狐舞: 吉原裏同心(二十三) (光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 145
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769758

感想・レビュー・書評

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  • 3日に一度も紋日(イベント日)になったら、そりゃ客は紋日を避けるよね。そんな当たり前なことも、組織の中の責任者が複数集まると、半数近くは修正反対側になってしまい、多数決ではなく満場一致を原則とするあまりに何の結論も出せない。既得権益者の会議ってこんなもんだよね、と現代のあれこれにからめて、頷ける。
    今巻はこの問題にからめて殺人だの賭博だのの事件を幹次郎くんたちが解決していくなで、まとまりがあった。
    幹次郎の豊後岡藩帰参ネタだけは浮いていたけれど、これは次回への伏線にしたいのだろう。

    そんな中、やはり残念至極で違和感ありまくりなのが、汀女さんが、薄墨大夫と幹次郎くんをくっつけようとするところ。今巻はとうとう「一夜の情けを持ちなされ」とまで言っちゃって、どれだけできた奥さんでも、こんなこと言わないと思うんだけどなあ。
    解説でも、「幹次郎と薄墨大夫とのロマンスが読者の関心事」と書いてあったが、特に女性ファンは、夫婦仲のよさと薄墨大夫の叶わない淡い恋心のバランスを気に入っているのであって、本当に幹次郎が薄墨大夫とマジに恋愛だか浮気だかしたら、相当幻滅するはず。
    だいたい、汀女さんが、幹次郎に薄墨大夫と一晩過ごすことを勧める物言いも、かなり上から目線ではないか?一度だけなら自分が許してやるから、かわいそうな薄墨大夫を抱いてやれ、ということでしょう。本当に顔も心根も美しくて聡明で優しい女性だったら、そんな失礼な考え方はしないと思うのだけど……。
    どうも、ここらへんが佐伯作品の女性像の限界な感じ。この作品は、しっとりつややかな雰囲気が気に入っているので、女性の描き方にも注意を払ってもらいたいと願っている。

  • 剣の腕で吉原裏同心として知られるようになった幹次郎に復藩の話。あまりに急な申し出の裏には。さらに吉原に襲い掛かる新たな野望。その阻止にも奮闘することに。さらには薄墨太夫との仲にも変化が……。

  • L 吉原裏同心23

    内容はみなさんのレビューにあるので省略するが、やっぱり限界だな。裏同心も。
    薄墨太夫、あれの立場はよいとしても実際そうなったらアホだろ。男の幻想?ゆめ?ちょっと古いんじゃありませんこと?汀女さんももはや古女房になっちゃって。もう玉藻さんの代わりに店を任されてるくらいだから幹どのとは別れてキャリアウーマンとしての人生を歩んで成功してほしいよ、まったく。なんか諸々尻切れトンボで、年始を迎えて丸く収まった感になってるけどさ。
    幹どのの魅力ってなんだっけ…。

