東京すみっこごはん (光文社文庫 な 41-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769505

感想・レビュー・書評

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  • 古ぼけた一軒家には「東京すみっこごはん」「素人が作るのでまずいときもあります」の謎の文字。
    定食屋ではない。そこに集うひとたちが、くじ引きで料理を作るのです。しかも、そこにあるレシピ通りに作らなければならないというのです。
    集う人たちのもつ、それぞれの事情は切ないけれど、それがとけ合って、次第に人生の秘密が明かされていきます。いいなぁ、これぞ小説の楽しみ。現実はもっと厳しいからこそ、救われるラストでした。
    こんな場所が都会の片隅のあちこちに、ほんとうにあったらどんなにいいだろう。

  • 素晴らしかった。なんだか良い気分になる一冊。
    料理を通して集まった人間達の群像劇。最後は怒涛の展開で、いろいろと予想をいい意味で裏切られた。

  • よかった~ごはん食べたくなる(作りたくなる、ではない笑)

    くじ引きで調理する人を決める会員制ふらっと訪れる系の食堂

    いじめに負けそうになる女子高生
    婚活にふみこめない女子力低い系のアラサーOL
    やたら料理がうまい公務員のおじさん
    おせっかいおばさん
    からっぽの留学生
    などなど

    さいごはいいかんじにホロッとする
    死んじゃう系はかなしい

    幼馴染みのやさしい男の子にきゅんとする
    婚活話がみにつまされた(?)(笑)

  • 久しぶりに、ちょっと感動しました。

    実は読み始めてすぐに、謎解きが
    待っていることには気づいていましたが
    とても素敵に終わってゆく物語。

    丸山さんだけは、心残りです。
    できれば彼の再会とその結末も
    描いて欲しかった。

    レシピどおりに作ること。
    それをなぜかも知らずに繋ぐこと。
    人に知られずに見守ること。

    そこに偶然で加わった人たちに訪れる
    とても幸福な瞬間に、私も居合わせた気分。

    心の芯の温かみがじっくり寝かせている間に
    じわじわと全身に浸み出してくる。
    そんな素敵な物語でした。

    いい本に出会うと
    レビューにも力がこもります。

  • 普段あまり行かない本屋さんで何気なく目にとまって購入した本です。これはいい本でした。人と人が繋がっていって、そして続いていく。そんな何気ない話なんだけど、読んでいて気持ちがいい。
    これ映画にして欲しいなぁ。

  • 年齢も性別もはたまた国籍まで違う人達が集まってくじ引きで料理当番を決めるというシステムが面白いと思った。近くにこのような共同台所があったら毎日通いたい。渋柿こと柿本さんが最初は嫌味な人だと思っていたが実は人情味溢れる人ですみっこごはんの代表だったとは驚いた。

  • くじ引きで調理する人を決めてレシピ通りに作り、みんなで食べるというシステムが楽しいなとまず思いました。
    ここでなければ繋がらなかったであろう人々のエピソードも心温まるものがありました。

  • おもしろかった!
    いろんな年代、立場の人が、ここで出会って食事を共にして癒されていく。
    こんな場所があればいいなぁ。

  • しんどいなと思ったとき、逃げられる居場所があるのっていいな。シェルターというほど大袈裟なものじゃないけど、何も聞かずに温かいごはんを一緒に作って食べる。普段は学校や職場、家庭でそれぞれ生活を全うしなくてはいけないけど、別のコミュニティがすみっこにあってもいいよね。
    物語後半では、すみっこごはん設立の謎を追い始めるのですが、大体こういう話の鍵を握る人って、こういう性格してるよな〜と思った人がズバリそうでした。思わずにっこり。
    レシピノートと永久予約席のひみつが明かされたとき、ほろりと涙しました。

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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