一命 鬼役(十六) (光文社文庫 さ 26-20 光文社時代小説文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769710

感想・レビュー・書評

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  • 鬼役16巻目。
    居候してた望月宗次郎がまた帰ってきた!
    で、またも騒動…
    吉原通いしまくってたからツケが回ったのだろうと思いつつ
    将軍のご落胤ということでみんな頭が上がらないし
    そんや宗次郎を殺そうとする輩もたくさんいるし。
    と思ってたけど、ラストはなんだかえらい切ない。
    恋が終わったな…という感じ。

  • いつも通り面白かったが、最後に悪徳商人が殺される場面がチョット安易すぎの残念感

  • 宗次郎が帰ってきた……。いつの間に京都に……(見つからない十巻だろうか……)

    卯三郎と宗次郎の今後が気になる……

  • 尾張の藩邸から百日紅の一枝を盗んだ直太朗という子供とかかわったことで、その父親の伊勢崎新と、親しくなるのだが、、、
    尾張の病弱な殿 斉温から、子が出来ないと思われていたのに、実際は子がおり、身分の低い母親であった為に、知らされていなかった。
    そして、初代の義直公の血統を復活させるためにも、、、
    その子供が直太朗。
    蔵人介の良き話相手、釣り友達になった新も、上からの命で、人生を翻弄されて、亡くなる。
    読んでいて辛い。
    直太朗が、長手助左衛門の遺文に御三卿田安家へ養子に迎えられることになったのが、救いである。


    卯三郎が、兄の代わりと慕う舟形満は、弟を辻斬りに遭って亡くしてしまい、仇を討つために逆縁の許可を貰えないために、脱藩したのである。
    夜鷹と、長崎奉行の隠密が、胸を八文字に切られた事の濡れ衣を着せられる。
    蔵人介は、平戸藩の下屋敷で、隠居の松浦静山と平瀬減の新会う。
    「入れ子」という養子縁組の口利きで、儲けている者が居る。

    この2話の「鷹の羽」も、舟形満が、悪の平瀬源之進に切られてしまう。
    弟も切られて、仇を討つはずだったのに、、、、
    卯三郎の「口惜しゅうございます」の言葉通り、残念である。
    松浦静山の計らいで、兄弟同じ墓に埋葬されることになるのだが、、、やはり、生存して欲しかった。
    静山が、卯三郎に「鬼役になるのか」の問いと共に、「人生の楽しみ等 ほんの1割。9割は辛い事ば辛いかりだ。
    9割の困難があればこそ、1割の楽しみはかけがえのないものとなる」と、、、
    この小説も、辛い死の別れがあるから、生きている事の重要さを語っているのかもしれない。

    3話では、望月宗次郎が、帰って来た。
    志乃殿の一声は、やはり凄い。
    花魁の夕霧の為に帰って来た宗次郎。
    しかし、夕霧と親しかった狭霧が、毒を飲んで死んだのは、、、古筆切なるものの贋作を本物と見せかけるために達筆の狭霧を手玉に取っていあたからであろう。
    吉原の粂蔵が、夕霧の場所を探し当てたのに、、、蔵人介が、行く少し前に切られてしまう。
    羅生門河岸のみんなは、粂蔵と、狭霧の供養に、涙しながら、にわか踊りを踊りながら、悪人を葬る。
    最後の粂蔵が、教えてくれた東慶寺で、宗次郎は、剃髪した夕霧と会う事が出来た。
    夕霧は、円月と名を変え、宗次郎の母英月から一字を頂戴したと、、、そして、宗次郎の母は、生きていると、
    藤原定家の和歌の言葉「来ぬ人を松帆の浦の夕凪に
    焼くや藻塩の身も焦がれつつ」の来ぬ人は、宗次郎の事だと伝える。
    門の中と外、バリアーが、張ってるかの如く感じられて、、、、、
    これからの展開が、面白くなって来そうである。

  • 第十六弾
    中編三話、今回は公方の子宗次郎の実母の生死が?
    悪を討つパターンは中編三話構成にはピッタリか?

  • 粛々と物語は進んでいきます。

  • 2015年9月刊。文庫書下ろし。3編の連作短編。シリーズ16作め。剣の使い手の話2編あり、いずれも、面白かったです。松浦静山が登場する話もあり、興味深かったです。巻末の鬼役メモの画部分をもう少し大きくして欲しいなぁと思います。そのほうが楽しめます。メモに使ってる人いらっしゃるのかな。

  • このごろは密命で動くというより、かかわった人とのつながりで動くことが多くなった。
    今回は、居候の宗次郎から隠し子を連れて江戸に来た剣客までいろいろな出会いが事件のきっかけとなる。
    私の読後は、鬼役の重荷を背負う苦しさだけが残っていくのだが。
    ともあれおもしろかった。

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著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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