和菓子のアンソロジー (光文社文庫 さ 24-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767631

感想・レビュー・書評

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  • 和菓子にまつわる話が10作です。
    大好きな和菓子のアンに始まり、初読み作家さんもいて面白かったです。

    お気に入り・・・
    日明恩著の刑事物の『トマどら』、財務捜査官の話が他にもあるのか気になりました。

    柴田よしき著の『融雪』も過去と現在の架け橋となる和菓子の話がとても良かったです。

    畠山恵著の『甘き織姫』はほのぼのとしている和菓子の謎解きの話です。

  • 和菓子をテーマにしたアンソロジー。
    坂木司さんはもちろんのこと、好きな作家さんが多数参加しているオイシイ企画だった。


    北村薫さん、さすがの情緒あふれる美しさ。しかしまぁ、こんなに難しい謎かけは、私には無理。

    小川一水さん、まさか和菓子でこんな世界が!世界が崩壊した後にも、手仕事を継承しようとする人の心は強い。

    近藤史恵さん、旅と美味しいものが好きな事がわかる。松露は特別好きな方ではないのに、久々に食べたくなった。

    柴田よしきさん、背筋のピンとのびた感じの女性たちが清々しい。和菓子というより、地場野菜の料理やパンが美味しそうだった。

    日明恩さん、ちょっと風変わりなキャラクターが面白かった。日本あんこ協会会員のあんバサダーとしては、“トマどら”も食べてみたい。
    …最近は切り口の美しいフルーツ大福が流行りだけど、アレはちょっとフルーツが主役すぎる感じがする。

  • どの話も作家さんの味が存分に出ていると思われる珠玉の作品。満足感高いです。
    知ってるお菓子も知らないお菓子もありますがどれも美味しそう。基本和菓子がテーマのせいか、ほっこりしたハートウォーミングなお話が多かったように思います。

    普段SFやホラー系はほぼ読まないので作家さん、そしてその作品の設定が新鮮でした。
    アンソロジーいいだしっぺ(?)の坂木さん始め、近藤さん、柴田さん、恒川さん、北村さんの作品が好きでした。牧野さんの不思議な味わいのある作風にも惹かれました。知らない作家さんだったので他の作品も気になります。
    北村さんの作はさすがの手練感といいますか、大御所の風格を感じました。読んだことがほぼないのですがほっこりする話が多いと聞いているのでもう少し年を取って癒やされたくなったら(?)手に取りたい。楽しみが増えました。

    アンソロジー、いろんな風味を味わえていいなですね。他にもシリーズがあるようなので探してみたいと思います。

  • 坂木司さんが和菓子をモチーフに、様々な作家さん達に短編を依頼して出来たアンソロジー。
    アンソロジー本というのをあまり読んだことがないのだが、未開拓の作家さんに出会える楽しさがあると実感した。
    どれも和菓子が話の中に登場するのだが、和菓子というだけでこれだけ違う世界が描けるのかぁ〜と、読書の醍醐味を充分味わえた。2019.5.4

  • 名の知れたチェーン店なケーキ屋さんで、“プチフール”なる物が売られている。
    碁盤目に仕切った箱の中に、色とりどりな小さなケーキが並んでいて、かわいい!美味しそう!
    …となるのだが、買ってみるとあまりおいしくなかったりして。
    ああ、ふつーのケーキにしておけばよかった、欲張るのではなかった、と思うのですが後の祭り。

    アンソロジーって、たまにそういう事ありませんか?

    でも、この本は、どの作品も個性的で凝っている!
    執筆者のチョイスがよかったのでしょうか、行列のできる和菓子屋さんから、一番おいしいお菓子を一つづつ買ってきて並べたんですよ~
    みたいな感じです。
    食べ物の本は最近良く読みますが、やはり、一定のパターンがあるような気がしてならない。
    ここでは、思いもよらないお話が読めまして…
    「で、和菓子ってどこで出てきたっけ?ああ、あれか!」
    とにかく、面白かったです!

  • 大満足。よい裏切り。
    恒川光太郎さんが読みたくて。
    もちろん彼の所から始めて「ブレないな」と感心、後からのんびり他の作品を読む。
    和菓子と言うから、下町、アットホーム、のほほん、のイメージで油断していたら、どれもそれだけじゃ収まらない。
    時じくの実の宮古へ、が思いがけず素晴らしい掘り出し物感だった。

  • 坂木さんご自身があとがきで、「明るくおいしく楽しいものを思い浮かべる方が多いのでは」と書かれています。

    その通り!!
    私ももちろんそう思っていました。
    だって、『和菓子のアン』の著者である坂木司さんリクエストのアンソロジー』なんですもの。
    甘~くてハッピーなお話ぞろいと確信していました(笑)

    が、違うのです!

    個人的には好みでないものもあり…

    坂木さんの『空の春告鳥』は『アンの青春』で既読でしたし…

    ちょっと残念。

  • 『和菓子』テーマにふさわしい一冊だった。まえがきの『料理描写の、うまいあの方が描く和菓子を読んでみたい』が充分発揮されていて、読んで満足。
    柴田よしきさん『融雪』が一番好み。

  • 面白いと思う話もあるし 読むのが困難って話もある 笑。でも こういうので新しく読んでみたい作家さん見つけたりのきっかけにもなる。
    面白かったのは 坂木司と近藤史恵と柴田よしきかなぁ。あと北村薫は北村薫らしいなぁとちょっと笑ってしまった。和菓子のアン 続編読みたいなぁ。

  • 坂木司さんが、好きな作家さんに、和菓子のお話を書いて頂き、10編入った豪華な和菓子の短編集でした。
    最初は、和菓子のアンでおなじみのアンちゃんら、みつ屋さんの後日談のような感じから始まりました。
    どのお話も、和菓子が入っていて、坂木司さん自身も言っているように、こんなにも和菓子を取り入れてできる作品ってあるんだなと思いました。10編それぞれが、全然違うお話でしたけど、必ず和菓子が絡んでくる…。同じお題で書いただけではないかと思う方もいると思いますが、それって本当にすごいことなんだとこの作品を読んで思いました。
    私が、この中でも好きだった作品は、アンちゃんが登場する空の春告鳥と、警察官と和菓子屋さんを描いたトマどら、とてもおいしそうに描かれ、またロマンチックな融雪、お医者さんとアイドルが登場する糖質な彼女、ちょっと変わり者の友人のために、奥さんと仲間たちと共に楽しい謎解きをする、甘き織姫です。

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