矜持: 鬼役(十一) (光文社文庫 さ 26-15 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2014年5月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334767433
感想・レビュー・書評
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お父さんとしての矢背蔵人介が見えた今回の鬼役11巻。
赤子を拾って来てしまった話から、売り飛ばし金にする輩。
久々奥さんの幸恵さんの弓にも触れることができて満足。
巻が進むたび、面白くなってくるけど今回はラスト泣きそうなくらいよかった。
虐められている鐡太郎の恩師が殺され、仇討ちに行く姿。
子どもから大人になったと言っていいだろう。
正に鬼の子。だなぁと。
「なぜ命を捨ててまで無謀なことをやろうとしたのか?」
「それは鬼役の子としての矜持だ」
って。
しびれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の締めくくり『算額の誓い』は、蔵人介の息子鐵太郞が主人公。
武芸に秀でた家庭にありながら、いまひとつの息子がいじめにあっている話も、良い子なだけにかわいそう。 でも、”師匠”と呼びたくなる人との出会いもつかの間。
理不尽なことに、毅然と戦う根性はさすが矢背家。
子供たちの思いや、親の思い。
子供同士の人間関係。
数回は涙が出る箇所ありでした。
厳しい家庭でありながらも、愛情を注がれて育つと子供はこうなるのかと思ったりましました。 -
久しぶりに鬼役を読んだ。
今回のサブタイトルは矜持。
何時になく、善人が殺された感がある。
最後に矜持がわかった。 -
やっと鐵太郎の内面が判る話が。この後の展開を楽しみにしよう
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最後に矜持と言う言葉が鐵太郎から発せられたところで 思わず 涙 しました
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寸志御家人と言う言葉を初めて知った。
肥後の花菖蒲から、金で侍の身分を刈った百姓が、本来の御家人から、陰口をたたかれ、袋叩きにさえると、、、
鐵太郎のいじめの話の伏線でもあるが、菊池平左衛門が、矜持の為と新種を分けてもらった返礼に、外不出の培養法を菖翁へと、首をかけて送った。
そして、最後の兵庫の死は、無残である。
いつも 鋭さを保つ、蔵人介が、赤子を拾ってしまう。
さてさて、志乃も幸恵もその赤子の虜に、、、
しかし、拾った場所の念珠屋の主人は、隠居金の事を、捨て子だった息子に打ち明けてから、そのお金を、他の者たちから狙われて、殺されてしまう。
人の良い物が殺されていく事に、かなしくなる、
そして、鐵太郎が、イジメられて落ち込んだ時に、精神的気持ちを落ち着かせてくれた葛巻隼人も、罪をきせられ、非業の死で、自らを断つ。
蔵人介が、幾ら、仇を討つにしても、余りに、良い人を死へを描くことに、少し気持ちがへこむ。
最後、鐵太郎が、自分をイジメた押尾琢磨に、見捨てぬと、言い放つのだが、、、
いい話で、終わるのだが、葛巻隼人が、軽くあしらわれているように感じてしまった。 -
格好良い話が続きます。
幸恵さんとの仲良しぶりも良いし、鐵太郎の成長ぶりが良い。 -
第十一弾
矜持(意地)に関する短編三話、そつなくまとめられている -
11巻め。連作短編3話。いつもと同様な悪を許さぬ正義の剣という路線。少しストレート過ぎて面白みが少なかったような気がします。