屍蘭 新装版: 新宿鮫3 (光文社文庫 お 21-18 新宿鮫 新装版 3)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767341

感想・レビュー・書評

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  • 花粉症になった。
    薬を飲んで電車にゆらゆら揺られると眠たくて本がなかなか進まない。

    新宿鮫シリーズ3巻、屍蘭。

    今回の犯人は悪い!とにかく悪くて頭が切れて
    美しい!
    犯人"綾香"は美容サロンを経営する。
    その裏で自分との絆を信じて疑わないふみ江に婦人科病院を経営させ、故意に流産させた胎児の臓器を、故買屋、三森の持つルートを使い密輸させ大金を稼ぐ。

    何が悪いって…、
    綾香との絆を信じて疑わない"ふみ江"、
    元刑事で綾香の左腕の"光塚"、(あれ?右腕だっけ?)
    臓器密輸を手配する"三森"、
    綾香は自分の欲望を叶える為に必要な人間の心をうばい、自分を愛する人達を意のままに操り欲望を叶えていく。最後の最後まで自分の手は汚さない。
    そして必要となったら、側にいる人達をも切っていく。わぁーるぅーいぃー!

    怒りマークオデコに出しながら読み進めた。

    そんな綾香と光塚に鮫島は罠にはめられ
    三森殺しや買収の容疑をかけられる。

    警察はマスコミに事件を発表され
    世間からの警察に対する信頼を失う事を恐れる。その情報がリークされれば鮫島は警察官ではいられない。

    限られた時間と制限された行動の中で真犯人を追う鮫島。

    激しいプレッシャーの中で鮫島の
    警察官でいる意味を再確認する場面は感動!
    自分の欲望のままに生きてきた綾香と対照的だった。
    そして世間からの不信感を恐れる警察内部にも鮫島を助けようと行動する人達。

    今回もぎりぎりまでドキハラが続いたー!
    最後の鮫島と晶の仲良しの場面になるとホットする(^^)

    • 土瓶さん
      松子様。読むの早っ!
      レビューのおかげでいろいろと思い出せて楽しいです。
      ありがとう。
      ふみ江の迷いの無さ、吹っ切れ具合が怖かったなー...
      松子様。読むの早っ!
      レビューのおかげでいろいろと思い出せて楽しいです。
      ありがとう。
      ふみ江の迷いの無さ、吹っ切れ具合が怖かったなー。
      新宿鮫シリーズの中でも少し異色だったと思う。
      2022/02/19
    • 松子さん
      土瓶さん、…どんちゃんって呼んでいいですか⁉︎

      そうなんです!
      ふみ江、何人殺したんだろって思いました
      凄かったですねぇ‼︎
      編み物棒に猛...
      土瓶さん、…どんちゃんって呼んでいいですか⁉︎

      そうなんです!
      ふみ江、何人殺したんだろって思いました
      凄かったですねぇ‼︎
      編み物棒に猛毒!武器も斬新でした!

      コメントありがとうございます!
      どんちゃんの新宿鮫コメント楽しいです♪
      2022/02/19
  • 新宿鮫、第三弾。今回の容疑者はサイコな中年女性。鮫島大ピンチの局面をどう潜り抜けるか。犯人の大胆な殺人。読み応えがあり、面白かった。

  • 残りのページ数や、続編の存在を考えると
    ここからどう解決するんだろう?と
    ドキドキしましたが、鮫島さん、無事でよかった。
    良かった、解決して。

    • 松子さん
      やすこ、おはよー(^^)
      くぅ!やすこが新宿鮫シリーズ読み進めている事に気付いてなかった! すっ、すごい勢い!

      やすこにおすすめしてもらっ...
      やすこ、おはよー(^^)
      くぅ!やすこが新宿鮫シリーズ読み進めている事に気付いてなかった! すっ、すごい勢い!

