕掛けに気を置きすぎるあまりミステリの醍醐味である「推理」が全く楽しめませんでした。
    それでも驚いたのは事実なので☆3かな。

  • トリックはなるほど読み返しました。小説だからこそてすねー
    そしてオチも好きでした。ビックリしたけど呆気にも取られたような感覚でした。その後気になります。

  • 少し読みづらい感じがあったが、トリックは面白い。
    全てがわかったあと読み返しました。

著者プロフィール

1979年生まれ。2007年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「Kappa‐One」に選ばれ、『リロ・グラ・シスタthe little glass sister』でデビュー。クールな文体で構成される独特の世界観と、本格マインド溢れる謎解きがミステリ通の熱い支持を受けている。

「2022年 『君待秋ラは透きとおる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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