  • 藩の意地の張り合いから、剣の競い合いになる
    脱藩した幹次郎まで駆り出す自儘な争い

  • 吉原裏同心(23)…で,22をすっ飛ばしちゃった~吉原裏同心の神守幹次郎に,かつて出奔した豊後岡潘から復潘の話が舞い込む。突然の話に訝る幹次郎だったが,そんな折り,吉原に出店を持つ呉服屋の主が殺された。探索を続けるや,名門旗本の存在がちらつき,背後には吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび上がる。難問山積の幹次郎はかつてない大捕物に豪剣で立ち向かう--。←→呉服屋の出店を預かっている病の番頭の娘が針修行に出ている京から戻り,番所にも知られず大門の出入りをしていたのは,隠密廻り同心・村崎が鼻薬を利かされたためだった。呉服屋の番頭上がりの新しい主人は,博打にのめり込んで大借金を拵え,博打場からの取り立てを少し躱すために,番頭の娘を女郎として売ろうという算段だった。その娘が襲われて女郎屋の遣り手婆が叫び声を挙げて難を逃れたが,番所が気付かなかった事態が浮かび上がったのだ。病の番頭は追い出しを喰らっているが,呉服町の本店も人が閑散としており,相談に乗ろうともしない。呉服屋の売掛金を値引きして回収し,半金を未払いの給金として病の番頭に渡し,女郎屋の寮で父娘が平和に時を共にできるように取りはからったが,本店の大番頭が姿を消し,主人は刺し殺されて河岸に捨てられていた。出入りしていた賭場は,寄合旗本・有馬の屋敷。胴元は一晩で千両を超える儲けを出す大木戸の六蔵という悪党で,腹心を捕らえて吐かせると,賭場の用心棒に一天二心流の遣い手・南部豪之丞頼義と配下が居て,有馬の妾は短筒を持っていることが解った。常廻り同心・桑平は神守の腕を買い,見事にこれを斬殺したが,客の中に不景気に悩む吉原の楼主もいた。勢いを盛り返すために,多くした紋日を減らそうとすることに反対を唱えている。呉服屋の出店番頭の娘を襲ったのは,遣り手婆と楼主の息子だった。この楼主も紋日を減らすことに反対できなくなった。旧藩からの誘いは,碁敵同士のいがみ合いから,剣術の果たし合いに発展したことがきっかけで,豊後の小さな親藩に飼われている剣術家と立ち合わせるつもりだったらしいが,何も言ってこない。料理屋・三浦屋を仕切る玉藻が悉く縁談を断っているのは,好きな男が居るためだという推測は誤っていた。玉藻には異母弟がいて,度々無心されてはいるが,これに跡を取らせたいという思惑が働いていたからだ。一軒家に住む幹次郎と汀女に子はできず,汀女は一度だけなら花魁・薄墨こと嘉門麻と情を交わすことを認めている。神守は薄墨の前で大晦日の狐舞を踊って,薄墨に抱きついたが,狐に抱きつかれた者は孕むという話もあるのに,薄墨は避けようとしなかった~未読の22は夢幻だが,もうそろそろ飽きてきたなぁ。終わりにするシリーズもあるらしいし,一杯稼いだからもう良いのかな? えーカバー裏に書いてある吉原乗っ取りって何のことだろう。書き始めた最初の旧藩絡みの話は次の巻で? 久米宏の解説は蛇足だ・分かりやすく言えば,要らない! 薄墨は妊娠出産するね。これが幹次郎の子だね。まだ続くのだろうか,飽きたわ

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    吉原裏同心の神守幹次郎に、かつて出奔した豊後岡藩から復藩の話が舞い込む。突然の話に訝る幹次郎だったが、そんな折り、吉原に出店を持つ呉服屋の主が殺された。探索を続けるや、名門旗本の存在がちらつき、背後には吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび上げる。難問山積の幹次郎はかつてない大捕物に豪剣で立ち向かう―。超人気シリーズ、待望の第二十三弾。

    平成27年11月11日~18日

  • 正月二日。京町一丁目から花魁衆の年礼道中が姿を見せる。三浦屋の薄墨と高尾の両太夫が先頭を行く…。このラストの描写がたまらなく良い。くそ暑い夏に、晴れやかな正月気分を味わえた。

  • 皆さんのレビュー拝読して頷き頷きでした。
    その上で、自分にとっての突っ込みを。

    最後の場面で
    薄墨太夫が実家から持ってきたという手拭いが登場したけれども
    先だっての炎上の際も
    肌身離さず持ち歩いていたってこと??
    でなきゃ、そこに存在していないよね……。

  • 吉原に出入りしていた娘が襲われ、会所の許可のない娘かと思われたが、実は面番所の村崎同心が吉原に出張所を持つ呉服屋の主から金子とともに出入りの許可を与えたことから、会所はその呉服屋に纏わる事件にかかわることに。
    主人公幹次郎と村崎とのやり取りは、最近小気味良いくらいです。
    …が、妻である汀女と薄墨太夫との関係はいよいよ煮詰まる感じ。まさか汀女が一度ならと許可を出すとか!しかも薄墨太夫は幹次郎の子を産みたいとかなんとか。幹次郎もなんとなくほだされて流されそう。
    この流れは嫌な感じがします。ただ、薄墨太夫は吉原で生涯生きていく決心をしたとありますが、それは全盛期の太夫として子を産んだとしてもありなのかとか考えると、なしなのかなとか。
    同じ女としては、許可なんてありえない。関係を持ちそうで持たないところが粋で切ない、とはここまで来ると思えない。できれば全く振り向かずに汀女一筋を貫く男を思う薄墨太夫の方がぐっとくるんだけれど。振り向かない人だからこその切なさとか。
    でもよく考えたら、幹次郎自身、上司の妻女を事情はさておき勝手に連れ出して逃げたのだから、純情云々でくくれるものでもないのかもしれないと思い直しました。

  • いつも強い。
    当然続編があるという終わり方。
    待ち行列が長かったので借りるまで時間がかかった。

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プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

佐伯泰英の作品

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