      やすこにおすすめしてもらった和菓子のアンシリーズとっても面白くて、そちらが終わったらランチのあっこちゃん読むんだ♪ アンを読んだ時の感動が待ってると思うとウキウキが止まらない(^^)
      そして新宿鮫シリーズが終わったら、アルバイト探偵シリーズへ! どんどん世界が広がって楽しいよー♪
      2022/03/17
    • ヤスコ。さん
      まつこっ!こんばんは!
      図書館に順番に予約してんだけど、次はちょっと時間かかるみたいだ…そろそろ積読をどうにかせねば!(笑)

      この新宿鮫も...
      まつこっ!こんばんは!
      図書館に順番に予約してんだけど、次はちょっと時間かかるみたいだ…そろそろ積読をどうにかせねば!(笑)

      この新宿鮫もそうだけど、アルバイト探偵、割と前の作品なので
      時代を感じるかもだけど(ケータイとかね!)、楽しいはずー!
      2022/03/17
    • 松子さん
      やすこ、おつおつ(^^)
      図書館に予約して待つのも楽しいね
      やすこが図書館使ってる話を聞いて
      私も使ってみたら楽しかった!
      それまではブック...
      やすこ、おつおつ(^^)
      図書館に予約して待つのも楽しいね
      やすこが図書館使ってる話を聞いて
      私も使ってみたら楽しかった!
      それまではブックオフか本屋の2択だったから。
      いまは3択〜♪

      ケータイって時の流れを感じるよねぇ
      肩掛けるやつ!
      新宿鮫シリーズはね、ポケベル!
      このギャップも楽しいよね!
      2022/03/17
  • 新宿鮫シリーズ第3作。

    前作のような派手さはなく、全体的にどこか後ろ暗い雰囲気が付き纏う作品。

    一見すると地味になりそうなストーリーに、主人公鮫島の汚職容疑というスパイスを混ぜることで全体のバランスをとっている感じ。

    一気に読ませる筆力は流石の一言。

  • 新装版『新宿鮫』第三弾。鮫島の刑事生命に最大の危機が訪れる…

    今回の鮫島の敵は警察組織でもなければ、暴力団でもなく、運命に翻弄され続ける女性たちである。エステサロンの経営者・藤崎綾香、看護婦・島岡ふみ枝…前二作とは異質な敵と刑事生命を賭けて闘う鮫島。

    警察組織をも揺るがす重大な秘密を握った鮫島の孤独な闘いとそれを陰ながら支える桃井課長の関係が非常に良い。

    『新宿鮫5 炎蛹』まではノベルズ版で読んだのだが、文庫の新装版が月一冊ペースで刊行されるのを知り、再び読んでみることにした。

    第一作の『新宿鮫』が、真田広之主演で映画化された時、光文社文庫から『シナリオ 新宿鮫』が刊行されたが、今ではお宝かも知れない。

  • 屍蘭★4
    安定の新宿鮫シリーズ。面白かった。今回は殺しに使われた毒だったり病院の話だったりと医療の話が多かったがその正確さに驚いた。非常に良く下調べされていて医療関係の自分でもすべて腑に落ちる設定にできていてすごいなと感じた。国家試験前の唯一の息抜きとしてこの一冊をちょっとずつ読み進めたのもいい思い出になった。
    早く次も読みたい。

