崩壊 (光文社文庫)

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769499

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  • 市議会議長の殺害。ベテラン警察官、本宮はパートナーの若手女性警官、優子と事件を追う。警察官を主人公とするよくある殺人捜査ミステリーかと思いきや、ストーリーの軸となるのは推理ミステリーではなく、登場人物たちの人間ドラマ。

    捜査の進展とともに明らかになる本宮、優子、容疑者、被害者の家庭環境。そんな4人の過去が微妙に絡み合い、最後にピタッとはまり合う。彼らの人生には経済力や男女関係、家族の死など「崩壊」のターニングポイントがあった。それを乗り越えた者と乗り越えられなかった者の差が殺人につながった。

  • 上手い。向田邦子か、松本清張かって感じ。

  • 関西の市議会議長殺人事件をきっかけに浮かび上がる、80年代バブル経済に呑み込まれた人々とその子どもたち。ある家族の崩壊と殺人事件を通して、時代に翻弄された人間を鋭く描く刑事小説。
    グリコ森永事件を舞台にしたミステリー小説「罪の声」が話題の作者だが、初期作品である本書はまだまだ文体が固い。登場人物たちの沢山のエピソードを詰め込みすぎて、途中から誰の出来事だったのかが分からなくなってしまう。枝葉を剃ることができたら傑作になったと思う。

  • 『女神の〜』に続き、塩田作品三作目。バブル時代を題材にした刑事モノ。素直に面白かった!優子の本宮に対する態度の変化が個人的には良かった。初めはブスーっとしてたのに、後半なんて仲良くお酒を呑む仲までなって—— 。輝の犯行動機については最後に手紙が提示されたが、個人的には「?」でしたね。何故この時に殺したのかはよく分からないな、と。次作は『氷の仮面』か『雪の香り』あたりを読みたい^^

  • 題名の通り、バブルの崩壊、家族の崩壊が、様々な事象に影響し、登場人物もそれぞれに痛みや悲しみを抱えている。
    しかも、あちこちの場面で氷雨ともいえる雨が降っており、「色で言えば、グレーだ。」と解説でも書いてある通りの作品。
    陰鬱と言っていいほどの物語の中で、唯一救いと言えるのが、捜査一課の若手美人刑事・平原優子(勿論彼女も重い過去を抱えているが)の存在か。
    ベテラン刑事本宮とのコンビは、乃南アサ著『凍える牙』以来の名コンビ「音道貴子と滝沢刑事」を、連想してしまった。
    平原・本宮コンビも、シリーズ化があるのだろうか。

  • 何となくタイトルに惹かれ読んでみたが、今ひとつスッキリしない警察小説だった。

    波山暑の刑事・本宮は捜査一課の女性若手刑事・平原優子とコンビを組み、市議会議員の殺人事件を捜査するが…

    捜査の過程で次々と繋がりが明らかになる人間関係。本宮自身もその輪の中に巻き込まれるというのはする都合が良すぎるかな。

    バブル前後の天国と地獄、家族崩壊と殺人事件。メインの材料は揃い、様々な調味料を使ったが、味が決まらなかった、という感じの作品だった。

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著者プロフィール

塩田武士(しおた たけし)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。新聞社勤務中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2016年『罪の声』にて、第7回山田風太郎賞受賞、「週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門で第1位となる。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に、『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『盤上に散る』『雪の香り』『氷の仮面』『拳に聞け!』『騙し絵の牙』がある。『罪の声』の映画化が2020年公開決定し、小栗旬・星野源の共演が決まっている。

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