舟を編む (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 8132
レビュー : 788
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768805

感想・レビュー・書評

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  • ブクログを始めてから、言葉についてたびたび立ち止まって考えるようになった。発想豊かなブク友さんが書く書評に触発されるからだ。上手い文章つながる本や語彙が増えそうな本に目が留まれば手にとっているのだが、本作もその一貫で選んで読んでみた。

    内容は、これといった取り柄のない主人公と辞書編集部の面々がそれぞれの立場から辞書を完成させていく物語。堅い内容を想像していたら意に反して、のっけから言葉遊びが始まりスラスラと読めてしまう。「犬。そこにいるのに、いぬ。はは、おかしい。」という調子だ。

    本作の良さは、辞書つくりに前向きな登場人物ばかりでない点だと思う。一般に辞書は生活をサポートしてくれるもので、小説や雑誌のように生活の中心にはなり得ない。そんな読書が抱くであろう距離感を前向きでない人物を登場させることによって上手く表現している。そんな構図が辞書に興味のない読者からも、きっと支持されているのだと思う。

    意識したことはなかったが、辞書のような身近にあるものに人の努力が込められている。この小説を読まなかったら、何も考えず時間が過ぎていったのかもしれない。

  • 本屋大賞とか、アニメ化とか、実写映画化とか、
    こらすげー面白いに違いないと、期待が高かったせいか、
    すげー面白いってかんじではなく、普通に面白いに落ち着きました。以上特に書くことなし。

    これから読む本に関しての情報は、なるべく無い方がいい、
    という教訓を得た一冊でした。

  • やっと読めた。
    面白かったといえば面白かったんですが、時間が飛んでからは馬締の人間性が今ひとつ掴めませんでした。
    27歳の馬締は変人感がとてもおもしろかった。時間とともにある程度社会に順応したってことなんだろうけど…
    西岡はブレずにずっと西岡だったので、なぜかとても安心感がありました。

  • 舟を編む / 三浦しをん

    2012年本屋大賞作品で、アニメ、映画化などもされている超有名作品。この本読んでわかったけど、とりあえず、どんな賞よりも本屋大賞は間違いないということ。
    300ページ超えもすぐ読めるほどの読みやすさと面白さで、分厚い小説に瞼が重くなる読書初心者にも優しい。


    荒木公平の人生は ー 人生というのがおおげさであるならば会社人生は ー 、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない。

    なんという堂々とした冒頭だろう。この冒頭で始めるのには、相当の覚悟と、自信が必要だろう。
    この冒頭で滑った小説ほど見ていられないものはない。
    ジャンプの打ち切り漫画的な感じで。
    でもさすがのこの小説はこの冒頭をひょいと背負えるような物語の深さと広さを兼ね備えている。

    辞書は、多くの人の願いと弛まぬ努力によって、連綿と紡がれていく。そうして、次の世代、そのまた次の世代へと、渡されていく。この小説の冒頭にはそういう想いも込められているのだなと感想を書いていて思った。

    また「舟を編む」ってタイトルがなんともいい。読み終わったあとにタイトルを見ると、改めて泣けるくらいに。

    とまぁ、いい点はあげればキリがないし、わざわざおススメするのも恥ずかしいくらいに周知の名作だから、個人的に残念やったとこを言っておく、まぁちょっと西岡以外の登場人物の心情描写が大味だったかな、と言う点。馬締の人間関係に悩まされるところや、仕事に対して悩む姿が個人的には少し物足りなかったかなと。
    でもこれはもしかしたら、僕の感受性の問題かもしれないし、この小説が小説の教科書レベルでしっかりと体系化されているからかなぁ、とか考えてみたけど、結局、そんなとこはどうでもよくなるくらい良い。



  • 変人馬締を筆頭とする新たな辞書づくりに没頭する人々の物語。

    分量の割に時間軸が長いので、ときにエピソードが薄っぺらく感じるところもあるが、「辞書づくり」というテーマは新鮮だったので、1冊の辞書をつくるのっていろいろな工程でいろいろな悩みにぶつかるものなんだなと純粋に興味深く読めた。

  • 「舟を編む」は辞書が出来上がるまでのお話。



    「じつは奥が深い!」「こんな仕事もあったのかー」と言った発見が好きな方、他方面のお仕事に興味がある方におすすめです。



    誰もが一度は紙の辞書をひいて言葉の意味を調べるという体験はあると思いますが、「その辞書はどうやって作られているのか?」はあまり気にかけた事が無かったです。


    作中の辞書を作る描写には、地味だけどとても繊細な作業をコツコツと積み重ねていく事の大切さを感じました。

    同じ言葉を複数の辞書で調べてみますと、同じ語釈が一つとして存在しません。意味は同じでも、語釈はひとつひとつ違うのが当たり前のようですが、それは「辞書の個性」と業界では呼ぶそうです。(ここがちょっとお気に入りです)


    どのように辞書が作られていくのかも興味をそそられましたが、主人公・馬締さんの「真面目で大人しいけど、けっこう熱くなるキャラクター」や他の登場人物が辞書完成へ奮闘するさま・それぞれの人間関係が最後まで楽しめました。

  • 出版社が国語辞書を作成する部署の物語。
    同僚に辞書好きがいるので、この本と出合ったのが偶然ではない気がした。
    辞書作成部署の人たちの視点で各章が構成されており、各人の思いがわかって、物語として面白い。

    ただ、辞書にそこまで思い入れがない私としては、ふーん。そういう人たちもいるものなんだっと少し冷めた感じみていた。
    終盤の辞書作成するときに、泊まり込みで数カ月作成するところは、労働基準法に違反しているし、ダメだろ、この会社っとか思ってしまう。
    各人が熱意をもってやっていますよっと言いたいのだろうが、今どきのご時世では訴えられるよ。っと考えずにはいられない。

  • 中盤が一番好き!最後は惰性で読んでた

  • 本から感じる熱量が凄まじかったです。
    世の中には熱い想いを抱き邁進している人がいるんだな、と感じさせられました。

    それは幸せであり、理解してくれる人たちに囲まれることは、さらに幸せなんだろうなと思いました。

    馬締さんが私の中では異色すぎて、少し恐怖心を覚えました。なんでだろう?ちょっとトラウマ気味に記憶に焼きつきました。

  • 主役は1人?2人?いいえ皆さんが主役。1人1人が編むように紡ぐ物語。

著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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