ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫 や 24-16)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768409

感想・レビュー・書評

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  • 外見はピンクのバレーボール型豚のぬいぐるみ。中身は妻子持ちの中年おやじ。
    (とってもいい人)
    久しぶりによんだら、面白かったな。

  • 【収録作品】「魔女の目覚まし」/「言えない秘密」 /「『おいしい』の経験値」/「ひな祭りの前夜」

  • とにかく食べ物がおいしそうです。ぶたぶたさんの料理食べたいー!
    それから、味音痴の女の子の話は、考えさせられました。
    自分の悪いところをちゃんと認めない、そして、子供に強要するのは、ちょっとした虐待なのかもしれない。実際そのネジ曲がった育て方のせいで、娘さんは味音痴のに育ってしまってるわけだからね。そして、それにすごく劣等感を抱いて、問題も起こしてるわけだから。
    このお母さんは、そのことを突きつけても、わたしのせいじゃないわよ!!って逆ギレしそうだ。崩壊してるよね、家庭的に。
    でも、ここまで分かりやすくなくても、こんな風に子育てしちゃう危険性って、下手したらいっぱい、そこらじゅうに可能性が転がってるかも。
    自分本意になってないか、いつも客観的に見れる目を養いたいよね。

  •  子どもの頃は、身の回りのいろいろなものがオモチャだった。なかでも、私が一番お気に入りだったのが、座布団をカーフェリーに見立て、マッチ箱などの四角いものを車に見立てて遊ぶ”カーフェリーゴッコ”だ。

     私が生まれ育ったのは九州鹿児島で、錦江湾を渡るカーフェリーは生活の中にある乗り物だった。今では廃線となった鉄道も町の端を通っていたが、移動の主役はやはり車でありカーフェリーだった。

     座布団のうえにスキマ無くマッチ箱などを並べ、畳の上を海に見立てて部屋の反対側まで引っ張って行く。それを繰り返すだけの遊びだが、友達と遊べなかったり兄が出かけていて家に一人でいる時には、夢中になって楽しんでいた遊びだ。

     だからといって引っ込み思案の子どもだったわけではない。逆に活発すぎて親を手こずらせるぐらいの腕白坊主だったが、一人で遊ぶ時にはひたすら空想の世界に入り込む子どもだったようだ。

     昭和40年代の子どもは、大なり小なりそうやって「空想」の中で遊んでいたのではないだろうか。木の枝は刀になり、腰に巻いたタオルは変身ベルトとなり、首から巻いたバスタオルは空を飛べるマントとなっていた。物が少ない時代は空想力でそれを補っていたということだろうし、大人も今では考えられないぐらいおおらかというか無防備だったのだと思う。

     矢崎存美さんの書かれる「ぶたぶたシリーズ」は私が大好きな小説で、主人公はピンクのぬいぐるみ。名前は「山崎ぶたぶた」という。ただのぬいぐるみではなく、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性だ。

     綺麗な奥さんと可愛い娘さん二人がいるが、奥さんと娘さんはぬいぐるみではなく普通の人間。 そんな"ぶたぶたさん"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたさんと知り合ったことで幸せになっていくというストーリー展開が一貫している。

     ぬいぐるみが生きているという設定自体が奇抜なのだが、どうしてそうなったかということについては一切触れられておらず、「ぶたぶたさんは、ぶたぶたさんだから」というキッパリとした割り切りが小説の中で貫かれている。

     最新刊の「ぶたぶたのおかわり」は料理にまつわる短編集となっていて、どの短編を読んでも料理が主軸となって物語が展開していく。低血圧で午前中は職場で使い物にならない若者が登場したり、味覚音痴で夫婦仲が悪くなっている若妻がいたりと、登場人物も多種多様でちょっと癖のある人物だ。

     ぶたぶたの職業もその度に喫茶店のマスターだったり料理教室の先生だったりと一貫性がないが、それが逆にこのシリーズの楽しさを増している。なんといってもぬいぐるみのブタが主人公なのだから、物語によって職業が違うことぐらいなんでもない。

     子どもの頃はいろいろな場面で想像力を使い補っているが、このシリーズは同じように想像力をフル回転して読むべき物語だ。「なぜこうなんだろう」などと思ってはいけない。想像力をフル回転させることで素直な気持ちで物語を読むことができるし、そうすることで心の中に沈殿している日頃の澱がスーッと晴れてくるような気がする。

     ぶたぶたシリーズは童話のような心温まるシリーズだと思うし、クリスマス時期に読むには最適なシリーズだと思う。 書店で見かけたらぜひ買い求めて読んで欲しいシリーズだ。

  • 再び。ということで「こむぎ」いいですね。最近カフェに凝っていてリーズナブルかつゆっくりさせてくれる所を探しているので、朝から楽しませてくれるカフェに惹かれます。

  • 毎日の楽しみに少しづつ読んでいたけれど、読み終えてしまった(--;)表紙になっている寿司屋のぶたぶたさんがいつ登場するのかワクワクしていたら、一番最後でした(^o^;)新作も良いけれど、スピンオフの話も嬉しい♪特製ドリンク「魔女の目覚まし」飲んでみたいなぁ(^o^)今回は体調を悪くしたぶたぶたさんの対処方法も取得した‼いろんなぶたぶたさんに逢っても対応可能になってきたぞ(^^)

  • 表紙の可愛さと、題名の面白さで、手にした本の1冊である。
    4話の短編が、書かれている。

    ブタのぬいぐるみが、登場して、朝寝坊の続く会社員を、遅刻しないようにさせるのだが、緑茶+ミント+蜂蜜で、紫色に変わると、書かれており、是非、試してみたいと、思いながら、読んで行った。

    ぬいぐるみが、会員制のコーヒーの店長で、新しいスタッフが、面接に来るが、その秘密は、、、、

    味覚障害で、料理の味の濃い女性を、ぬいぐるみのぶたぶたさんが、子供の料理教室の体験で料理に自信を持って行くには、、、

    風邪をひいて、倒れたぬいぐるみのぶたぶたさんを助けてくれた人の家族に、ひな祭りの料理をお返しに、作ってあげる、、、

    メルヘンチックで、想像したことも無いような展開の話と、料理の手早さのうまさに、感服!

    即、読み終えてしまえる本で、ほんわか、ほっこり出来る本である。

    このぶたぶたシリーズは、洋菓子店。図書館、刑事、お医者さん、本屋さん、等あるみたいで、少し、ストレスのある時に、読むのに最適かも知れないと、、、感じた本である。

    15年程飼っていいた、白文鳥を亡くしたので、「ぶたぶたのお医者さん」でも、今度読んでみようと思う。

  • ぶたぶたシリーズ最新作!!!
    どのお話も料理がテーマになっているので
    読みながらお腹が空いてしまいました。
    私が特に気に入ったお話は一番最初の『魔女の目覚まし』です\(^o^)/
    ちょっとあの特製ドリンクが飲んでみたいかも、、、(笑)
    ぶたぶたシリーズは本当に心温まり、不思議な気持ちにさせてくれます。
    大好きな作品です♫

  • 最近、以前の作品にあった心に響く部分が少なくなっているような……。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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