呪縛の家 新装版 (光文社文庫 た 4-48)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768997

感想・レビュー・書評

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  • す…すごかった…。

    解決編の後にまた解決がある感じですね。
    最後はちょっとゾワリとしました。
    結果遺産も好きな女も手中におさめるという…ブルブル。

    文章が古いかと言われれば現代とは違うんだけど、でも全く読みにくくはない。
    途中で作者の心の声がダダ漏れ出るのも面白くて、楽しく読みました。

    しかし挑戦状が2回もあるとは。そして挑戦状の文面がめっちゃ挑発的。特に2回目!
    さすがにもうわかるっしょ!!ねぇ!っていうね!

    わかんなかったよ!!笑
    また機会があれば続き読みたいです!!

  • 神津恭介シリーズ。宗教団体の呪われた一族に連続して起こる予告殺人。犯人よりも、殺人事件を利用して最後に利益を得た人物の方が、悪人だと思う。

  • 不思議な殺人予告通りに殺害されていく、教祖の孫娘たち。呪われた家や狂った教祖、それに絡む莫大な遺産相続。雰囲気抜群なミステリーです。

  • 雰囲気的には八つ墓村。ただ、展開とオチはとても分かりやすい。初めから怪しい人が“多分こうだろうな”と思う手法で殺人を犯し、さらに裏のある人はそのまま裏の姿を見せて終わる。

    気楽に見れる2時間ドラマといった感じで、個人的には嫌いじゃないけれど、連続殺人を唐突に音楽に例えだす点に「なぜ急に音楽?」ということばかりが気になっちゃって、集中力を削がれた。

  • 松下研三は、一高時代の友人である卜部鴻一から危急を告げる手紙を受け取った。彼の大叔父である卜部舜斎は、かつて勢力を誇った新興宗教、紅霊教の教祖。終戦後は勢いを失い、発祥の地である奥武蔵の八坂村で三人の孫娘と暮らしていた。八坂村へと急ぐ研三は、行き合った男から舜斎に宛てて「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」と告げられる。そしてその予言は、密室殺人の形で遂げられた。絡みつく呪いと不可能と思われる犯行に彩られた事件が幕を上げる。

    名探偵神津恭介登場の長編としては、刺青殺人事件に続く第2作。読者への挑戦もあって本格推理の醍醐味に満ちている。戦後間もない時世を背景に、暗く因縁めいた設定もたまらない。

  • 新興宗教・紅霊教の関係者である同窓生からSOSの手紙を受け取った松下。
    紅霊教本部ではおどろおどろしい予言が次々に実現していく。天才神津が参戦しても止まらない殺人。

    「刺青殺人事件」で快刀乱麻を断つごとくの名推理を見せた神津が犯人の後手に回っているのでハラハラしましたが、読み終えてみると神津の人間らしさが際立ったような気がしました。
    そして犯人の動機解明が読ませどころかと思いきや、ラストにもう一発食らいます。
    特別にひねったオチではないのですが、その描き出し方が醜悪かつ効果的でちょっと唸らせられました。

  • 紅霊教という新興宗教の本部で教義になぞられた連続殺人事件が発生し、神津恭介がその謎を解いていきます。
    おどろおどろしい雰囲気、密室殺人、遺産相続、抜け穴…横溝正史を彷彿とさせる設定と、最後の最後まで予断を許さない展開で面白いですし、犯人指摘後ゾクリとさせられるオチもありお腹いっぱいです。
    しかし、第一の殺人の状況が非常にアバウトで分り難い、見立てる必然性が薄い、小道具である短刀の扱いが雑など不満を感じる部分が多く、本格推理小説のしての質はもう一つといった印象です。

  • 神津恭介シリーズ。悪徳な宗教団体、そして内部分裂、預言者による殺人の予言、莫大な遺産、密室殺人、そして相次ぐ殺人未遂と殺人。これだけ材料がそろって面白くない訳がない!という期待を全く裏切らない、王道の推理小説に大満足。ただ、表紙が残念…

  • 刺青殺人事件を長いこと積読しておいて、本作の紹介文を読んで即購入⇒即読了してしまった私です。何故に!

    本作を読んでる間、ずっと頭にチラついていたことがありました。「何だこのデジャビュ…神津恭介は初体験な筈なのに…」と、内心ザワつきながら読み進め、神津探偵が出てきた直後に悟りました。

    二 階 堂 蘭 子 シ リ ー ズ に 超 雰 囲 気 似 て る 。

    とかく探偵礼賛に徹しがちなワトソン役と「御目文字かなって光栄であります!」な捜査陣が連ねる美辞麗句を読んでるあたりで気付きました。で、第一の殺人の後に探偵が登場した後も、続々被害者が量産されるんですが、そこまで至ってもいっかな探偵の手腕に疑念を抱かないワトソン君以下には、流石に半目になりました。いや、止められたら読者(こっち)も困るんだけどさ…。

    オーソドックスなトリックと挑戦状と種明かしに微笑んでたら、最後の最後で走る戦慄。まあでも一番戦慄したのは、某有名古典ミステリのネタバレを盛大にやってのけたことですけど…。

    “今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし”紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。だがそれは、呪われた一族に襲い来る悲劇の序章に過ぎなかった…。教祖を大伯父に持つ旧友の鬼気迫る依頼で、教団本部に出向いた松下研三だったが、ついに神津恭介に救援を求めた。名探偵は、恐るべき凶事の連鎖を止めることができるのか!?

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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