妖怪探偵・百目 1: 朱塗の街 (光文社文庫)

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  • 光文社
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レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767679

感想・レビュー・書評

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  • 『獣船・魚船』に収録された短編「真朱の街」のその後を描いた連作短編。

     続編ものとなっていますが、邦夫がなぜこの街にやってきて百目の助手を務めるようになったかは、これだけ読んでも分かるように書かれています。

     妖怪が多数登場する作品で、SF作品の多い上田さんの作品群の中ではちょっと異色な感じもありますが、作品から浮かんでくる問いかけ、というものは共通しているものも多いと思います。

     序盤の短編は近未来の設定なのに、SF要素が少なくてちょっと寂しかったのですが、四話目の「炎風」は妖怪、人間、ヒューマノイドが登場しこの世界観でしか描けないような物語になっていて面白かったです。

     そして本のタイトルにも〈1〉とあるように、今後この妖怪と人間が共存する未来世界に大きなことが起こることを示唆され物語は閉じました。こういう世界観の作品は唯一無二だと思うので次巻が楽しみです。

  • 思ったより、切なくて重たいお話でした。このシリーズとしては1作目なのですが、同じ作者さんの他の作品でいろいろ繋がってるもよう。皓歯がもっとも切ないと思いました。最後の2作品には探偵としての百目があんまり出てこない、または全く出てこないのでちょっと拍子抜け。多分続編への伏線の意味もあるのかな。いつか続編も読んでみたいな☆

  • あれ説明だけ?
    というような始まりだったのに、
    途中からグイグイときた。

  • SFと妖怪を融合した不思議な小説です。近未来SFの用語やガジェットが次々と出てきます。妖怪も当たり前のように出てきます。しかし違和感はありません。この違和感の無い設定、妖怪と人間の違い、妖怪が語る人間考察が面白いです。

    「続・真朱の街」から派生した作品です。しかし、最初のインパクトはあれど超えるところはありません。シリーズ一作目のため、本作自体が大きな前振り、舞台説明になっているからでしょうか。

    https://www.kt-web.org/book-report-ueda-sayuri-yokai-tantei-hyakume-1/

  • 連作短編集かなと感じたが、初出を見て納得。

    水木しげるの絵は苦手なので、鬼太郎には興味がない。 なので、妖怪に関しては予備知識がほとんどなくツッコミようもないので、楽しく読めた。

    妖怪ウォッチなども流行ったりしたし、水木しげるをあまり引用しない作品が増えれば妖怪ものも楽しめるようになるな。

  • 探偵ものかと思ったら妖怪ものでした。ミステリというか伝奇もの。上遠野浩平のソウルドロップシリーズと似たようなテイストを感じました。あまり共通点はないと思いますが。3部完結のようなので一気に読んじゃおう。

  • アマゾンでは決して買えない本でした。題名だけなら、子ども向けのちゃっちいホラー小説のように見えましたもの(-_^:) 実際に本屋さんで手にとって、中身をぱらぱら。買って正解でした。ヒトがヒトとして生きていくことは、どういうことなのか、座敷わらしのいる二戸で住んでいる自分は常に思っています。それを再確認させてくれました。

  • うーん、微妙だなぁ。

    連作短編集かと思ったら、続きモノで、話は次巻以降に続くらしい。

    1巻だけ読むと、妖怪と人間の関係がイマイチ絡まなくて、物足りなさや裏切られ感が残るんだけど、2巻目以降はどうなるんだろうか。

    どちらにしても、続編に手を出すのは、二の足を踏むな。

  • 2017.2.15読了 16冊目

  • 妖怪と仲良くなったら楽しいな、とか思ってたけどなかなかサバイバル。
    寿命と引き換えにトラブル解決は嫌だな。
    でも百目と邦雄は信頼関係結んでる。
    これからどんな展開になるのか面白いです。

  • ハードボイルドとしても伝奇アクションものとしても探偵ものとしてもなんだか中途半端な感じを受けた。

    設定、キャラクターともに説明不足。
    キャラクターはシリーズが進んで行くと肉付けされていくのだろうが時代設定がいまいちピンとこない。

    エピソード0は以前に異形コレクションで読んでいて舞台設定は面白そうだと思った記憶があるが詳細は覚えていない。
    なんとも不親切な作りのシリーズ物だな。

    どれだけ続くか分からないがあと1、2冊は読んでみよう。

  • (収録作品)続・真朱の街(牛鬼篇)/神無しの社/皓歯/炎風/妖魔の敵

  • 従来の妖怪 vs 人間の呪だけでなく、科学技術も話に組み込むという試みは面白いが、やや若者限定風か。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13960231.html

