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本 ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784334767631
感想・レビュー・書評
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和菓子がテーマのアンソロジー。
刑事物、幽霊、SF、ファンタジーと、同じ題材でこれだけ多彩な作品が生まれるのだから、アンソロジーって面白い。
まず、坂木司著『和菓子のアン』の後日談『空の春告鳥』が読めてよかった。アンちゃん大好き。ほっこりしつつ、和菓子の謎解きを楽しみつつ。見方によって新たな気づきがあるんだなぁとしみじみ思った。
柴田よしき著『融雪』もよかった。田舎のカフェが舞台なのだけど、出てくる料理がとてもおいしそうで。若い時分のすれ違いが切なかったなぁ。
あとは、北村薫著『しりとり』が好きだった。ほんのり温かく、切なくて。洒落た俳句の謎だったなぁ。著者の他の作品も読んでみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きな作家が見事に集まった夢のようなアンソロジー。
小川一水さんの世界観はどれも違って壮大で、頭の中身が見てみたくなる。
坂木司さんはすでに読んだことのある話だったので、再読。そうそう、アンちゃんのもちふわな見た目と中身が、包み込む表現とすごいマッチするんよね。
フルーツどら焼きと刑事の話も、こなしを使って作業所でバラを作る少年の話、モロッコでデーツ食べる話とか、全部すごい面白かった。
個人的には融雪が、これまで読んだことなかった作家さんで話もうまくまとまって面白かった!ので、柴田よしきさんの既刊本を読みたくなった。 -
和菓子にまつわる話が10作です。
大好きな和菓子のアンに始まり、初読み作家さんもいて面白かったです。
お気に入り・・・
日明恩著の刑事物の『トマどら』、財務捜査官の話が他にもあるのか気になりました。
柴田よしき著の『融雪』も過去と現在の架け橋となる和菓子の話がとても良かったです。
畠山恵著の『甘き織姫』はほのぼのとしている和菓子の謎解きの話です。 -
『和菓子のアン』シリーズで有名な坂木司氏が、さまざまな著者に声掛けして実現した和菓子のアンソロジー。和菓子にまつわる短編が収録されている。和菓子ひとつとっても、著者によってここまでバラエティーに富むとは。新しく読もうと思える筆者も開拓できて、とても面白かった。
『トマどら』と、『甘き織姫』が特にお気に入り。
和菓子は出てくるけれど和菓子が食べたくなる、というよりストーリーを追う方に重きを置いているかもしれない。 -
和菓子を食べながら読み、至福の時間を過ごすことができました。
坂木さんの「空の春告鳥」は和菓子のアンを思い出して懐かしくなりました。
あとは近藤史恵さん、柴田よしきさんのお話が印象的でしたね〜。
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和菓子をテーマにしたアンソロジー。
坂木司さんはもちろんのこと、好きな作家さんが多数参加しているオイシイ企画だった。
北村薫さん、さすがの情緒あふれる美しさ。しかしまぁ、こんなに難しい謎かけは、私には無理。
小川一水さん、まさか和菓子でこんな世界が!世界が崩壊した後にも、手仕事を継承しようとする人の心は強い。
近藤史恵さん、旅と美味しいものが好きな事がわかる。松露は特別好きな方ではないのに、久々に食べたくなった。
柴田よしきさん、背筋のピンとのびた感じの女性たちが清々しい。和菓子というより、地場野菜の料理やパンが美味しそうだった。
日明恩さん、ちょっと風変わりなキャラクターが面白かった。日本あんこ協会会員のあんバサダーとしては、“トマどら”も食べてみたい。
…最近は切り口の美しいフルーツ大福が流行りだけど、アレはちょっとフルーツが主役すぎる感じがする。 -
どの話も作家さんの味が存分に出ていると思われる珠玉の作品。満足感高いです。
知ってるお菓子も知らないお菓子もありますがどれも美味しそう。基本和菓子がテーマのせいか、ほっこりしたハートウォーミングなお話が多かったように思います。
普段SFやホラー系はほぼ読まないので作家さん、そしてその作品の設定が新鮮でした。
アンソロジーいいだしっぺ(?)の坂木さん始め、近藤さん、柴田さん、恒川さん、北村さんの作品が好きでした。牧野さんの不思議な味わいのある作風にも惹かれました。知らない作家さんだったので他の作品も気になります。
北村さんの作はさすがの手練感といいますか、大御所の風格を感じました。読んだことがほぼないのですがほっこりする話が多いと聞いているのでもう少し年を取って癒やされたくなったら(?)手に取りたい。楽しみが増えました。
アンソロジー、いろんな風味を味わえていいなですね。他にもシリーズがあるようなので探してみたいと思います。 -
坂木司さんが和菓子をモチーフに、様々な作家さん達に短編を依頼して出来たアンソロジー。
アンソロジー本というのをあまり読んだことがないのだが、未開拓の作家さんに出会える楽しさがあると実感した。
どれも和菓子が話の中に登場するのだが、和菓子というだけでこれだけ違う世界が描けるのかぁ〜と、読書の醍醐味を充分味わえた。2019.5.4 -
名の知れたチェーン店なケーキ屋さんで、“プチフール”なる物が売られている。
碁盤目に仕切った箱の中に、色とりどりな小さなケーキが並んでいて、かわいい!美味しそう!
…となるのだが、買ってみるとあまりおいしくなかったりして。
ああ、ふつーのケーキにしておけばよかった、欲張るのではなかった、と思うのですが後の祭り。
アンソロジーって、たまにそういう事ありませんか?
でも、この本は、どの作品も個性的で凝っている!
執筆者のチョイスがよかったのでしょうか、行列のできる和菓子屋さんから、一番おいしいお菓子を一つづつ買ってきて並べたんですよ~
みたいな感じです。
食べ物の本は最近良く読みますが、やはり、一定のパターンがあるような気がしてならない。
ここでは、思いもよらないお話が読めまして…
「で、和菓子ってどこで出てきたっけ?ああ、あれか!」
とにかく、面白かったです! -
大満足。よい裏切り。
恒川光太郎さんが読みたくて。
もちろん彼の所から始めて「ブレないな」と感心、後からのんびり他の作品を読む。
和菓子と言うから、下町、アットホーム、のほほん、のイメージで油断していたら、どれもそれだけじゃ収まらない。
時じくの実の宮古へ、が思いがけず素晴らしい掘り出し物感だった。
アンソロジーの作品





