矜持: 鬼役(十一) (光文社文庫 さ 26-15 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767433

感想・レビュー・書評

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  • お父さんとしての矢背蔵人介が見えた今回の鬼役11巻。
    赤子を拾って来てしまった話から、売り飛ばし金にする輩。
    久々奥さんの幸恵さんの弓にも触れることができて満足。
    巻が進むたび、面白くなってくるけど今回はラスト泣きそうなくらいよかった。
    虐められている鐡太郎の恩師が殺され、仇討ちに行く姿。
    子どもから大人になったと言っていいだろう。
    正に鬼の子。だなぁと。
    「なぜ命を捨ててまで無謀なことをやろうとしたのか?」
    「それは鬼役の子としての矜持だ」
    って。
    しびれた。

  • この本の締めくくり『算額の誓い』は、蔵人介の息子鐵太郞が主人公。
    武芸に秀でた家庭にありながら、いまひとつの息子がいじめにあっている話も、良い子なだけにかわいそう。  でも、”師匠”と呼びたくなる人との出会いもつかの間。

    理不尽なことに、毅然と戦う根性はさすが矢背家。
    子供たちの思いや、親の思い。
    子供同士の人間関係。

    数回は涙が出る箇所ありでした。

    厳しい家庭でありながらも、愛情を注がれて育つと子供はこうなるのかと思ったりましました。

  • 久しぶりに鬼役を読んだ。
    今回のサブタイトルは矜持。
    何時になく、善人が殺された感がある。
    最後に矜持がわかった。

  • やっと鐵太郎の内面が判る話が。この後の展開を楽しみにしよう

  • 最後に矜持と言う言葉が鐵太郎から発せられたところで 思わず 涙 しました

  • 寸志御家人と言う言葉を初めて知った。
    肥後の花菖蒲から、金で侍の身分を刈った百姓が、本来の御家人から、陰口をたたかれ、袋叩きにさえると、、、
    鐵太郎のいじめの話の伏線でもあるが、菊池平左衛門が、矜持の為と新種を分けてもらった返礼に、外不出の培養法を菖翁へと、首をかけて送った。
    そして、最後の兵庫の死は、無残である。

    いつも 鋭さを保つ、蔵人介が、赤子を拾ってしまう。
    さてさて、志乃も幸恵もその赤子の虜に、、、

    しかし、拾った場所の念珠屋の主人は、隠居金の事を、捨て子だった息子に打ち明けてから、そのお金を、他の者たちから狙われて、殺されてしまう。

    人の良い物が殺されていく事に、かなしくなる、
    そして、鐵太郎が、イジメられて落ち込んだ時に、精神的気持ちを落ち着かせてくれた葛巻隼人も、罪をきせられ、非業の死で、自らを断つ。

    蔵人介が、幾ら、仇を討つにしても、余りに、良い人を死へを描くことに、少し気持ちがへこむ。

    最後、鐵太郎が、自分をイジメた押尾琢磨に、見捨てぬと、言い放つのだが、、、
    いい話で、終わるのだが、葛巻隼人が、軽くあしらわれているように感じてしまった。

  • 格好良い話が続きます。
    幸恵さんとの仲良しぶりも良いし、鐵太郎の成長ぶりが良い。

  • 第十一弾
    矜持(意地)に関する短編三話、そつなくまとめられている

  • 11巻め。連作短編3話。いつもと同様な悪を許さぬ正義の剣という路線。少しストレート過ぎて面白みが少なかったような気がします。

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著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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