  • 人間と妖怪が共存する街で起こる、不可思議な事件を、人生に絶望した普通の人間相楽くんをワトソン役に、絶世の美女の姿を持つ妖怪探偵百目が鮮やかに解決〜、ナンテコトデハなかった。
    世界が大きく壊れていく?未来を示唆しながら、一編ずつ話が進むにつれて、妖怪の生き方がとても自然に見えてくるから不思議。

    1巻だけでは、SFらしい面白さがまだまだ出てこないので、2巻まですぐ読もう!

  • 人間と妖怪が共生する未来?社会という設定か突き抜けていて、面白い。

  • タイトルと、「妖怪ハードボイルド」という紹介にただならぬ食いつきを見せてみました。
    舞台である真朱の街の、サイバー×呪術の廃墟に妖怪達が跋扈なんて景色は本当に好みです。

    読み始めてみると、短編集のせいか思ったよりライトではありました。主人公もへたれさんでした。

    とはいえ、第三話「皓歯」などは、妖怪の呑気具合にうっかり忘れそうになりつつも美醜併せ持つエグさはしっかり蔓延ってますし。
    からの第四話「炎風」は、そうそうこういうの読みたかった! と血沸き肉踊って楽しかったです。

  • 暗すぎるせいかあまり頭に入ってこなかった。妖怪小説とはいえハードボイルドは苦手。

  • 物語が前後してわかりにくいのと、主人公が誰なのかもわかりにくいが、次の展開があるのだろう。

  • どこかこれまでの作品に通じるところを感じ、また違うどこかに飛躍していくような余韻が残る。
    やさしさを持って付き離し、冷静に見つめる目を感じる。

  • 2014年12月西宮図書館

  • ただの妖怪ものじゃなくて、ちゃんとSFだvvvvv
    科学と妖怪の入り交じった、ほんの少し先の日本ってのが、けっこういい雰囲気。
    読後感のさらっとした乾いた感じが、好。

    てか、オリジナル版の記憶がない。「魚船・獣船」読んでるのに、表題作が強すぎて(汗)

  • 妖怪が跋扈する<真朱の街>で探偵事務所を営む妖怪・百目は絶世の美女。ある事情からこの街に逃げ込んできた相良は、自身が巻き込まれた事件を契機に、依頼報酬は人の寿命という百目に時折命を吸われながらも探偵助手を務めている。

    人と妖怪、呪いと最先端科学、自然の霊力とサイエンス・テクノロジーが融合した、魔除けの朱に染められ無数のお札を貼りこめた建物に囲まれたこの街は、かつては医療特区だった。その名残で、最先端医療技術の研究開発が行われていたりもする。
    そんな街で、人と妖怪は奇妙な共存関係にあった。
    勿論、悪い出会い方をすれば、喰われるのは人間なのだが。

    そんな街で探偵家業を営む百目だが、人さえ喰えれば(文字通り肉体を貪るか、ちょっと優雅に寿命を吸うか)生きていける妖怪のこと、気が乗らない依頼は一切受けない。彼女が乗り出すのは、妖怪絡みの事件に限られる。

    百目と相良が関わる五つの事件。
    特に興味深く読んだのは第四話『炎風』。人が開発したヒューマノイド・ロボット<明日香>に恋をした妖怪かまいたち<風鎌>が、消えてしまった恋人の捜索を依頼してくる。
    人ならざる者同士ながら、かたや古来の妖魔、かたや先端科学の申し子。人の心の奥底までも覗き込む百目が見出す、かれらの恋の行方とは。

    相容れない存在同士が喰いつ喰われつしつつも、それぞれに滅びてしまわぬよう、ぎりぎりのラインで共存する<真朱の街>(それでも、人は呪力や科学力を駆使して妖怪を排除する道を諦めてはいないし、妖怪も隙あらば人を喰うけど)に生きながら、人であることをやめ妖怪側にたつのか、それとも人の世界へ立ち戻るのか、揺れ動く相良。
    妖怪も妖怪で、人の科学技術を便利に使っていたり(百目なぞ、全身の目を隠すために人工皮膚を使っている)もするのが面白い。
    余談だが、妖怪の跋扈するこの街で、相良が通う妖怪酒場のマスター・牛鬼が提供する"人間用おつまみ"は結構おいしそうである。
    続刊が待ち遠しいシリーズとなった。

  • 妖怪がほとんどを占める街。
    そこの一角で『探偵』をしている人の
    助手を務めている主人公。

    連続短編になっているので読みやすいですが
    これの前身は別の本に入ってる模様。
    読んでいなくても十分読めますが、所々にある説明が
    その話が暗いような救いがないような…?

