舟を編む (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 8146
レビュー : 789
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768805

感想・レビュー・書評

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  • 三浦しをんさんの本は久しぶり。
    安定の細やかさと優しさで読んでいてホッとする。
    言葉がとてもキレイで気持ちが良かった。

  • アニメ、映画を通じて内容は熟知しているが、原作が読みたかった。おもしろかった。辞書を作るという作業そのものが“ジョブ”ものとして興味深いし、自分が携わってきた仕事に通じるものもある。が、それ以上に文章がユーモアに満ちていて、にやりとさせられたり、時には声を出して笑ったりした。それでいながら3組のカップルのそれぞれの恋愛をさり気なくはさんでみたり、年老いた男2人の結婚事情を垣間見せたり、なかなか芸が細かい。そしてそれがなんの違和感もなく物語に寄り添っている。この作家さん、好きかも。

  • 舟を編む / 三浦しをん

    2012年本屋大賞作品で、アニメ、映画化などもされている超有名作品。この本読んでわかったけど、とりあえず、どんな賞よりも本屋大賞は間違いないということ。
    300ページ超えもすぐ読めるほどの読みやすさと面白さで、分厚い小説に瞼が重くなる読書初心者にも優しい。


    荒木公平の人生は ー 人生というのがおおげさであるならば会社人生は ー 、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない。

    なんという堂々とした冒頭だろう。この冒頭で始めるのには、相当の覚悟と、自信が必要だろう。
    この冒頭で滑った小説ほど見ていられないものはない。
    ジャンプの打ち切り漫画的な感じで。
    でもさすがのこの小説はこの冒頭をひょいと背負えるような物語の深さと広さを兼ね備えている。

    辞書は、多くの人の願いと弛まぬ努力によって、連綿と紡がれていく。そうして、次の世代、そのまた次の世代へと、渡されていく。この小説の冒頭にはそういう想いも込められているのだなと感想を書いていて思った。

    また「舟を編む」ってタイトルがなんともいい。読み終わったあとにタイトルを見ると、改めて泣けるくらいに。

    とまぁ、いい点はあげればキリがないし、わざわざおススメするのも恥ずかしいくらいに周知の名作だから、個人的に残念やったとこを言っておく、まぁちょっと西岡以外の登場人物の心情描写が大味だったかな、と言う点。馬締の人間関係に悩まされるところや、仕事に対して悩む姿が個人的には少し物足りなかったかなと。
    でもこれはもしかしたら、僕の感受性の問題かもしれないし、この小説が小説の教科書レベルでしっかりと体系化されているからかなぁ、とか考えてみたけど、結局、そんなとこはどうでもよくなるくらい良い。



  • 『光』以来、しをん作品二作目。本屋大賞受賞作。荒木さん、マジメ君、西岡君、そして岸辺さん。主にこの四人視点で語られる辞書作りの日々。こんな風に作られていたんですね。“大渡海”の完成には、自分のことのように嬉しく思いました(涙)そして、マジメ君とカグヤさんの恋。他、編集部のキャラたちとの微笑ましい会話の数々。お仕事、キャラクタ小説としても大変面白い作品でした!星五つ。

  • 人気がある事に納得のいく面白い本でした。書物そのものの見方もいろいろだな、と。

  • 「船を編む」という題名を見た時に一瞬「何の話?」と思ってしまいましたが、辞書作りに情熱をかける編集者と編集部の姿を描いた作品です。
    この世界には無数の言葉があり、人それぞれによって言葉の意味も捉え方も違う。言葉は時代を経て変化もするし、歴史や文化を作っていく土台にもなる。そんな無数の「言葉の海」を渡っていくという願いを込めて、作品の中で作られようとするのが「大航海」という辞書で、そこから「船」+「編集する」=「舟を編む」という題名になったのがまず面白いと思いました。

    作中では辞書作りに関する苦労や困難な点がいろいろと語られます。
    収録できる語数やページ数も限られる中でいかに簡潔に万人が理解できるような解説を選ぶか?今の時代に必要とされ、収録すべき言葉は何か?逆に削るべき言葉は何か?
    プライベートで気になった言葉もすぐに記録し、生活の大部分を言葉の探求に捧げる人たちの姿が描かれます。

    それと同時にこの本が多くの読者に評価される理由として、登場人物の人柄と絶妙な関係性にあると思います。
    言葉に対して絶対的な知識と情熱を持ちながら対人関係や細やかなやりとりが苦手な編集者(主人公)、人当たりがよく要領がいいが、言葉への情熱がイマイチな西岡などなど、それぞれに弱点を抱えながらもそれを影ながらに上手くカバーしあい、1つの目的に進んでいく人間模様が読中はとても楽しく、最終的にはとても心を打ちます。

    辞書作りは何年・何十年と気の遠くなるような作業を繰り返し、時には挫けそうになりながらも、チームプレイでその困難を打ち破っていく作業でした。
    まさに言葉という大海原で荒波に負けず、それを乗り越えていく舟のように。

  • 変人馬締を筆頭とする新たな辞書づくりに没頭する人々の物語。

    分量の割に時間軸が長いので、ときにエピソードが薄っぺらく感じるところもあるが、「辞書づくり」というテーマは新鮮だったので、1冊の辞書をつくるのっていろいろな工程でいろいろな悩みにぶつかるものなんだなと純粋に興味深く読めた。

  • なにかを生みだすためには、言葉がいる。岸辺はふと、はるか昔に地球上を覆っていたという、生命が誕生するまえの海を想像した。混沌とし、ただ蠢くばかりだった濃厚な液体を。ひとのなかにも、同じような海がある。そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も心も。言葉によって象られ、昏い海から浮かび上がってくる。(本文より)

  • 言葉の勉強になるだけでなく、恋愛のドキドキや仕事を通しての信頼関係を感じるとともに「言葉の大切さ」を再認識出来ました。
    読書の大切さも感じられます
    恋愛に不器用な主人公が書いた長文の恋文を、最後に作品内の登場人物2人の感想、解説付きで公開。
    岩波書店の辞書編集部の方が書かれた巻末の解説もおもしろいです。

  •  変わり者の主人公、馬締光也が新しく刊行する辞書『大渡海』の編纂メンバーとして配属され、持ち前の粘り強さと言葉への執着心から編纂の才能を発揮していく。一冊の辞書がどれだけの時間や労力をかけてつくられるものなのか、日ごろ考えもしないような人々の努力が描かれている。主人公と、下宿先の大家の娘、香具矢との恋愛も見所。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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