  • 休業日に入手した本を、入手した日から早速紐解き始め、頁を繰る手が停められなくなり、素早く読了に至った。
    少し「訳アリ」な鮫島警部が、事件の解決に向けて奔走する<新宿鮫>シリーズの1冊だ。最近、シリーズ各作品をランダムに読んでいる。本作は、大胆なアクションが入る動的な感じというよりも、密かに悪事を重ねる人達の思惑を挫こうと奔走する様子の静的な感じと言えると思う。シリーズ各作品では、そういうように動的なモノも静的なモノも入り混じっていて、それらは各々に面白い。
    物語は西新宿の高層ホテルの1階に在る珈琲ラウンジから起こる。
    鮫島は盗品等を売買する故買屋の三森という男を見張っていた。ラウンジに現れて、何者かと話し合っていた。
    鮫島の大学の同期に滝沢という男が在る。国税庁に査察官として勤めている。通常、国税庁の査察官は警察に表立って協力を要請しない。が、滝沢は非公式に鮫島に申し入れた。追っている事案に関与しているらしい三森の人物を特定したいというのだ。鮫島は三森を知っていた。そこで、決まった事務所を構えるのでもなく、ホテルの喫茶室のような場所に現れて用談をしているという三森を探し出して、滝沢と共に見張ったのだった。
    やがて三森が去ると、滝沢は三森を静かに追って去った。三森と会っていた男がエレベーターに向かう。その男と言葉を交わす男が在った。鮫島と面識の在る浜倉という男だった。浜倉はコールガールの元締めであった。数人の女性を抱えて管理売春をしていることになる。暴力団等との繋がりは無く、独立的にそれを行うという男だった。
    鮫島は浜倉と言葉を交わした。浜倉が言葉を交わした男が、鮫島が新宿署に来る前に退職した光塚という元刑事だと知った。更に、ホテルの上階に在る高級エステサロンの仕事をしているということも知った。そして浜倉の近況を聴けば、或る病院に苦情を申し入れようとしているという話しだった。浜倉の下で仕事をした女性が、内縁の夫との間に子が出来たことで仕事を退いていた。その女性が腹痛を起こし、近くの病院に駆け込んだところ、緊急手術と称して子を堕胎されてしまった。供養をしたいから遺体を引き渡すように申し入れても、処分したとの一点張りだった。浜倉は、それでは余りにも酷いと、苦情を申し入れるというのだった。そんな話しを聴いて、鮫島は浜倉と別れた。
    やがて浜倉が死亡したという情報が入った。発見された遺体は、他殺か病死か判然としない状態であった。遺体を解剖すると、白血病や癌の患者に発生する場合が在る、血栓が方々に発生する状態だったという。浜倉はその種の症状を患っていた訳でもない。関係者に話しを聴こうにも、表に出し悪い仕事を手掛ける浜倉の関係者を見出すことは難航した。
    こんな状態から起こった事案に、鮫島は関与して事案の謎を解こうとする。妙な横槍も入りながら奮戦し、恐るべきことが進行していて、関連して次々と人が死ぬ事態にもなってしまっていることを知るのである。秘密めいたモノを持つ高級エステサロンの女性経営者を核に進む事態に、鮫島は如何に向き合って行くのか?
    という物語である。1993年頃に登場で、既に読了という方も多い作品であるとは思ったが、“ネタバレ”を避ける程度に内容を振り返っておいた。何か妖しい感じが立ち込める中で展開する物語だ。
    この<新宿鮫>シリーズは、“山脈”のように、秀作が連なっていると思う。「今更…」かもしれないが、愉しんでいる。

  • ぜーんぶ読んだと思ってた鮫島シリーズ。 本棚を整理してたら未読だった

  • 新宿鮫シリーズの第3作。1994年。
    今回は、

    「不法に赤ちゃんを堕胎させ、その赤ちゃんの死体を臓器売買などで海外に不法に輸出して暴利を得ている一味」

    が、敵役です。

    その一味と言うのは、ボスが美容クリニック経営者の美女。そして、その手先である元刑事、無免許医師、そして看護師のおばちゃんです。

    魅力は、なんといっても看護師のおばちゃん。
    このおばちゃんが、地味なおばちゃんなんだけど、非情で凄腕の殺し屋、という設定。

    そしてこのおばちゃんは、私利私欲が無い。美容クリニック経営者の美女のことを、「娘」のように愛していて、そのためならなんでもする、というキャラクター。

    第1作ではヤクザやホモのプロ犯罪者。第2作では、国家に鍛えられた殺しのプロ。
    という流れから一気に目新しいカタキヤクです。流石。

    前半、まだ敵の全貌が分からず、振り回されながら主人公が徐々に敵を知っていくあたりが、面白かったですね。
    その辺りで、主人公の恋人さんもちょこっと事件に巻き込まれます。
    そういったやり口も、ほどほどで面白い。

    後半は、ちょこっとバタバタしますかね。
    といっても、このシリーズを楽しむのであれば、多少のご都合を批判するのは的外れ、なんですけどね。

    金田一耕助シリーズもそうなんですが、だいたいにおいて最大の殺人者、最大のドラマを背負った犯罪者が、最期に追い詰められつつも、自殺しちゃうんですよね。
    そのあたり、パターンと言えばパターンで、微笑ましい限りです...。

  • J様追いかけ第3弾
    普通のおばちゃんがさくさく人を殺してしまう。
    大事な人のためだからまったく悪いと思っていない。
    大事な人が恋愛対象ではないところがさらにぐっとくる。
    この二人が出会ったことがほんとに運命なのかなと思う。
    で、やはり女のほうがこのくらいやってのけそうだと思えるから怖い。

    ああでもほんとに読みながら映像を見ているような感覚になりました。
    第3シリーズまで来て、また次も読みたいと思わせるのは凄いですね。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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