    主人公は人間ですが、周囲は当然妖怪だらけ。
    思考回路の切り替えが早すぎて見事ですが
    妖怪だから、でこちらの切り替えも終了。
    知っている習性を持っていることから、読んでいて
    相手の素性はなんとなく把握できます。
    有名どころが出ている、とか?w

    しかし主人公は無気力です。
    そして事件は妖怪にとっての無事解決であり
    人間にとっては解決した? 程度。
    温度差のギャップがすごいですが、読んでいると
    こんなものか、という納得が。
    なので、納得あるハッピーエンドが欲しいなら
    止めておいた方がよろしいかと。

    所で、拝み屋との関係は何なのでしょう?
    街に住む妖怪達と、の関係は分かったのですが
    その時、いなかったのですよね…。
    別件?

  • 妖怪探偵・百目というのは表紙のお姉さんの事なのだけど、あまり活躍はしないのねww。ストーリーは妖怪vs陰陽師の様相で、今まで読んだ同作者のSFの世界観より解りやすかったです。まだ導入的な1巻です。『魚舟・獣舟』は既読ですが「真朱の街」はすっかり忘れてました。でも無問題。妖怪とアンドロイドの恋を描いた“炎風”が良かったです。

  • 表紙に騙されてはいけない本。全身に百の目をもつ妖怪、百目が探偵事務所を開いているのは、妖怪と人間が共存する「真朱の街」。請け負う仕事はすべて妖怪がらみで、人間の助手を一人雇っている。この頼りない助手が狂言回しかと思ったらそうでもないようだ。なにせ探偵が妖怪、相手も妖怪だから事件も解決したようなしないような…と思ったらどうやら最後の一編が今後の展開における重要なプロローグのようだ。どう転がるのか誰が味方で敵なのか、そもそも敵味方があるのか続きが楽しみです。

  • SFチック。仲良しで和気あいあいな妖怪物語ではなく、ダークな雰囲気が漂っている。百目と相良二人の契約もシビア。
    「魚舟・獣舟」を先に読めばもっと世界に入りやすかったかも。
    まだ序章という感じ。今後の展開が楽しみ。

  • 【収録作品】真朱の街/神無しの社/皓歯/炎風/妖魔の敵

  • 面白かった!
    文庫の帯に「妖怪ハードボイルド」って書いてあるのですが、その通りだと思います。トレンチの前を引き寄せ、額と眉と瞳は皆ゴルゴ13なのです(イメージです。何のこっちゃ)
    続きが早く読みたいです。

  • 「真朱の街」その後の短編連作。
    妖怪と人間が共存する未来の世界。
    ありきたりな要素にもさすがの世界観。
    彼らのストーリーよりもラストの播磨遼太郎に釘付け。

  • 妖怪と人間が共存する“真朱の街”

    妖怪と人間が共存する時代設定としては、江戸時代や平安時代がよく使われますが、この本の時代設定は近未来。しかも「見る」ことに長けた妖怪が人捜しをする探偵小説。
    京極夏彦さんの人の記憶が見える探偵を妖怪にしてしまった感じ。他にない新しい設定の小説だ。

    平安時代や江戸時代は社会が安定し、文化が発展した時代だが、さてこの本で設定された社会は、どうなのだろう。
    まだまだ社会やこの社会で生きる人々のわずかな断片しか見えないので、この後、断片がどのように繋がって全体が見えてくるのか楽しみ。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。2011年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。同作は「SFが読みたい! 2011年版」国内篇第1位に選ばれ、『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』の各表題作、『華竜の宮』の姉妹編『深紅の碑文』と合わせて《Ocean Chronicleシリーズ》と呼ばれ、読者からの熱い支持を集めている。近著に『妖怪探偵・百目』シリーズ、『薫香のカナピウム』など。

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